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読書記録「月まで三キロ」 (著:伊予原 新)
こんにちは、Z-UMIです。
こちらはタイトルに心惹かれて購入しました。
短編集を読むのはとても久しぶりで、そうだ、短編集はこんな感じだったな、と思い出しました。
私にとって短編集は、作家さんの文体を味わうもの、文章から受ける印象を浴びるもの、という位置付けです。
本書から受けた印象としては、タイトルに引っ張られてたのかもしれませんが、とても静かで、音が鳴ったとしても、それは一種類の音だけ。
騒々しくなくて、くどくありません。
それぞれの短編には、それぞれ宇宙だったり火山だったり気象だったり、自然科学を趣味や仕事にしている登場人物が出てきます。
彼らがその専門分野について話してくれるところでは、内容が容易に頭に入り、私の知的好奇心を満たしてくれて、面白いです。
私が思う本書のテーマは、過去は変えられないけど、未来は変えられる、ということかな、と思っています。
それぞれの短編の登場人物には悩みや後悔していることがあって、自然科学と絡まりながら少しずつ変わっていく姿に感動しました。
どの短編も好きですが、「アンモナイトの探し方」と「山を刻む」が好きです。
この作家さんの他の作品も読んでみようかな。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。