Jessicaあんだーそん
自分の性に翻弄されながら、様々な経験を経て自分のセクシャリティに辿り着くまでの、僕がワタシを取り戻す物語。超短編小説もどきです。サクッと読んでください。
今、ココに この「私」に辿り着くまでを語るのは、 「私」がいったい何者かを知るためでもある。 ずっと求めてる答え。 誰も教えてくれなかった、 答えられるはずもない答え。 たった一つだけ明確に分かっていることは、 その答えは自分自身で見つけなければいけないということ。 少しづつでも、このnoteに綴っていこうと思う。
仕事が決まった。 田舎では中卒で、美容院で働きながら都心の美容専門学校に通っていた。 美容院では、下っ端は先ずシャンプーを覚えて毎日シャンプーマンをしながら、閉店後お店で生首の人形を相手にワインディングという、パーマをかける時に「ロット」を頭に巻く練習を毎日やる。 週に一度お店が休みの日に専門学校に通う。 たまにワインディングの速さを競う大会などがありそれに参加した。 1年近くそんな生活を続けてる途中で、 家を出た。 今の僕ができる仕事はこれくらいしかない。
小綺麗で高級感のある広い紳士服フロア。 各店舗ごとにパリッとしたスーツを着た首の無いマネキン達が無感情に立っている。 今日は日曜なのもあってか、ちょっとお洒落な男性客で賑わっていた。 若い人から、白い髭を蓄えた初老の紳士までいて、 その中に混じって恋人らしい女性連れの客もちらほらいた。 僕らはどう見えるんだろう。 父親と息子? それにしては彼と僕は歳が近すぎる。 叔父と甥っ子? まぁ、そんな所だろう。 どう見られてるかなんて別に気にはしないけど、 僕達の
頭がボーッとする。 顔に身体中の血液が一瞬で集まって、熱くなってるのが自分でもよく分かる。 身体の制御を失ったかと思った次の瞬間、 僕の中心に硬いものがメリメリと音を立てて(実際には鳴っていないが)入り込んできた。 「ひっ」 僕は息を吸いながら思わず声を洩らす。 「大丈夫、力を抜いて」 彼は耳元でそう囁くと、更に奥まで押し込んでくる。 刺すような痛みが下から身体中に突き抜ける。 「待って!痛いよ!」 思わず太ももに力が入る。 すると彼はまた僕の鼻先に手に
「よぉ、やっと逢えたね」 車の横に立って、笑顔で手を振りながら 近づいてくる男の人。 正直イメージしてたのと違うと思った。 もっと爽やかでハンサムな見た目だと思ってた。 でも、それでも良かった、 やっと解放されて、やっと自由になれるんだから。 「初めまして、宜しくお願いします」 丁寧に挨拶をしとく。 「畏まらなくてもいいよ。電話では話してたじゃない、全くの他人でも無いんだし、これからは一緒に住むんだし」 「うん」 彼のその言葉に少しホッとした。 荷物は
ノート始めました。