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本と香水と


私の秘密。
仲のいい友達にもあんまり言いたくないこと。
そういう大切な何かって皆必ずあると思う。

私にとって、そういう存在が本と香水。
とっておきのものは特にそう。

また、私のとっておきが他の人(見ず知らずの人でも)にとってもそうであると知った時
秘密を共有してるみたいで、少し「ドキッ」としてしまう。

なぜだろう。なぜなのだろう。

きっと本と香水は、私の鎧で、秘密兵器で、
私の背中を押してくれる存在だからかもしれない。

辛い時、眠れない夜、憂鬱な朝。
そんな時に私を強くいさせてくれるのが、これらだから。

「もうだめだ」って心が折れそうな夜、
一つの文章や言葉が、私にほんの少しの自信を与えてくれる。

「今日はダメかも」と感じる朝も、
とっておきの香水が私の背筋を伸ばしてくれる。

だからこそ、この2つは普段は私の中にしまっておきたい秘密なのかもしれない。


私はそんなわけで、趣味は積読なのかというくらい本を買い続けるし、
使い切るのに何年かかるの?というくらい香水を集め続ける。


友達には秘密だけど、
noteでだったら公開できてしまう、
今の私のとっておきの本と香水を紹介します。


女の人差し指 向田邦子


私にとって、向田邦子は永遠の憧れでミューズ的な存在。
旅好きで、好奇心旺盛で、こだわりに妥協しない女性。
自分に重なるところを見つけるとすごく嬉しくなる。


私が生まれる何年も前に亡くなった方だけれど、
書かれている文章は古いようで新しい。

向田邦子の言葉遣い、観察眼はとても強くて繊細で、
“日本女性の美”をこれ以上に感じられる文章はない気がする。

私が向田邦子の本を読むのは、
夜寝る前もしくは新幹線での移動中が多い。

旅についてのエッセイを読みながら、
私もこれから訪れる土地に想いを馳せるのだ。


「女の人差し指」を少しずつ少しずつ読み進め、
なんと3年かけて最後のページに辿り着いた。
大切にしたいからこそ、時間をかけた。

この本を読むと、ここ3年の様々な夜を思い出す。
私に強く夜の乗り越え方を教えてくれたこの本は、
向田邦子の著書の中でも特別な一冊だ。


CHANEL No.19



これは数年前、母から譲り受けたもの。
母かまだ独身時代の時に、ハワイかヨーロッパかの旅行のお土産に買ってきたものだそうだ。

まだ一度も開封していなかったとはいえ、20年以上も前の香水なんて使えるの??と思ったが、私的には香りも問題がないように思う。

この香りは甘さがかなり控えめ。
スパイシーで、凛としていて、芯のある強い女性が表現されていると思う。

TPOどんな場面でも使えると思うし
(でも好き嫌いは別れる香りかも、、)
極端な話、お葬式などでも使用できそう。

本当に“ここぞ”という時にしかこの香水を使わないから、あんまり減っていないし、まだ“私の香り”とは言えない。

普段使いしている香水は他にあるから、友人からするとその香り方が私としての印象は強いのかもしれない。

けれども、CHANELの19番は私を強く逞しくしてくれる、1番の香水だ。


本も香水も、憧れや自分の追い求めている人間像だったりをかなり表すから、今回は私の深い自己紹介になるのかなぁと思う。

この文章を書いていて“強い女性”という言葉をたくさん使った気がする。
今の私は強くなりたいのかもしれない。

24歳の私は、まだまだ「ふわふわしてるね」などと言われることが多く、それは本当に事実なんだろう。でも、その度に悔しい気持ちになる。

そんな時は、本を読んだり香水を身に纏ったりして
「そうじゃない!」と静かに反抗してみようかな、なんて。

いつか、きっと、私が想像している
理想の“強い女性”になれたらなぁと思う。

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