【Bookレビュー#11】図解「ROEって何?」という人のための経営指標の教科書
<損益計算書>
●期間で経常される(第一四半期なら3ヶ月、中間決算なら半年間、通気なら1年間)
・投資家にとって最も重要なのは「当期純利益」
当期純利益だけが株主に帰属し、その金額によって配当が決まり、株価に大きな影響をおよぼす
・経営の視点で重要なのは営業利益
通常のオペレーションから出る利益。1年の成績で経営者の実力がわかる。経常利益には、支払利息などのコントロールできない要素が含まれるため、経理者の実力を反映しているとは限らない。営業利益を出し、借金を返していけば、経常利益、純利益も伸びる
<貸借対照表>
●その期末時点のもの(当連結会計年度(平成28年12月31日))
●会社の安全性がわかる。会社が事業活動を続けていけるのかどうか、倒産する危険性がないか。緊急時に見るべき財務諸表は、貸借対照表である
・赤字に陥ったときではなく、「負債が返済できなくなったとき」に倒産する
●自己資本比率
自己資本比率=自己資本(≒純資産)÷資産
この割合が高いと安全である
※自己資本=純資産ー新株予約権ー非支配株主持ち分
・製造業の場合は、20%以上、商社・卸売業の場合は、15%以上あれば安全(売掛金、在庫など流動資産が多い)
・流動資産が多ければ多いほどいい(換金できるため)→固定資産が多いところだと高めの数値が必要
・自己資本比率が高い会社でも、短期的には倒産してしまう可能性
→具体的には流動負債が返済できなくなったとき
ex: 支払手形および皆生課金、短期借入金、未払金、前受収益、未払法人税など。特に銀行との取引は、決済が滞ってしまうと取引が停止されてしまうため、倒産になる
●流動資産:現預金、受取手形、売掛金。流動負債より流動資産が多ければ当面の資金繰りは大丈夫(一瞬で財務諸表を判断する方法)
●固定資産:土地や電車、線路など(鉄道会社の場合)
●流動負債:支払手形・買掛金
●固定負債:退職年金、退職金
※負債のなかには有利子負債・無利子負債
●純資産
【Ⅰ 株主資本】
・資本金、資本剰余金
最初に会社つくったとき→資本金
増資するときは資本金、資本剰余金に半分ずつ
・資本剰余金は、取り崩すには株主総会で3文の2以上の賛成が必要(特別決議)
※会社が増資したときにしほんきんと資本剰余金の数字が変わる
・利益剰余金
*利益剰余金は当期純利益が出ると一旦入る(PL→BLへ→BLを使って収益を出す)
*株主への配当はここから支払われる
*当期純利益が出ていれば、そこから配当が支払われるが、マイナスになるとこれまでの利益剰余金から惹かれる
*債務超過になるのは、純資産合計がマイナスになった状態
⇔倒産するのは流動負債を返済できなくなったとき
⇔金融機関からの融資が難しくなる
・自社株買い
*市場から買うため、株価が上がりやすくなる。将来消却する可能性が高い=株主還元の一種
*自社株買いをすると、株主資本のマイナスとして計上され、純資産の合計がその分減る
・株主資本合計
資本金+資本剰余金+利益剰余金ー自己株式
【Ⅱ 評価・換算額、Ⅲ 新株予約権、Ⅳ 非支配株主持分】
・ほとんどそれほど大きな額にはならない
<Ⅱ 評価・換算差額>
・資産の部は、原則として資産を取得したときの価格を記載すると説明しているが、有価証券は例外で決算時の時価で記載することが義務付けられている=時価会計
→株価によって膨らんだり縮んだりするため、調整する文が評価・換算差額
・海外子会社を持っている場合も為替レートの変動によって円換算での資産額は増減する=為替換算調整感情
<Ⅲ 新株予約権>
・ある金額で株式を買う権利
<Ⅳ 非支配株主持分>
・子会社の純資産と親会社の純資産も全部合算されるが、もし100%子会社でない場合には問題が発生する
→非支配株主持分として区別する
●子会社と関連会社の違い
・子会社(50%を超える議決権を持つ)はPL、BS、キャッシュ・フロー計算書にあるすべての勘定科目が親子間の取引を相殺した上で合算される。関連会社は合算されない
・関連会社は、持分法によって計算される利益が親会社の連結損益計算書の営業外収益に計上される
・関連会社の負債は連結した時に連結PLに載らない→IFRSの一部が導入された
第2章 注目の経営指標「ROE」を完全理解する
●ROE(自己資本利益率):株主が会社に預けているお金を使って、どれだけリターン(利益)を稼いでいるか
