体の感覚を上手に使って、健康な人が増えるように
・最先端の技術に勝る正確性はないと、信じていた
眼瞼けいれんを発症したとき、最先端の設備が整った大学病院をまず頼りました。
最先端であれば、わからないことはない。それくらいの信頼を寄せていました。
けれど検査をしても、数値上や画像上では異常が見つかりませんでした。
信頼が高かっただけに落胆も大きかった。
でも、落胆していても仕方がない。
前に進むしかない。
自分なりに病院を探しながら、
あらゆる治療を試しながら、
最後に流れついたのが今の治療院でした。
・医療機器を使わない診断方法を拒絶する
そこでは、これまで私が経験したことがない方法で診察が行われました。
先生は、私の体の反応だけで診断をするのです。
それも1分にも満たない速さで、
医療機器を何も使わずに
全身をチェックしていきます。
「筋肉がゆるんだから、ここは異常だね。
筋肉がゆるまなかったから、ここは正常だね」
といった感じで。
これは、カイロプラクティックの世界で考案されたAK(アプライド・キネシオロジー)という手法を取り入れているようです。
初診当時の私は、これに対して
ものすごい抵抗感を覚えました。
そんな原始的な方法で
何がわかるというんだ。
そんな方法で診断できるほど、
私の症状は軽くないんだ。
脳神経の難病なんだ。
そんな方法でわかってしまったら、
今までの時間は何だったんだ。
バカにするな。
こんな所、2度と行くものか!!!
・体の感覚は精密機器より正確なのでは、と思い始める
反発心は、怒りへと発展していきました。けれど、病院選びは行き詰まっているわけです。
反抗したところで、怒ったところで
他にいく当てがない。だから渋々通い続けてみることに。
でも通っても、やはり何がなんだかわからない。
それでも通い続けていくうちに、
少しずつ、少しずつ、頭よりも先に体の方が理解できるようになっていきました。
先生は治療中、よくこう言います。
「今、ここの骨を操作したよ。
これがいい状態。わかった?
じゃあ一回、骨を元の状態に戻すよ。これが悪い状態。
じゃあ、また骨を良い状態にするよ。
ね、違いがわかるでしょ?」
と。
そうやって、言葉ではなく、
私の体で感覚の良し悪しを教え続けてくれました。
細菌やウイルスの診断に関しても、同じこと。
ジストニアとは、感染症で起きると先生は考えています。
「この病原体に感染しているから、
体はこういう反応をするんだよ。
この病原体には感染していないから、体はこういう反応をするんだよ」
先生の説明を受けながら、感染しているとどういう体になって、感染していないとどういう体になるのか、
少しずつわかるようになっていきました。
そうやって10年という時間をかけながら、少しずつ少しずつ体が理解していくうちに、思うようになったことがあります。
・良い体の感覚を伝えていけたら
一回の文章では、到底伝わらない内容だと思っています。
もしかしたら、言葉だけでは伝えきれない世界なのかもしれない。
治療を受けていても、分からないことはまだまだたくさんあります。
けれど、少なくともここまでは理解できていると思っています。
私は、間違った感覚の使い方をして
本格的に病気に突入していきました。
けれど良い使い方をして健康に向かっていきました。
良い感覚の使い方が普及して、生きやすくなる人が増えていきますように。
その手助けができるように、これからも感覚の世界を発信していきます。