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紆余曲折の末に「週2回ジム通い」が半年続いたアラフィフの話。
若い頃にも「ジム通い」に挫折していた
30代の頃、痩せたくてジムに通いました。パーソナルトレーナーも契約しました。筋トレ自体は結構楽しかったのですが、3ヶ月も続かず、しばらくして退会しました。今にして思えば、当時はジムに通うような時間の余裕が全くなく、睡眠時間を削って通っていたので、それは続かないよね、と思います。そこからしばらくは、自宅での自重トレーニングを少しだけやったり、通勤時に電車に乗らずに歩いたり、気分が向いた時に走ったり。しかし、どれも継続的な取り組みとはならず、運動習慣と呼べるものは身につかないまま、アラフィフとなりました。
人生の転期が訪れた(が、再び挫折)
ある日、ガンを患っていることが発覚しました(突然の告白)。治療の際にもらったパンフレットには、週に一定時間以上の運動をしたり、現在少し重ための体重を落としたりすることで、再発率が大きく下がると書かれていました。これはもう、ジムに通って再発を阻止するしかない!と、手術が終わって落ち着いた頃に、近所のジムに入会します。このころ主治医が「私もジムに通って体重を10kg落とした!再発防止にも良いんですよ!」という話をしてくれて、背中を押されました。通いやすいように、自宅最寄駅と自宅の間にあるジムを選びました。若い頃のジム通いで、パーソナルトレーニングはかなりしっかり追い込んでトレーニングできると感じていたので、最初だけでも、と契約しました。
意気揚々と通い始めたのですが、ここで想定外の事態が起こります。手術後の病理検査で、抗がん剤治療をした方が良いという結論が出ます。主治医には「抗がん剤治療が終わるまでは、ジムは休会した方が良いかも」と言われました。ただ私は酷く負けず嫌いな性格なので、「仕事もジムも普段通りで乗り切る!」と、しばらくはジム通いも継続します。でも結局、仕事はなんとか普段通りに乗り切りましたが、ジム通いは途絶えてしまいます。治療の副作用もあり、どうも身体が重たく気分が沈む日が続き、4ヶ月ほどお休みが続きます。
ジム通い復活!でもまたまた挫折!
投薬治療は続きますが、大きな治療はひと通り終わったタイミングで、ジム通い再開を決意します。せっかく盛り上がっていたジム通いを、治療の影響でやめてしまった事が嫌でした。前回購入したパーソナルトレーニングのチケットも残っていたので、以前に戻って再開です。ところが、今回も1ヶ月半くらいで途絶えます。理由はふたつありました。ひとつは、治療のために飲んでいた薬の副作用が大きかったこと。メンタルへの影響が大きく、気温が低い日の朝などは「このまま生きていても、もう良いことなんて何も起こらないんだ」などと、以前は思いもしなかった思考に支配されます。もうひとつは、絶賛体調不良なのに、仕事が忙しい時期が重なっていたこと。もはや、心を折らずに毎日を送ることが最優先でした。今回のお休みは、7ヶ月程度続きました。
今度こそ復活!(そして継続中)
服用している薬の副作用は続いていましたが、副作用を抑える漢方薬を飲み始めて、徐々に症状が軽くなってきました。寒い日の朝の絶望的な気分は、歯を磨いたりシャワーを浴びたりして、体温が上がってくると、消え去ることがわかってきました。ある日、ふと「ジム通いを再開しよう!」と決意します。体温が上がると調子が良いならば、筋肉をつけるべきだ、と。さらには、服用している薬が脂肪の代謝を下げるので、普段通りに生活していても体重が単調増加していました。この体重増加を阻止するには、もう運動するしかない、と。ここからは、基本的に週2回のパーソナルトレーニングを継続、2025年1月末で7ヶ月続いたことになります。
ジム通いを習慣化するために何が効果的だったのか
そんなわけで紆余曲折の末、ようやく7ヶ月間、週2回のトレーニングを習慣化できました。人間、サボりたい気持ちは消えないので、「今後はもう途絶えるリスクはない」なんて偉そうなことは言えません。しかし最近では「運動習慣を自ら打ち切ってしまうこともなさそうだな」と思います。あんなに定着しなかったジム通いを定着させた要因は何だったのか、考えてみます。
パーソナルトレーニングは「習いごと」
特に初期の段階は、これはかなり大きなモチベーションになっていました。「今日はジムに行くのをやめよう」と思う理由は、山ほどあります。仕事が忙しい、微妙に体調が悪い(本当に体調が悪ければ休むべきです!)、気分が乗らない、友達との約束が入った、行きたかったライブのチケットが手に入った、…と、無限に理由は見つかります。そんな時、どこかでこんなことを書いた文章に出逢います。
「大人になったら、身体を動かす習い事でもしないと運動習慣は身につかない。」
