お化けなんて怖くない?―Who’s afraid of ghosts?
子供の頃は怖いものだらけだった。
家に飾られていた人形とは目を合わせないようにしていたし、お店の前にいるマネキンをみかけると、逃げるように走った。
ピエロも怖かった。
サーカスを見に行った時に、ピエロが近づいてきて大泣きした記憶がある(ピエロも子供に泣かれて、きっと心では泣いていただろう)。
そして怖いものリストの筆頭格がお化けだ。
お化けというとコミカルに聞こえるが、心霊番組をみてはブルブル震えていた(親からは怖がりなのだから見てはダメと禁じられていたけど)。
心霊写真なんてもってのほか。TVなどでみてしまった日には、私のイマジネーションが膨らんでいき、夜も眠れない。ちなみに、霊感は全くない。
今でも日本のホラー映画を観ると、おどろおどろしくて目をそらすけれど、子供の頃に恐怖を感じていたモノや人?に対しては、完全に克服した。
逆に今でも怖がっていたら、大人としてどうなのか、という話になるが、笑。
大人になり、現実社会の過酷さを目の当たりにすれば、もはや怖いものはないという境地に至るのは当然かもしれない。
毎回試練を迎えるたびに、幽霊でも、ピエロでも、何でも来い、という気持ちになる。
よく、幽霊より生身の人間の方が怖いよ、と言われる。確かに、霊は何かこの世に思い残すことがあったり、訴えることがあるから出没するらしいけど、人間は不意に攻撃したり、傷つけようとする。
怖いものはない、と虚勢を張ってはみたものの、実は今の方が怖いものだらけなのかもしれない。