ほたる
さらりとした風が吹く
静かな川べりで
消えるとも消えないあかりが
時々線を描く
あの光は私を知っているだろうか
こちらに向かっているのだろうか
それともあちらに逃げているのだろうか
ぽやりぽやりと浮かぶあかりが
「そうかもね」
「そうじゃないかもね」
と嘯く
つかみたいと手をのばしても
つかまらぬ
夢中で追っているうちに
小さなほたるがそっと膝にとまる
麻璃亜
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