デンタルフォビアな日々・NY歯科事情 その2
このタイトルで最初にnote記事を書いたのは、noteを始めたばかりの時だった。
つまり、note新参者の私は、何を書いていいかわからず、とにかく身近にあった大変だったことについて書いた。
(普通は最初ならもっとハッピーな記事とか、みんなが喜ぶ事を書くのが一般的なんだろうけど、そうはいかない街、それがNYだった。)
そんなわけで、この最初の記事を見ていただければ、この街でのデンタル事情はざっくりとはご理解いただけるだろう。
(とはいえ、神経治療の値段相場は、今やこの記事に書いた約1.5〜2倍となっているので、あしからず。。)
さて、そんなわけで、この3週間余り、またしてもデンタルフォビアの私には怒涛の日々がやって来たので、記事に書こうと思うんだけど、あまりに七転八倒なストーリーなので、複数回に分けて書くことにします。
冷房なしの不眠から歯科問題が勃発
この所、うちのアパートの窓に故障があり、管理人が何回催促してもなかなか直しに来てくれないので、夏になってからも、しばらくは冷房なしの生活が続いている。。。(ここでの冷房は窓への嵌め込み型一択)
そして、その疲れもあったせいか、暑さで眠れない日々が続き、約3週間前に、ついにその影響は私の歯の神経内部の問題に直撃した。
結論から言うと、上の歯の一本が鋭い痛みで食べ物が全く噛めなくなり、歯茎が腫れ上がり、ほっぺたが2倍に膨らむというアクシデントになってしまったのだ。
確かにその歯に関しては、何となくは弱っている風情を前から感じてはいたのだけれども、ここまでの状態になったのは初めてで、流石に恐くなり、NYU(ニューヨーク大学)のデンタルエマージェンシーに駆け込みで行くしかなかった。(NYUデンタルに関しては、過去記事の方を読んでね。)
NYUデンタルエマージェンシーに駆け込んだものの…
そんなわけで、「今日はデンタルエマージェンシーで来ました。」と受け付けで説明し、待つこと約2時間半。
その後、若くて元気だけはいい研修中の学生の歯科医から名前を呼ばれ、診察台に入り、状況を説明した。
その際、過去の病歴その他をざっくり説明したところ、「あ、この場合は一応内科医から歯科治療してもいいですよ、っていう許可のサインを治療の前にもらって来てね。」とデイレクターの立場の医師(本物の歯医者さん兼教授)から言われて、その日はレントゲンと歯が生きているかどうかのチェック、および、殺菌効果の強いうがい薬の処方だけで帰された。(とはいえ、結局待ち時間が長すぎて合計滞在時間は4時間半以上)
これはどう言うことかと言うと、アメリカは訴訟大国なので、麻酔その他の薬物を処方する際に、少しでも不安要素がある可能性があった場合には、訴訟問題に発展する事から身を守るために、みんながやたらと神経を使うのだ。
だから、治療を始める前でさえ、”何かあっても、その責任をそちら様には決して押しつけません”というような内容のありとあらゆる書面に診察台でサインをさせられることも普通にある。
そんなわけで、その日は家に帰ったところ、さらなる悲劇が。。。
問題のある歯をいじられすぎて激痛
NYUの学生の歯科医に、チェックアップのために歯を色々といじられたせいもあり、気がつくと、内部の痛みが激増していたのだ。。。
もうその時間はエマージェンシーは閉まっているから、とりあえず、処方箋のうがい薬をドラッグストアに取りに行くしかまずはできることはない。(ここの病院で処方された薬は、自宅に近いドラッグストアを指定して、そこで受け取ることになっている。そのため、すべてのドラッグストアには処方箋薬局が設置されている)
そんなわけで、腫れ上がったほっぺたをマスクで隠し、何とか近所のドラッグストアに行って、処方箋の薬のピックアップをしようと受け付けに並んで説明したところ、薬剤師の人からの回答は、「まだ来てませんで」(関西弁風翻訳)の一言。
しかも、その薬局は、もう直ぐ閉店という悲劇のタイミングだったので、仕方なく翌日まで待つことに。
軽い対応の歯科大生
その際、一応学生の研修医にも携帯からメイルを打って、処方箋のうがい薬が薬局に届いていなかったことを説明した。(NYUデンタルのシステムは、患者は学生の研修医の電話番号をもらい、緊急の場合や予約を取る時にはまず、彼ら彼女らとSMSでやりとりするというシステムとなっている。かなり強引な公私混同だけど、歯科大には沢山のデパートメントがあり、代表の受け付けに電話する形ではたらい回しに終わるため、らちがあかないので、そう言う事になっている。)
NYUの研修生の彼女からは、ずいぶんと夜遅くなってからメイルの返事が来て、自分はちゃんとうがい薬はオーダーしたから、明日には絶対に届くはずだから、取りに行ってくれとのこと。そして、痛みが酷ければタイレノールもしくはアドビルと言う市販されている痛み止めを4時間ごとに飲めという指示だった。(これはこっちの歯医者の定番)
とはいえ、私は基本的にナチュラル嗜好なので、こういった痛み止めは普段はできるだけ飲まないで生活している。だから、その日はほっぺたを冷やし、家にあったクローブオイルをココナッツオイルで希釈して歯茎に塗って、それで歯を磨いたり、重曹水でうがいをしたりしながら無理やりにでも寝て乗り切るしかなかった。
そして翌日、かなり消毒効果が高そうな処方箋のうがい薬を何とか受け取り、それでうがいする事で少し痛みや腫れがましにはなったけれども、かなりの激薬のせいか、2、3日使用すると、今度はだんだんと味覚異常が起こって来た。
結局、その違和感には耐えられず、うがい薬の使用を減らし、ハーブやホメオパシーなどのナチュラルな処置を駆使してなんとか状況を温存する形に。
内科医の治療許可サインをもらうのにまた数日
そんなわけで、一刻も早く次の予約を取らなければいけないのだけれども、内科医のサインを要請されているので、とりあえず次の日に内科に電話したところ、軽やかな声の受付嬢が、「あなたの状況は分かったは。でも、先生は今ヴァケーションでNYにいないのよ。だから、どうできるかを他の先生に聞いて連絡するはね。」と言われ、次の日1日待ったけれども、結局なしのつぶてだった。。。
翌日、ダメ元でもう一度オフィスに電話したところ、前に話した事がある受け付けの人が電話を取り、後から連絡するから、とりあえずその書類を先にメイルで送ってくれと言われた。
しばらくして彼女から電話があり、この場合はドクターのアポイントを先に取ってからしか無理ね、という事であったので、とりあえず次の週にアポを取り、その後、書類が用意されるのを3日ぐらい待つことになった。。
でも、その段階ですでに1週間以上経過してしまっていたので、症状はさらに悪化し、ますますひどい状態になっていたので、私はもう一度学生の歯科医にメイルを送り、サインは何とかもらえたから緊急に予約を取って欲しい、と書いたが返事が来ない。。。
その日は金曜日だったけれども、返事がないので、もう一度ダメ元で週末にメイルを送り、緊急だから次の週に予約を取らせて欲しいと書いた。
すると、しばらくして彼女から来た呑気な返事は、「あ、ごめんなさい。あなたの最後のメイル、見逃してたは。この週は私の予約はもう一杯なのよ。だから、月曜日にもう一回NYUのエマージェンシーに行ってみて。痛みがきたら、タイレノールかアドビルを4時間おきにね。」だった。
もはや絶望しかないまま、次の週明けに私はもう一度NYUデンタルのエマージェンシーを訪れることになったのだが。。。
(続く)