理科の雑学㊱【焦げつかないフライパンはなぜ焦げない?】
フッ素加工されているフライパンは焦げつかなくて便利ですが、なぜ焦げないのでしょうか。
フライパンは一見すると乾いているように見えていても、実際にはわずかながら表面に水分が残っています。
このわずかに表面にある水分を「吸着水」といい、これが焦げの原因となっているのです。
食品中の水分と吸着水が接触することで、食品中の水分に含まれていた糖やたんぱく質が吸着水と結びつき、この状態で加熱を続けることで焦げついてしまうのです。
そのため、フライパンの吸着水と食品が触れない工夫をすると焦げつかなくなると考えられます。
(油をひいて加熱することで、食品と吸着水の間に油の層をつくり、直接触れることを防いでいます。しかし、油が足りていない部分では焦げてしましますね。)
吸着水と食品が直接触れないようにフライパンに施した工夫が、フッ素加工です。
アルミニウムや鉄でできたフライパンの上にフッ素樹脂(有名なのはテフロン:‐(CF₂-CF₂)n-(ポリテトラフルオロエチレン)の商標名)をコーティングしたり、混ぜ込んだりしています。
フッ素樹脂は、化学薬品に対して安定な「耐薬品性」、摩擦が起きにくい「低摩擦性」、水をはじく「撥水性」などがあります。
このうち「撥水性」により表面にある吸着水がなくなることで焦げつかなくなるのです。
また、食品から出る水分(吸着水と結びつき焦げの原因となる糖やたんぱく質を含む)がはじかれる効果もあり、焦げつかなくなります。
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