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読書メモ21

101.ハンチバック

市川沙央さんの芥川賞受賞作
audible版を視聴

主人公は作者と同じ先天性ミオパチーという筋肉の病気を患っていて、その視点から見る世界のリアリティが印象的な作品だった。

印象に残ったのは何気ない一文で

出版界は健常者至上主義、マチズモですよ。
軟弱を気取る文化系の皆さんが、蛇蝎の如く憎むスポーツ界の方がよっぽどその一隅に障害者の活躍の場を用意しているじゃないですか。

オーディブル版なので正しく引用できていないかもしれない

ちょうどaudibleで聴いていて、やっぱ文字ので読んだ方がいいな、と思っていたところで
本のページを捲るのも誰かの補助が必要な人もいることを再認識した。

audibleとかに関しては、いろんな選択肢があって発展することは良いことだと思う。けど何かを変えるのって難しいよな。
法律でも製品の仕様でも何かが変更になる時、誰が幸せになるかと同時に誰が不都合を被るか考えないといけないの、まさにトロッコ問題だ。

102.世にも奇妙な君物語

めちゃくちゃ「世にも奇妙な物語」の本が目に止まって、朝井リョウさんのやつだったので気になって読んでみた。
「何者」「正欲」「どうしても生きている」だけ読んだことある自分視点だと、1話目はめっちゃ朝井リョウさん感があって満足。他の話もネットニュースとか幼稚園と親の関係とか鋭い切り口で面白かった。ちゃんとオチも奇妙な世界観ですごい。

世にも奇妙な物語って面白いよね。

103.はじめてのUXデザイン図鑑

UXデザインの事例が載っている本で、そのUXの狙いはなんなのか、どういうアプローチをとっているのか、要素を分けて紹介してくれる本。
とてもわかりやすい。
ここで紹介されている要素のいくつかは、人間を思い通りに動かす手法のような気がしてしまって、悪用できちゃうよな、とも思った。

多分、大詐欺師とか悪徳宗教の教祖なんかはその気になれば優秀なUXデザイナーになれるんだろうな。

104.北関東の異界 エスニック国道354号線 絶品メシとリアル日本

Podcastで紹介されていて、読んでみた。めちゃくちゃ面白い。
国道354号線は高崎から太平洋に面する茨城の鉾田まで北関東をぶち抜く国道で、歴史上様々な国の移民が地域に定着し独自の文化コミュニティを形成している。
タイとかフィリピンとかベトナムとかパキスタンとか色んな国の人が定着してる。この本は、その国の人たちがどういう経緯で日本に定着したかまでを、著者が自らそのコミュニティに入り込んで関係を作って話を聞いているので情報がリアルで面白い。
中に不法滞在している外国人も多くいるらしく、でも地域の工業、農業を支えているのも不法滞在勢だったりして、グレーで有耶無耶になってる日本のリアルも見えてくる。

個人的にはエスニック料理はそんなに好きではないけど、この本は日本で暮らす外国人たちの日常を知れたり、自分とは全く違った環境を感じることができる、面白い本だと思った。

学生時代にこの国道のことを知ってたら、354号線ドライブ旅出来て楽しかったのになー

105.いま生きているという冒険

亡くなった祖母から15年以上前の誕生日に貰った本。小学校の頃読書を全くしない子供だったので、おそらくペラペラとめくったくらいでしっかり読まなかった本。

祖母の葬儀のため帰省した際に自室から持ってきてようやく読了。難しい漢字にはふりがながあるような子供向けの本だけど大人の自分が読んでもとても面白い、まさに冒険の本だった。

内容は石川直樹さんという冒険家?カメラマン?ライター?の方が高校生、大学生、今の自分くらいの頃までに体験した冒険とその時感じたもの、見たものをギュッと綴ったもの。
高校生の頃にバイトで貯めた12万で1ヶ月インド旅行したことを皮切りに、北極や南極、エベレスト、ポリネシア式の航海術を現地語で学んでカヌーで海を渡ったり、気球で太平洋を横断しようとしたり、とにかくエクストリームな刺激的な冒険話。

当時祖母が何を思ってこの本を選んだのか、言ってくれたかもだけど覚えてないし、確かめようもないけど、世の中無数の世界が広がっていることや色んなことにチャレンジして経験することの素晴らしさ、人間の生命力を感じるすごい本だった。

読み終わってから気づいたんだけど、著者はこの本を書いた時29歳で、、、
流石にレベル違いすぎる、、、、怖っ!

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