ROE=当期純利益÷自己資本(≒株主資本)
・値が高いほど、株主から預かったお金を使って効率よく利益を稼いでいる企業
●ROA(総資産利益率):企業が資産に対して、どれだけの利益を生んでいるか
ROA=利益÷資産
・利益はPLの営業利益、経常利益、当期純利益を使っても構わない
*資産を使って本業でどれだけ利益を稼いでいるかを知りたければ営業利益、株主に帰属する利益と比べたければ当期純利益を代入する
・株主資本=株主資本
・自己資本=株主資本+評価・換算差額
・純資産=株主資本+評価・換算差額+新株予約権+非支配株主持分
・ROEが低いと、投資家から低い評価、ROEが高い会社に比べて株価が低迷しやすい、企業の時価総額が低くなり、買収されやすくなる
●ROI(Return on Investment)
ROI=自分が投資した金額に対して、どれだけリターンを得られるか
→投資家にとって重要なのはROIだが、いちがいに会社の効率性を批評することはできない
・外国人投資家の増加によって、株主のほうを向いた経営をせよということが言われるようになった
→ROEに注目
・日本のROEは欧米企業と比較してROEが低い
・世界最大手の議決権行使助言会社ISSが、「過去5年間の平均と直近決算期のROEが5%以内の企業については、経営トップの取締役専任議案に反対するよう株主にすすめる」
・JPX日経インデックス400もROE重視の流れに拍車
・日銀が買い入れているETF(上場投資信託)にJPX日経400を追加すると発表+GPIFも運用インデックスの一つに加えた
→JPX日経400に選ばれるかどうかが自社の株価を大きく左右する
・自社株買いをすればROEのがてっとり早く上がる(分母の自己資本が減る)
⇔自己資本率は下がる(純資産が減るため)=不安定な高ROEの企業
・現金を使って自社株買いをしても、銀行から借り入れをしても、どっちにしても危険
→現金を使う時には短期的な安全性に関わってくる(手元流動性)、銀行から借りると負債が増える
・ROEのも短期的な指標である
・ROEのを短期的に高める方法はコストカットをすること(原価、販管費、損失の費用を差し引く)
●ROEとROA
・ROAの方が重要
・ROEを高めるには、①ROAを高める、②財務レバレッジを高める。※レバレッジ=負債、有利子負債
・自己資本比率を低めれば、ROEが高くなる(再掲)
・ROAの方が重要な理由
①優先してROAを高めることでROEを高めなければならない
財務レバレッジのみ高めても経営上、問題が生じる可能性がある
②経営者は負債と純資産の両方に対して責任がり、リターンを出す必要がある(ROAをは資産全体に対する利益の割合)
・ROEの第一=株主を第一に考えている
⇔負債を提供する社債権者や銀行に対して失礼な考え
・ROEやROAは中長期的に見なければならない
●ROEを厳密に計算するとき
・ROE=親会社株主に帰属する当期純利益÷自己資本の期首と期末の平均値
期間と時点の違いをなくすため
●資本コスト
・資金の調達コスト
・会社が事業を行うためには資産が必要←そのためには、負債、純資産という形で資金を調達しなければならない
*負債の場合、調達コストは金利
*純資産の場合、調達コストは株主の期待利回り(株主が会社にあずけている資金に対して期待する利回りが、純資産の調達コスト)
●銀行から借りたお金より株主から預かったお金のほうがコストが高い
・純資産の大半は株主資本
・期待利回りは、国債金利+αで最低でも5%必要
⇔負債の調達コストは1~2%
国債と金利が同じなら、意味がない=リスク・プレミアムでもある
・企業によってα(リスク・プレミアム)の変動率は異なる=ボラティリティ
・調達コストは、優良企業であればあるほど低い水準
●CAPM(Capital Asses Pricing Model;キャップ・エム)
・純資産の調達コストは、「α=Rf +β✕(Rm-Rf)」
※Rf=国債金利、β=当該会社の株式が、市場の動きに対してどれくらい反応するのか(株式市場全体が1%動く時に当該会社の株式が2%変動するのであればβ=2)
※Rm=株式市場全体の利回り、Rfを引くことで、株式市場全体の利回りが国債金利よりもどれくらい高いかを示す
●WACC(Weighted Average Cost of Capital;加重平均コスト)
