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埼玉にムーミン谷があるんだって

1月の誕生石ガーネットから私が連想したもの…
それは、北欧ジュエリーにみられる銀と赤い石の組み合わせ。
ガーネットは今は虹の七色ほどのカラーが流通しているけれど、やはり、冬の夜の暗闇の中で燃える小さな炎のような、一点に凝縮したような濃い赤をまず思い浮かべる。
洞窟の奥でひっそりと輝く赤い石。

そして、北欧といえば…ムーミンの世界。

埼玉県にムーミン谷があるらしい

なぜ埼玉?と思ったら、埼玉県飯野市は以前からムーミン原作者トーベ・ヤンソンさんと手紙での交流があり、また周辺の気候がフィンランドとよく似ているから…との解説が。
2019年にオープンしたのは、カフェやワークショップが並んだ小綺麗なテーマパークで、

https://metsa-hanno.com

こことは別に、以前からムーミン谷をイメージした森の公園もあったらしい。

https://www.city.hanno.lg.jp/akebono

私の好みは…こっちの公園かな。


ガーネットのある谷間

ムーミンシリーズすべてを読破してはいないが、スナフキンのせりふが名言ばかりで印象的だったのが、この一冊。

『ムーミン谷の彗星』講談社 青い鳥文庫


物語中で、散歩をしたくなったスナフキンがムーミンとスニフを連れて訪れた場所、それが「ガーネットのある谷間」だった。

せまい谷間に、数知れぬほどのたくさんの赤い石が、ほのぐらい光の中にかがやいている。
黒い宇宙にちらばった、いくつもの彗星のように…

金目のものが大好きなスニフに、あれは全部きみのものなの?と訊かれて、スナフキンはこう答える。

「ぼくが、ここに住んでるうちはね。じぶんで、きれいだと思うものは、なんでもぼくのものさ。その気になれば、世界じゅうでもな。」

そして、夢中でガーネットを拾い集めたスニフだったが、谷間に棲む大トカゲに驚いて大慌てで逃げてしまったため、ガーネットをひとつも持ち帰れなかった。
するとスナフキンは、このように優しく諭すのだ。

「(前略)なんでもじぶんのものにして、もってかえろうとすると、むずかしいものなんだよ。ぼくは、見るだけにしてるんだ。そして、たちさるときには、それを頭の中にしまっておくのさ。(後略)」

なんでもかんでも手に入れたくなってしまう人間には、少し耳が痛かったり気取ったせりふに聞こえるかもしれない。


旅ばかりしているスナフキンは、ガーネット以外にもその場所でしか出会えないような綺麗で美しいものをたくさん見てきたに違いない。
そんな彼だからこそ、「その場所にあるからこそ美しい」ということを知っているのかもしれない。
持ち帰ってしまうのでなく、目に焼き付けて頭の中にしまっておいて、いつでも必要なときに記憶の箱を開ければ楽しむことができる。

美しいものが手に入らなかったと諦めるのではなく、とても心豊かな発想をしているのだ。

ムーミン谷をモチーフとしたスポットを訪れる…という体験だって、頭の中にしまっておけるガーネットになる。
何処かへ遊びに行ったりその土地で感じたことは、いつでも思い出して楽しめるのだ。

お土産を山盛り買わなくてもいい。インスタ映えするからといって、撮影ばかりしなくてもいい。
大切なものは、頭の中、心の中にしまっておこう。



ムーミンシリーズには、他にも宝石が出てくるエピソードがある。
洞窟で光る石を見つけたり、スーツケースの中から「沈んでいくお日様そっくり」の大きなルビーが出てきたり…。

それらは「宝石も素晴らしいけれど、もっと素晴らしくて大切なものがこの世にはあるよ」というメッセージが引き立つように登場させられたのかもしれない。


埼玉県には今まで縁がなかったけれど、映画『翔んで埼玉』の続編制作も決まったし、ゆっくりのんびり行ってみたい。


画像引用元
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784062854054

gifアニメ引用元
https://gifmagazine.net/post_images/707822



※このnoteは過去にShortNoteにて公開した記事に加筆修正したものです。



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