愛おしき不完全体
昨日ふと、“Love your imperfection (自らの不完全さを愛しなさい)”と言うフレーズが降ってきた。
(英語圏に暮らしており、脳内は日英のごちゃ混ぜ状態ナノデス…)
「もうすぐ手術だなぁ、きっと案ずるより産むが易しだよなぁ、でも嫌だなぁ、傷は目立つかなぁ、手術は人生でこの一回きりにしたいなぁ」などと、ひとり運転しながら考えていた時のことだ。
不完全さを愛す…
これまでの私は、自分という存在を認められずにいた。
不完全も不完全で、これと言った特徴も無ければ良いところが皆無の取るに足らない存在だと思って生きてきた。
そんな私にがんが発覚。
それから約2週間が過ぎ、この経験を通して気づくべきことは何か、変えなければならないことは何かを問い続ける中、大きなヒントを得た気がした。
「不完全な自分を愛しなさい」
有難いことにこれまで大きな病気とは無縁で生きてきた。
でも間もなく手術で明らかな傷ができるし、何なら不自然な皮膚の陥没もできるかもしれない。
小さなケガによる傷は多少あるものの、手術でできる傷は大きさも意味もそれらとは大きく違う。
大袈裟に聞こえるかもしれないが、後数日の私の身体は今とは少し違うものになっている。
そう思ったら、少し泣けた。
そして、畳み掛けてくる苦手なことの数々に耐え、治療が完了した暁には、それらに耐え抜いた自分の身体を愛おしく思えるかもしれない。
自分には価値が無いと思い込み、無碍に扱ってきた自分を大切に思えるかもしれない。
そんな気がした。
ここまでの経験をしないと、私は私と言う不完全な存在を愛おしいと思えなかった。大切にできなかった。
でも本来はどんなに欠陥だらけに見えても、ひとりひとりがユニークで尊く、愛されて然るべき存在。
これは今までに何度も何度も読んだり聞いたりして、わかっていたはずのこと。なのに、腹落ちするには至っていなかったのだとつくづく思い知った。
でもこれからは、ここまで頑張り続けてくれている身体と共に、不完全な自分を愛していこう。
不完全だからこそ、経験できることがあり繋がれる人がいて、人生が更に豊かになるのだから。