日本ファクトチェックセンター(JFC)
日本ファクトチェックセンター(JFC)が提供する、誤情報/偽情報に対応する様々な「リテラシー」について学ぶ連載です。
日本ファクトチェックセンター編集長の古田大輔が、ファクトチェックの考え方や技術、便利なツールの活用方法を実践的に解説する連載です。これを読めば、あなたもファクトチェッカーに!
2024年2月5日-2月11日のファクトチェック週報です。パンデミック条約、気候変動などは、偽情報が拡散しやすい分野として知られ、WHOや国連も注意を呼びかけています。ワクチン反対派になるきっかけに迫る研究やネット上の新中国キャンペーンを追いかけたカナダの研究も紹介しています。 JFCのファクトチェック記事池上彰氏の番組の「左翼は『在日的』な考えをする人」は誤り 加工された画像が拡散【ファクトチェック】 池上彰氏が出演したテレビ朝日の番組で、池上氏が「左翼は『在日的』な考
2024年1月29日-2月4日の週報です。能登半島地震に関する誤情報・偽情報は、避難所や支援制度に関するものが増えてきました。公的なサイトでの確認を。偽サイト・偽アカウント関連も多いため、記事で見分け方を確認してみてください。 JFCのファクトチェック記事「ドイツで政府に不信を抱き立ち上がった国民の一揆」は誤り 極右政党に反対するデモ 「ドイツ政府への国民のデモが日本では報道されていない」などという言説が拡散しましたが、誤りです。デモは移民追放を計画していると報じられた極
「隆起の影響で消波ブロックが汀線部障害と化した」という言説が画像とともに拡散しましたが、誤りです。添付の画像は、2020年に陸上自衛隊が北海道で、敵の車両の上陸を防ぐ演習のために設置したものです。 検証対象2024年1月13日、「隆起の影響で完全に汀線部障害と化した消波ブロック」というコメントと共に、浜辺に消波ブロックが並ぶ画像がX(旧Twitter)で拡散した。 汀線(ていせん)部とは、 「海面と陸地とが接する線」のことである。 2024年1月16日現在、このポストは
能登半島地震について、政府の被災者への貸付がたった20万円だとして、政府の対応を批判する言説が拡散しましたが、不正確(ミスリード)です。20万円の貸付は被災者支援策の一部で、家屋の全半壊などには、ほかにも支援制度があります。 検証対象能登半島地震をめぐって2024年1月11日、「政府が被災者に20万円の貸付をするって言ってるけど、家が崩壊したり、甚大な被害にあった人に、たった20万円じゃ足りない」などという投稿がX(旧Twitter)上で拡散した。2024年1月15日現在、
能登半島地震をめぐり、実在する団体の寄付金募集サイトをまねて、仮想通貨で支援を呼びかける偽のサイトが現れました。LINEのオープンチャットやSNSから偽サイトへ誘導する手法が拡散しているため、注意が必要です。 検証対象2024年1月1日の能登半島地震後、実在する団体の寄付金募集のウェブサイトをまねた偽の寄付金募集サイトが拡散した。サイトは仮想通貨で寄付金を募っており、「【緊急】2024年能登半島地震 被災地支援活動にご支援をお願いします」「目標金額:1,000,000USD
能登半島地震をめぐって「報道ヘリの音で瓦礫の下の声が聞こえない」との言説が拡散しました。日本ファクトチェックセンター(JFC)は、過去の災害のケースや報道機関のガイドラインなどをもとに検証しました。全ての事例を調べられないために判定は不可能ですが、参考になる資料などを紹介します。 検証対象2024年1月1日、「報道各社 絶対にヘリを飛ばすなよ。お前らの報道ヘリの音で瓦礫の下の声が聞こえないんや。お前らが阪神大震災でたくさん殺したん忘れへんからな。また人殺すなよ」という投稿が
「金沢市が用意した1.5次避難所に入るには罹災証明書が必要」との言説が避難所の写真と共に拡散しましたが、誤りです。写真の避難所を設置したのは金沢市ではなく石川県で、県は罹災証明書は不要だと発表しています。 検証対象2024年1月9日、「金沢市はこれを用意したけど、まず罹災証明書を取ってからというお役所仕事 とりあえず入れてあげてあとからじゃだめなのか?これも一時的な場所なのに!!!」という投稿が拡散した。2024年1月12日現在、投稿は削除されているが、インターネットアーカ
2024年1月1日に発生した能登半島地震をめぐって、「ヤマザキパンは添加物だらけ、人口削減のためにパンを運んでいる」とする言説が拡散しましたが、誤りです。山崎製パンは食品添加物を使用していますが、国が評価する安全性の基準に沿ったものです。 検証対象2024年1月3日、「ヤマザキパンは添加物だらけ。心身共に弱ってる被災者の方々の弱みに漬け込んだやり方は許せない」という言説がX(旧Twitter)で拡散した。添付された画像には「人口削減のため被災地にパンを運んでるんだよー」とい
