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頭のなかにある思考のエッセイ

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自分のなかにもやもやと浮かぶものの輪郭をとらえたくて綴る、文章の置き場所。主に自分のための言葉たち。
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2022年1月の記事一覧

自分を狭いところに押し込めていたもの

最近、わたしの思考は軽やかだ。 「最近」と言っても、ここ2年ぐらいの話。 軽やかになった理由は、自分の脳に負荷をかけていた「人をジャッジすること」をやめたから。 人をジャッジすることーー。 「あの人は正しい」「あの人は正しくない」 たったこれだけの、言葉にするととてもシンプルな思考。 だけれどもこの思考のせいで、わたしの脳はいつもキャパオーバーで、ずしりと重苦しい雰囲気で、それゆえに余裕がなかった。 「ミキさんは、人をジャッジするのが得意ですね」 眩しいほどに辺

それだけで「今日もよい1日だった」と思えるから

「ああ、やっぱりこの街が好きだ」 遠出をした帰り道。辻堂駅の改札を出た瞬間に、いつも奥底から湧き出る気持ち。 もともと「家」が好きで、旅行をしても、遠出をしても、帰ってくると必ず「家が一番いいな」と思う性だ。 でも今は、ちょっと違う。 「家が一番」ではなくて「この街が一番」。愛の対象の拡張。家だけでなく、街に対する安心感。 神奈川県・辻堂で暮らしはじめて、1年が経った。 春夏秋冬を一通り過ごしてもなお、この街はまだ新鮮さを保っている。海はいつ見ても心が躍るし、街のお

灰色の日は、「ただのわたし」を生きることにする

周りにある何もかもが灰色に見える、心が乾いてささくれ立つ日がある。 小さな違和感が、乾いた自分の心に「カーンッ」と大きな不協和音を立てて響く。普段ならさらりと流せるようなことが引っかかり、そんな自分に対して「はあ」とため息をつく。 重たい頭を上げて、わたしを抜き去っていく人々へ目を向ける。みんな立派な社会の一員という顔をして、うまくやっているように見える。 どうしてわたしだけ、こんなにダメなんだろう。 やさぐれた気持ちをどうにかしたくてコンビニに入る。自分の機嫌をとる