『大英博物館 ミイラ展』 にてミイラを心ゆくまで堪能するぼっち
上野にある国立科学博物館を愛しています。
ラブ科博。ビバカハク。
心が疲れると足繁く科博に通いつめ、ハチ公に話しかけたり、ティラノサウルスに恋の相談をしたりして心のバランスを保っています。
ああ、科博に住みたい。「実家は科博です」と言いたい。
溢れる科博愛はまた別の機会に気持ち悪く語るとして、
私はまたミイラも愛しています。
ラブマミー。ビバミイラ。マイプレシャス。
2年前に科博で行われた『特別展ミイラ』はとてもエキサイティングで知的好奇心を大いに満たされたため、東京展に3回、福岡展に1回、合計4回行きました。
今までミュージシャンやアーティストの追っかけをしたことがないのですが、人生初の追っかけ対象はミイラとなりました。
さて、ミイラといえばミイラ大国・古代エジプトですよね。
子供の頃は、大人になったら吉村作治先生と一緒に砂漠を掘りまくりたい、『世界ふしぎ発見!』のミステリーハンター、もしくは『なるほど!ザ・ワールド』のひょうきんユミの正統後継者となりエジプトに行きたい、という壮大な夢を持っていました。
だがしかし、『王家の紋章』は「またキャロルさらわれるのか」「また『メンフィスー・・・』で見開き2Pか」という理由で途中で挫折しました。
一部、若い世代には通じない部分がありますが、それほどエジプトに興味津々なお子様だったのだ、とご理解いたれければ幸いです。
長くなりました。
そんなわけで、2022年科博初めとして、特別展『大英博物館 ミイラ展』に行ってきたのです。
ミイラをデジタル開封
古代エジプトのミイラって、防腐処理した遺体を布で包帯のようにぐるぐる巻きにしていますよね。
発掘現場で棺が発見されると、棺の蓋を慎重に開けて中からミイラを取り出し、調査のためにこれまた慎重に布を剥がしていくわけですが、数千年前のモノですからその過程で破損・欠損してしまうケースも多々あるわけです。
かの有名なツタンカーメン王のミイラについても、調査過程でち○ち○を破損してしまった、という話があります。歴史的な大発見の調査中、文字通りち○ち○をポロリしてしまった時の現場の空気を想像するとヒヤヒヤしますね。
そんな中、最近、アメンホテプ1世というファラオのミイラを、棺を開けないままスキャナーで「デジタル開封」したというニュースがありました。
科学の発展により、古代の遺物を破壊することなく、精密に調査することが可能になったんですね。すごい。
『ミイラ展』には、遺体を包む布を解かれていない6体のミイラがコーナーごとに展示されています。
CTスキャナーによる画像分析により、布の中で数千年の時を超えて眠る彼らの詳細な姿が見られます。
展示構成は公式HPで確認できます。ミイラ注意 ↓
7000枚ものスキャン画像から、彼らがどのような状態で埋葬されているかをはじめ、生前の健康状態、年齢、死因、どんな生活をしていたか等、当時の時代背景を表す多くの展示物と共に、事細かなディティールがわかります。
各コーナーにはスキャン画像と共に展示物を解説する映像があって、とても面白いです。
例えば、偉い神官・ネスペルエンネブウ氏(名前かわいい)のミイラは歯の摩耗が酷く、重度な歯科疾患を発症していた形跡があり、生前はとても不快感を感じていただろうし、それが原因で死んじゃった可能性もある模様。
なぜ歯の摩耗が酷いのか?
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身分の高い人や裕福な人はパンをよく食べていた
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発掘されたパンを調べると、小石や殻が含まれていてとても固かった
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偉い人ネスペルエンネブウ氏、歯が摩耗
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なおもパンを食べ続け、歯科疾患を発症
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ネスペルエンネブウ氏、贅沢病の結果死亡
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理由不明のお椀を頭に被せられ(かわいい)ミイラに
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3000年の時を経てカハクで大公開、パン飽食がバレる
数千年前の人々も、今の私達と同じように食べて、眠って、笑って、泣いて、歯痛に苦しんでジタバタと転がりまわっていたんです。そして願いを込めて大切にミイラにされた。
当時を生きた彼らの姿が、鮮明に浮かんできます。
また、当時の装飾品や副葬品の数々が、いちいちハイセンスでオシャレです。3Dプリンターが無かった時代に、よくもこれだけの細かい造形物が作れたな・・・と素直にびっくりします。DIY能力が高度すぎる。
ミイラのにおい
最後に、科博が所有する猫のミイラが展示されていて、調合された「猫のミイラのにおい」を嗅ぐことができます。
嗅いでみたところ、かぐわしいスパイス屋さんのにおいというか、強めのお香やお線香というか、外国の宗教施設のにおいというか、オリエンタルなかおりがしました。くさくない。
新しく発見された発掘現場の映像の中で、調査団の方が「ミイラのにおいがする」と発言していたのだけれど、人のミイラもこんなにおいなのかしらん。
というわけで、ミイラが紡ぐ6つの物語を堪能してきました。
去年はコロナ禍で科博に行けなかったので、2022年は科博三昧できるといいな。
『大英博物館 ミイラ展』公式HP