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騒ぎ散らし、走り回る子ども連れの家族こそ、うちの店にとって最高の顧客である。


「うるさくてすいません」

「汚してすいません」

「迷惑かけてすいません」


カフェに来る、色々すいませんをくれる世のママたち。

そんなママたち。

心配しないで。

うちの店子供大歓迎です。

カフェでランチがしたいけど(お茶でもいい)子供と一緒だと迷惑がかかるかな?なんて思う方が多いですよね。

私も三人子供がいますし「子供を連れて外食をする」というのはどういう事か。というのをある程度は理解しているつもりです。

子供たちは、我々親が思ったように動いてくれることはまず無いし、大人のように行儀よく、静かに食事なんて奇跡のようなことです。

ですので私の思う、家でご飯を食べる時とは違って、お店に来る子供というものはなんなのかということ。そして「うちの店のいらっしゃるお子さんに対してのスタッフの理解はこうなっています。」というのをまずはお知らせしておこうかと思います。


①子供はうるさいもんです。

静かなお子様はどうなんですかね。いつもとは違うお店でご飯。もうそれだけでテンションアゲアゲです。いつも見ない風景で興味の向くままに行動してどこかに頭をぶつけるくらいに激しく動き回る。叫ぶ!

それが子供ってもんです。


②子供は汚すもんです。

スパゲッティを食べれば口の周りはソースだらけ、おまけに口を手で拭きそれを服になすりつける。周りは全部ベッタベタ。

それが子供ってもんです。


③子供はいうことを聞かないもんです。

彼や彼女は一人の個人であるわけですから、嫌なことには従いません。「ヤダヤダ」と言わないなんてそんなバカな。ママの言うことに従わない。

それが子供ってもんです。


・・・


ホントに家でママ会は大変です。

片付けもしなきゃならないし。行くほうも気を使うし。

いつもの家から飛び出して、みんなママ友と一緒にお食事。そんな場所に使ってもらえるのならうちは大歓迎です。

なんでか。

ママたちはまた、ママたちを連れて来てくれるから。そのみなさんの来店によってうちの店は支えられています。

自分自身、子育て真っ最中の世代であり、小さな子供を抱えている家庭の苦労というのは経験して来ました。

そんなことを考えているうちにママ達が集まれる場所とはどんな店なのかを自分なりに分析し、実際にうちの店で呼び寄せるためにはどんなことをすれば良いのか。

これはうちの店が行った実験。その一部の記録のようなものです。

・・・

うちの店は2013年の5月に地域のスーパーマーケットの跡地を改装した場所にできました。

ここは地域の方達が集まる地元密着型のスーパーマーケットだったのですが、続々と進出して来た同業他社の力に負け倒産。

数年が経ち。

そんな人が集まる場所だったところになんとか賑わいを取り戻してほしい。色々な人から要望が集まる中、会社として何かができないかということで複合的な施設の中にうちの店「チェレステ」はできました。

オープン当初は人の入りも良く売り上げも好調でしたが2年、3年と月日が流れて行く中で、だんだんと子連れのお客様の足が遠のいていくのを感じていました。

メニュー変更や、お子様向けのイベントをやったりするのですが、客足が戻るのはいっときだけ。

根本的な再来店につながらないんですよね。

大人こそ来てくれていましたが、ママたちやお子様には全くくつろぐことのできないお店でした。

↓↓

なんでだろうか?

色々と考えて行く中で、カフェという名前を意識し、大人の方が落ち着いていられるということにとらわれ過ぎていたんです。

設えもシックに作り過ぎていたんですね。


だけど、やっぱりママさんたちにも来てもらいたい!


お子様が飛び跳ねても親御さんが困らない空間、環境を作ることができれば来てもらえるのでは無いだろうか?

私自身、子供の成長によって気兼ねなく行くことのできる店というのは限定されていました。ファミレスだとタバコの煙が流れてくるし。キッズメニューもあるけどなんだか一般的なものばかり。子供用の椅子やキッズコーナーはあるけど一緒に食事ができる空間ではない。


こうであればいいなという妄想を具体的に洗い出し、仮説を立て、子連れの方が喜ぶであろう以下3つの要素を満たす空間づくりをして来ました。

①禁煙である

お子様連れであれば当然気になるタバコの煙。うちの店はもともと全面禁煙の店なのでその部分はOK!

②キッズのメニューがある

お子様が食べられるもの、キッズメニューや大人とシェアしても大丈夫なメニューづくりはして来ました。極端な刺激物が入っているメニューもないですし、事前の連絡があればアレルギー対応も最大限行うということをWebサイトで告知しました。

③走り回ったりしても不安がない席づくり

ここが今回最大のポイント。

子供も大人もゆっくりできる空間。日本人はやっぱり畳。というか床に座っている方が落ち着くんじゃないかと。

家のリビングとかにもソファーはあったりしますけど結局ラグに直接座ったり寝そべったりして。そっちの方が楽だったりします。

・・・

どうしたら来てくれるか、ではなく自分だったらどんな席があればいいかを考え実践していきました。

ヒントはグランピング

ちょうど世はグランピングが流行っていました。外と内とのちょうど良い中途半端さ。店内にそんなスペースができたらみんなくつろげるんじゃないだろうか?

クッション、ラグ、ローテーブルでゆったり。店の奥の段差がなくてフラットな空間ならそれができる!

そう思い設えた空間がこれです!

テントや天蓋などは設置することができませんでしたが、フラットな空間でランチに使ってくれる方が急激に増えました!女子会も増えたのは嬉しい誤算。

そして使ってくれるママたちの口コミで、キッズと一緒に食事ができる店舗奥のスペースは、今では週末にはなかなか予約の取れない席になりました。

いやー本当にたくさん来てくれるようになってよかった!是非いろんな方に来ていただきたいです!

それでも

やっぱり躊躇しちゃう?

うるさいから?わめくから?


何いってるんですか。

騒ぎ散らす。走り回る。疲れたら寝てしまう。そういうことが大胆にできるようにした空間です。是非めちゃめちゃに使ってください!



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ホンブダイゴ◇Hombu Daigo
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