人生詰んだ。世界が終わったと思った青虫はどうなったと思いますか?
「嗚呼、世界が終わる!!」
45歳、中間管理職。
結婚10年、2児のパパ。
家のローンは、まだ25年以上残っている。
繁忙期まっただ中の師走の深夜。
いつもの電車を待っていた。
何もかもが限界だった。
激務と理不尽に。
勤続20年。
酸いも甘いもわかっているはずだった。
でも、限界だった。
今までなんとか耐えてきたじゃないか。
でも、もう限界だった。
今回ばかりは、本当に限界だ。
中間管理職というものは、本当におもしろくなかった。
良かれと自分を犠牲にし、
うまく行くようにと休日を返上し、
残業も厭わない姿勢でやれば、
部下のためにも、組織のためにもなると本気で思っていた。
結果は、組織からも部下からも両方から煙たがられ、
私の存在も自信もすべてが揺るがされるほど、
壊滅的にうまく行かなかった。
真冬の繁忙期のまっただ中、遅くなる帰宅。
ホームに入ってくる電車。
ふと意識が遠のくように感じられた。
そして電車のヘッドライトへ吸い込まれそうになる、私。
あと2歩で楽になれる。
そんな風に思考停止する私。
電車に飛び込む人ってね、
ひょっとすると吸い込まれているのかもしれないと思った。
だって、2歩先からたしかに
「甘いにおい」がしたんだ、あの夜。
危なかった。本当に。
「あと2歩ほど前に踏み出せば楽になれる」なんて、
本気で思ってしまったのだから。
青虫は「世界が終わる」と思ったんです・・・。
果たして、蝶になれたのか・・・。
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