記憶の功罪
よく、アメリカのFBIなどの犯罪捜査ドラマをみていると、必ずと言っていいほど、天才的な頭脳を持った人物がチームにいる。IQの高さもさることながら、彼らはフォトグラフィックメモリー(photographic memory)という、見たものを写真のようにいつまでも鮮明に脳に留めておくことができる「瞬間記憶能力」も備えている。
そのような能力を持つ人の割合は3万人に1人か2人程度と言われているらしい。目から入った情報を瞬間的に記憶し、思い出せるそうだ。
学生時代から今に至るまで、何度も、教科書や資料をめくり、それでも頭に入らなかった自分としては羨ましい限りだ。
ただし、そのような能力のデメリットとして、嫌な出来事や経験も長期間かつ鮮明で「忘れること」ができない、ということだ(私も、そこだけは一致する)。
一方、そのような天才レベルの話ではないけれど、私は比較的、耳から入った情報、音や会話からの言葉のフレーズを(しつこく、笑)覚えているタイプだ。
一般的に、男性は視覚記憶、女性は聴覚記憶が強いらしい。
短期的な会話や音からの情報を一時的に記憶する機能をエコイック記憶(echoic memory)というけど、それとは若干違うのかな(こういう能力・スキルって何と呼ばれるのか、詳しい方、よかったら教えてください!)。
子供の時に言われたことや日常の他愛ない会話などは頭の片隅に残っている。
小学校2年生の時の担任から、「あなたには、キラリと光る何かがある」とか「チャンスは前からつかみなさい」と言われたことはこの歳になっても、鮮明に覚えている。記者時代の取材先との会話や人から言われたフレーズはかなりの確率で記憶している。都合良く、脳内で編集されている可能性も否定しないが。
話は逸れるが、聴覚系の記憶力が多少あるおかげで、英語は音読で上達した。毎日音読を続けることで、英語の言い回しや単語・イディオムは蓄積された。
当然、記憶から消したい会話も頭に残ったままだ。あの人からはこう言われた、とか根には持たないようにしているけれど、忘れない。
それでも、「あの時、こう言ったじゃない?」「言わなかった」といった友達との応酬もあるし、職場でのミーティングやセミナーでの話をよく忘れる。あ、人の名前もだ。
やはり特別な能力と結びつけるのには無理があるのかな。
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