地震や津波、洪水など大きな災害が発生すると、偽情報や根拠のない情報が拡散します。事実と異なる投稿や不確かな救助要請は、本当に助けを必要としている人たちへの支援を遅らせたり、妨げたりする恐れがあります。拡散しがちな偽情報・誤情報のパターンを知って、支援を妨げないようにしましょう。 災害時の偽情報の5類型実際と異なる被害投稿 災害時に最も多く見られるのが、偽の被害報告だ。2024年1月1日の能登半島地震では、2011年の東日本大震災の津波の映像を使って、まるで能登半島地震の被
「パンダの餌代が1日100万円」という言説が拡散しましたが、誤りです。公開されている資料や飼育する動物園などへの取材から、パンダのみへの餌代を抽出することは難しいですが、100万円よりもかなり少ない金額になると推定されます。 検証対象2023年11月24日、「パンダの餌代が1日100万円!年間3億6000万円もかかるなんて。」というポストがX(Twitter)で拡散した。このポストは2024年1月5日現在、約14万回の表示回数と600件以上のリポストを獲得している。 検証
「トランプとスノーデンが24時間以内にテレグラムで生中継」とする言説が国内外で拡散しましたが、誤りです。添付された画像は合成写真で、生中継の事実はありません。 検証対象2023年12月20日、「ドナルド・トランプとエドワード・スノーデンが24時間以内にテレグラムで生中継されます!」という言説がX(旧Twitter)で拡散した。 画像にはトランプ元大統領とスノーデン元CIA職員が写っている。2024年1月4日現在、このポストは650回以上リポストされ、表示回数は88万回を超
2024年1月1日の能登半島地震をめぐって、前日に石川県・北陸放送がネットに公開した「変電所で爆発音」という記事がすぐに削除されたのは「人工地震の隠蔽だ」という言説が拡散しました。これは誤りです。実際には爆発などのトラブルがなかったことを北陸放送が確認し、自ら削除しました。 検証対象能登半島地震発生の前日、北陸放送が「『3回爆発音』変電所でトラブルか石川・能登町で160世帯が停電」という記事をJNN 系列のTBS NEWS DIGやYahoo!ニュースで配信し、約3時間半後
日本銀行が生放送での発言をめぐって、宮崎駿監督を提訴したという言説が拡散しましたが誤りです。ネットニュースの記事を装った偽広告で、読者を投資サイトへ誘導します。 検証対象2023年12月27日、「日銀、宮崎駿を提訴 生放送の発言で」という投稿がX(旧Twitter)の広告機能で拡散した。リンク先のサイトにはNTTドコモが運営する「gooニュース」のロゴがあり、記事には提供元として「読売新聞オンライン」のロゴがある。内容は宮崎駿監督が日本テレビの番組「news zero」で投
2024年1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震が発生し、石川県を中心に大きな被害が出ました。この地震について、漁港や街中に津波が押し寄せる様子として過去の動画がアップされたり、人工地震だとの誤った主張が多数拡散したりしました。 検証対象2024年1月1日に発生した能登半島地震に関して、SNS上で過去の映像や無関係な映像を能登半島地震と結びつける投稿が多数拡散した。 発生から約1時間後の1月1日午後5時には、「石川県で震度5強の地震発生 津
2023年も大量のフェイクニュース(誤情報/偽情報)が拡散し、日本ファクトチェックセンター(JFC)は1年間で173件の検証記事や動画を公開しました。中でも影響が大きく、注目を集めた「10大フェイクニュース」をまとめました。 選考基準は読まれた回数だけでなく、SNSやnoteでの反応、社会的な影響の大きさなども加味しました。誤った情報は繰り返し拡散します。間違いだと知りつつ故意に発信する人もいれば、正しいと信じて拡散する人もいます。まとめ記事で傾向を知ることは、2024年に
秋田県の特産米の新品種「あきたこまちR」について「放射線を照射した危険な米」などの言説が拡散しましたが、誤りです。農産物の品種開発の過程で放射線を照射する事例は他にも多数あり、放射線が米に残るわけではありません。 検証対象2023年2月、米どころの秋田県が「あきたこまち」を新品種「あきたこまちR」に切り替える方針を打ち出した。それに対して、X(旧Twitter)やYouTube上などで、「日本のお米が本当に危ない」「2025年以降、米のほとんどが放射線育種米になる」など、危