「作家になりたいと繰り返し言う馬鹿」
ここで「作家」について語ることはナンセンスだと思う。
それは、「発信者」「クリエーター」と厚顔無知な顔をして自分のことを言う人が非常に増えているからだ。
よく作家になりたいから一生懸命書いています、という声を聞く。
作家は、「書く道具」ではない。
馬鹿なことを言うな。
毎日書いているから作家になれるわけがない。
作家の仕事は、書くだけの様にそういう馬鹿には映るのであろう。
作家は、まず、題材を決めなくてはならない。
今のおバカな言葉で言うとネタ探しである。
もちろん、腐ったネタはダメだ。新鮮なネタが必要だ。
次にどういう作品にするのか、作品の「プロット」を考えなくてはならない。それが決まらないうちは書けないのである。せいぜい、メモを取る程度であろう。
今、言ったことを考えずに、「作家は書く」とは何とおろかな。
もう、こういう人は今の言葉で言うと「詰んでいる」。
繰り返し言うが、「作家は書く道具」ではない。
作家が、ボールペンであったり、鉛筆であったりするのか?
おかしいぞ、それにだ、いつも書いているのが作家修行なら、日記を書いている人は、全員書いていることになる。
書くという「作業」を通して「創造的な行為」をしようとする、企む人が作家であろう。よく覚えておくように。
わたしは、若い時、環境がすごく恵まれており、元・文芸春秋河出書房の編集長兼芥川賞候補になった人から非常に丁寧に文章の書き方を学んだ。まだ彼は生きている。
わたしにとっては、文学の師である。
ここで間違えて「作家の師」などとおかしなことを言わないでほしい。
作家になりたい人は、同人誌に入る。次に師匠を決めた方が良い。