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読書メモ31

最近、ホットビスケットを焼くことにハマっている
教えてもらったレシピが感覚的な要素が多く、試行錯誤が必要。でもパン屋よろしく改良していくのが面白い


151.Nのために

本当の愛とは罪の共有

湊かなえさんのミステリー作品
とある夫婦の死に対しての登場人物の証言から始まる

主要登場人物の名には「N」がつき、各々が各々の想う「N」のために動いた結果が複雑に絡み合う。
誰も悪意を持って動いてないのに悪い方に噛み合っていくのが悲しい。

152.墨のゆらめき

書家とホテルマン、人間関係のゆらめき

三浦しをんさんのAudible限定作品
Audible限定なんてあるなんて嬉しい。
文字を目で追うのと、耳から聞くの、著者側で気を使う事はあるんだろうかと少し思ったけど、面白くてそんなことどうでもよくなった。

ホテルマンの主人公「チカ」と書家の「トウダ」二人の関係を描いた作品。書き出すと「チカ」って女性っぽいけど、チカもトウダも男、おじさん。「チカ」は「チカラ」って名前のあだ名です。

素直で真っ直ぐなホテルマンのチカが自由人のトウダの書に魅せられながら、人間性にも惹かれていく。

仕事をきっかけに関わり始める2人の距離感や信頼感の経過か細かく表現されていて面白い。

こうやって書くと恋愛がテーマっぽいですが違います。上手く伝えられてないだけだ、読んでください。

トウダの飼っている猫の「カネコ」がいろんな場面で良い味を出していて可愛かった。

153.誰かが私を殺した

幽霊となって自分の死の真相に迫る

東野圭吾さんのAudible限定作品
「墨のゆらめき」が良すぎたので飛びついた。

タイトルにもあるように、「私」を殺したのは誰かを探るミステリー作品。プロローグで主人公が殺され、幽霊となり、捜査を進める刑事に取り憑いて事件解明の一部始終をみる話。「私」がなぜ、殺されたのか明らかになっていくにつれて「私」の気持ちの変化や残された家族への想いなどが渦巻く様子も面白い。

自分を殺した犯人が追い詰められていく様子を幽霊視点で語る設定が新しくて、その手があったかと感心した。
(さては、ミステリー作品界隈ではよくある手法だったりする?どうせアガサ・クリスティ大先生がやっとんのだろう笑)
ラストシーンもすっきり感あってよかった。

Audible限定作品は、朗読されるわけではなくて、セリフの場面は声優さんが演じてくれる。なので、誰のセリフかの説明はいちいち無いし、感情も表現してくれるので読書とは違った面白さがある。それでいて映像作品よりも自分の想像が入る余白が多いから結構好み。

154.令和元年の人生ゲーム

Z世代の生き方とか

麻布競馬場さんの直木賞候補作

Z世代と言われる人たちの人生に対するモヤモヤをうまく表現した作品。とされているけどイマイチよくわからなく、ただモヤモヤを抱えながら若者が生きていく様子のリアリティは確かに感じた。悩み方も、最近の若者らしさは感じるものの、世代関係なく感じることのようにも思えた。

Z世代のように、世代でカテゴライズすること自体がイマイチな側面もあるのは事実。
様々な価値観を尊重し合うという世の流れもあるし、エンタメが溢れていてその年代が足並み揃えてハマるものが生まれづらいことで、その年代が一様に持ち合わせる価値観なんてなかなか無い。

ちなみに私は文献によってZ世代であったりその上の世代であったりちょうど境目らしい。

155.死写会

その映画を観ると、死ぬ

Audible限定作品。正直そんなに面白く感じなかった。

巨匠映画監督の25年ぶりの新作の試写会に訪れた50名近くが集団自殺する。
どうやらその映画には、とある怨念が宿っていて、見たものを皆殺しにしてしまう。その真相に迫っていきながらラストどうなっていくのかを楽しむ物語なのだけど、正直怨念の正体や死人の数、死に描写などがオーバー気味で逆に冷めてしまった。

とはいえ、Audible限定作品だからこその声優陣の贅沢さ、臨場感は堪能できる。特に凪役の名塚佳織さんの声が良かった。内に秘めた信念というか、力強さを感じる演技が素敵だった。





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