なるほど!と、思いました。お金を払って「この日のこの時間は、ジムでトレーニングする」と決め、他の予定を入れない意識を持たないといけないのだ、と。子どもの頃に通っていた習いごとと、同じ扱いにしないといけないのだな、と、意識が変わりました。それからは、例えば、「普段パーソナルが入っている曜日や時間に仕事が入ったら、同じ週の別の日に行く」とか、「出張で1週間不在になる時には、前後の週で1回ずつ多めに通って、1ヶ月のパーソナルの頻度を保つ」などのルールを作って、守るようにしました。
「できることが増える」経験が楽しい
パーソナルトレーニングのメリットは、自分の体力や状態に合わせて、トレーナーさんがメニューを考えてくれることです。つまり、楽すぎない、辛すぎない、ギリギリのラインを設定してくれます。その結果、数週間スパンで、できることが増えていきます。「上体起こし2セット、へばらずに完走できるようになった!」とか、「バーベルを担いで綺麗なフォームでスクワットできるようになった!」とか、「ラットプルダウンのウエイトが上がった!」とか。
20代とか30代の頃は、仕事でどんどん新しいことにチャレンジして、新しいことを勉強して身につけて、…と、仕事の中で自分の成長を実感する機会が多くありました。しかし年齢を重ねるにつれて、自分がプレイヤーとして前に出るよりも、若い人たちに前面で活躍してもらって、自分は全体をうまく回すためにエネルギーを使う機会が増えます。正直、私はマネージャーは向いていないようで、退屈していました。でもこうして、筋トレを通じて、再びガツガツと自身の成長を追い求める機会を得ることができ、人生の楽しみがひとつ増えました。
ストレス解消になる
仕事をしていると、色々とストレスが溜まるものです。でも、ジム通いを習いごととして取り入れた結果、時間が来たら強制的に職場を出てジムに向かい、トレーニングすることになります。トレーニングを始めると、仕事のことなど考えていたら目の前の錘が持ち上がらないので、有無を言わさずにトレーニングに集中することになります。1日のメニューを終える頃には、仕事がらみで悩んでいたことや、イライラしていたことなどは、完全に頭から消えていることに気が付きます。
結局、翌日仕事に戻れば、やっぱり悩みやイライラは尽きないのですが、こうして頭から一旦追い出す時間を作ることは、ストレスを溜めすぎないために必要だと実感しています。また、一旦は仕事の諸々を頭から追い出し、さらにトレーニングで身体が疲れているので、ジムに行った日は寝つきが良くなりました。人間、睡眠時間が足りなくなってくると、あちこちに不調が出ますし、ネガティブ思考になります。週に2回、強制的に気分も睡眠もリセットすることで、心身の健康を維持しやすくなったように思います。
身体が軽くなる
これはもちろん、運動した効果もあると思うのですが、それだけだと、なかなか運動習慣には繋がりません。「身体が軽い!」と言う実感は、どちらかと言うと、頑張って運動した日の帰り道などで、「おお!身体が軽い!運動してよかったな!」といった感じで得られる効果です。ですから、「今日はあんまり気分が乗らないな」という日には、一歩を踏み出すための助けにはならないことが多いです。
それではここで何の話をしたいかと言うと、筋トレを始める前のストレッチです。運動効果を高める目的で、身体の可動域を広げるために、パーソナルの最初の時間帯には、トレーナーさんがストレッチをしてくれます。これはもう、体調によっては、プロレス技をかけられているのではないか?っていうくらい激痛で、本当に「ギブギブギブギブ…」って言っちゃったりもします。「ここ、ちょっと張ってますね」なんて言いながら、筋肉を手で押されたりもするのですが、これがまた激痛で、のたうち回ります。しかし、終わると身体が軽くなるし、継続していくと身体が柔らかくなります。結果、以前は定期的にマッサージや整体に通っていたのですが、今では全く通う必要がなくなりました。また「今日はちょっとだるいな」っていう日でも、ストレッチしてもらうと身体が楽になるので、まずはそこを目的に動き出すことができるようになりました。
おわりに
そんなわけで、なかなか運動習慣がつかなかったアラフィフが、週2回のパーソナルトレーニングを7ヶ月継続するまでの道のりをご紹介しました。今年は少しだけレベルアップを狙って、「週2回のパーソナル+週1回自分で筋トレ+毎回の筋トレ後のクールダウンに泳ぐ」を習慣化してみようと思います。一気に色々とやりすぎたり、完璧を目指したりすると挫折しやすいので、少しずつ、無理なく続けていきたいところです。
最後になりますが、できる種目が増え、身体も良く動くようになり、筋トレのウエイトも順調に上がっていますが、痩せません。体重の単調増加は止まりましたが、痩せません。もともと、他人よりもたくさん食べるからです。やはり、ダイエットの基本は食事であると実感しています。