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ドフトエフスキー「悪霊」の癒やし

図書館でドフトエフスキー「悪霊」を読んでいました。対岸の火事を気にかけながら、許されざる愛にその身を焦がした男と女の緊迫した会話と秘密が運命の歯車を狂わせるストリーリーに惹きつけられました。気がつけば英会話教室に予約がある時間ギリギリです。大慌てで教室に向かう途中で赤信号につかまり、時間に怯えながら、青信号で飛び出しました。そして、車両どめのポールに軽くバックパックをぶつけました。ちょうど時間を確認するため、スマホをバックパックから出して、それを身体の前面に置いていたのがまずかった。荷物に含まれていたお弁当箱の蓋が見事に裂け目が入りました。軽くぶつけたつもりが弁当箱が衝撃を防いでくれていました。

そんな事で落ち込んでいる暇はないので英会話教室に向かいます。そして、受付で出席手続きを進めている時にスタッフから言われました。
「ご予約は別の校舎で承っております。」
「え、間違えた!」
なんと勘違いをして、別の校舎で予約を入れていました。重い足取りで非常口に向かいました。雑居ビルの非常階段をゆっくりと降りました。そんな時に限って階段の踊り場に粗大ごみの机やパソコン、更にはシュレッダーに掛けた書類が詰まったゴミ袋があります。そして、気がついた時は地階の機械制御室の扉に道を塞がれていました。降りてきた階段を少しだけ戻って、地上階に復帰しました。
取りあえずは図書館に戻って「悪霊」の続きを読みました。登場人物の社交界の返り咲きを狙う貴婦人、無神論者、利己的な悪党、それぞれの正義を実現するために困難に囚われ、堕ちていきます。
実在の事件をモデルにしているだけにお弁当箱と英会話教室の予約を間違えた事がとても小さく思えてきます。人間は過ちを重ねます。こうして「悪霊」に癒やされながら休日の夜を乗り切ろうとしています。
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