見出し画像

「孫子の兵法」を読んで

今回読んだ本は「孫子の兵法」

副題に、「考え抜かれた人生戦略の書の読み方」とある守屋洋さんの本です。

どうやら書かれた方は中国文学研究の偉い人で、その世界では有名らしいです。

この本は、各所で取り上げられている「孫子の兵法」をわかりやすくまとめた本

実際の中国の戦いが具体例として登場し、孫子の兵法にならって成功した例、無視して失敗した例などを知ることができて面白いです。

三国志演義やキングダムで出てくる戦いも登場するので、知ってる人はより楽しめると思います。李牧とか孔明とか出てきます。

読んだきっかけ

大層な話ではないですが、きっかけがあるのでせっかくだから書きます。

①大学院の授業で紹介されて買った(けど読まなかった)
大学院の教養的な授業で元富士フイルムの偉い人?が授業に来た際に、おすすめの本として紹介していました。せっかくだからその場で買ってみたんですが、何故だか買ったことを忘れて、そのまま読まず。

②深津さんが超訳孫子みたいな記事を書いていた
Twitterかなんかで流れてきました。きっとうまく超訳されているんだと思います。でも僕がそれを読んだら、「孫子」を読んだ感を出しちゃう気がしてまだ読んでません。

その記事が目に止まった時に、以前買ったことを思い出しまして、読んだというわけです。

専門家じゃない人の超訳読んで、元ネタ知ってる感出すのは流石に恥ずかしいと思ってます。

「孫武」の「孫子」

読み始めて初めて知ったんですが、「孫武」って人が書いた「孫子」って本らしいです。「孔子」の「論語」とはまた違うんですね。

てっきり、孫子って人が書いた「兵法」って本だと思ってました。恥ずかしい。


孫子とはなんの本か

現代において孫子は、読むとマネジメントの方法がわかるとか、経営がわかるとか、「ビジネスという戦いの兵法書」として紹介されることが多いです。

戦いの考え方が仕事やら人間関係やらで応用できるんだそうです。

でも、そんな解釈せずに、シンプルにゲームの攻略本だと思ったほうが読みやすいです。

僕の好きなゲームである、将棋、FPSは戦を模倣したようなゲームですので、

2500年以上前からある著名な兵法書が役に立たないわけないです。

実際、これらのゲームの基礎中の基礎の立ち回りや考え方が詰まったような本でした。


将棋を例にすると

 戦争のしかたは、次の原則に基づく。  
十倍の兵力なら、包囲する。  
五倍の兵力なら、攻撃する。  
二倍の兵力なら、分断する。  
互角の兵力なら、勇戦する。  
劣勢の兵力なら、退却する。  
勝算がなければ、戦わない。  
味方の兵力を無視して、強大な敵にしゃにむに戦いを挑めば、あたら敵の餌食になるばかりだ。
(位置NO.534/2242より引用)

これって将棋の全てでは?

特に2倍の兵力なら分断するっていうのは将棋の攻めの基本ですね。

勝算がないなら戦わないというのも当たり前。将棋も攻めが成立しないタイミングで仕掛けるのはありえない。こういうのを将棋では無理攻めといいます。

神頼みで逆転勝ちなんてことは絶対に起こらないので、戦力を見極めて戦うのが将棋です。

FPSを例にすると

一、高地に布陣した敵を攻撃してはならない。  
二、丘を背にした敵を攻撃してはならない。  
三、わざと逃げる敵を追撃してはならない。  
四、戦意旺盛な敵を攻撃してはならない。  
五、おとりの敵兵にとびついてはならない。  
六、帰国途上の敵のまえに立ちふさがってはならない。  
七、敵を包囲したら必ず逃げ道を開けておかなければならない。  
八、窮地に追いこんだ敵に攻撃をしかけてはならない。
これが戦闘の原則である。

特に高地に布陣した敵を攻撃してはならないなんていうのは基礎中の基礎

高台からだと敵がよく見えるし、射線もすぐに切ることができます。

また深追いも禁物

なんてんまる「アーマー割ってる!やれそう!やれそう!詰めます!」
友人「あー、バカバカ、行くな行くな」
なんてんまる「死にました、起こしてください」

こうなります。

他にも地形の理解の重要さや進軍のスピード感など立ち回りが満載。さすが兵法書。

考え抜かれた人生戦略の書

さて、本書は副題に「考え抜かれた人生戦略の書の読み方」とありますが、実際のところどう読むのが良いんでしょう。

個人的な感想としては、やはり自分なりに噛み砕いて解釈して活かすことができないのならあまり良いとは思えませんでした。人生=戦いではないと思っているので。この本自体も古いですし仕方ないのかもしれないですが。

なんというか、冷静ぶっていやにスパルタな感じがするというか。

ど偏見ですが、昭和のビジネススタイルみたいな。

例えば、11章 九地編では、ざっくり言うと、部下のやる気と集団の力を引き出す。ということをテーマに書かれています。

いかにもビジネス書って感じなんですが、

兵士に死力を尽くして戦わせるためには、死地(死ぬほどやばい状況)に置くこと

って書いてあるんですね。

まあ確かにそうかもしれないのですが、これはまさにゲームみたいな発想。

特性「もうか」やスキル「火事場力」みたいなことを強要するのは流石にしんどい。ゲーム依存症の作戦って感じです。

こんなの鵜呑みにして、追い込まれてパワハラ受けて大変な思いをしてきた人がたくさんいるんだろうな。

つくづく令和に社会人を始められて良かったと思います。

なんだか上手く纏まりませんでしたが、こんなところで筆を置きます。



この記事が参加している募集

頂いたサポートは、記事作りの糧にします!報告の記事も書かせていただきます!