・資産をまかなうための資金(負債と純資産)を調達するときにかかるコストが何%あるか
・負債の調達コスト(X%)+純資産全体の調達コスト(Y%)を加重平均したもの
・負債の調達コスト=有利子負債の金利
・純資産の調達コスト=株式の利回り(国債金利+α)
・純資産の割合が大きくなると、WACCも高くなる
・WACCは、資産をまかなうための資産の調達コストであるため、資産をつかって得るべき利益率も高くなる=高ければ高いリターンを期待される
・ROA>WACCにならなければならない(資産に対する利益率は、資産をまかなうための資金の調達コストよりも高い利益率でなければならない)
・営業利益ベースでなければならない←負債の調達コストは金利であるため、金利を支払う前の利益「営業利益」と比べる必要
・WACCの数字を下げる=純資産の割合を下げる(自己資本比率を下げる)方向に動く←自己資本比率が高くなると、WACCが上昇し、期待される利益も大きくなる
→自己資本比率を抑えると、ROEを高めることにもつながる
(ROE=ROA✕財務レバレッジ(自己資本比率の逆数)であるため)
●伊藤レポートで「ROE8%以上」を目標に定めた理由
・株主の期待利回りの平均は日本では7%程度→ROE8を8%以上にすれば、調達コストを超えているといえる(国債金利+αのαは個々の企業によって違うので、個別企業では7%とは言えない)
・トヨタは、純利益が大きいため、何もしなければ利益余剰金が貯まっていき、純資産がどんどん増えていくため,WACCもどんどん上がり、期待される利益の水準が高くなる→期待に答えられなければ株価が落ち込む恐れ→あえて有利子負債を調達して、貸借対照表の両サイドをふくらませることで、純資産(自己資本比率)の割合を押さえ、WACCを下げている
・のれん
M&Aの時に、買収価格が、被買収企業の純資産を超える額。そのあと消却することになる
第3章 財務諸表で「企業の実力」を分析する方法
<① 「安全性」を分析する>
●財務分析のステップ
①(③←図中番号)自己資本比率を出す→10%以上かどうか?
自己資本比率=純資産÷資産
②(②)流動比率:120%以上か?
流動資産÷流動負債
③(②)当座比率:90%以上か?
当座比率=当座資産÷流動負債
※当座資産=流動資産の中でも現金化しやすい資産。ex: 現金・預金、受取手形および売掛金、有価証券
④(①)手元流動性
手元流動性=(現預金+有価証券などのすぐに現金化できる資産+すぐに調達できる資金)÷月商
内部情報がないときは、
手元流動性=(現預金+流動資産の有価証券)÷月商
→1ヶ月分より大きければOK
●本当は()内の順番でやる。現金に近いところから見ていく
●手元流動性がをおろそかにして、自己資本比率を高めてはならない
●有利子負債
・流動負債では、「短期借入金」、「コマーシャル・ペーパー(短期の社債)」、「1年内返済予定の長期借入金」、「1年以内償還予定の社債」、「1年以内償還予定の新株予約権付社債」。固定負債では、「社債」、「長期借入金」
・D/Eレシオ(デット・エクイティ・レシオ)
これらの合計が資産合計額と比べて小さいか大きいかによって、安定かどうかがわかる。
→1倍を下回ると安全
●固定負債でも、残り1年以内に返還しなければならないものは、流動負債の「1年内返済予定の長期借入金」へ科目替えをする⇔もししていない場合にはいきなり潰れる可能性がある
●支払い手形および買掛金:買ったけれど支払っていないお金。多いほど資金負担が軽くなる
●引当金:将来発生する支出。ex: 退職給付引当金 ※貸し倒れ引当金は資産の方にマイナスとして載る
●棚卸し資産
・商品及び製品:商品は仕入れたもの、製品は自社で作ったもの
・仕掛品:原材料から製品にいたるまでの中間にある製品
・原材料及び貯蔵品:原材料、長く保存できるもの
・基本的に賃借対照表は、買ってきたときの値段、作ったときの値段になっている
・棚卸し資産が積み上がっている場合は要注意。
●利益剰余金
・賃借対照表の右サイドは、あくまで資金の調達元であって、資金そのものではない。固定資産に変わっていることもある→利益剰余金があっても手持ちの資金がなければ、倒産することはある
→資産の部に載っている「現金及び預金」や「有価証券」
<② 「収益性」を分析する>
●売上高成長率
・決算短信に業績改善・悪化の理由が書いてある
・売上高は社会へのプレゼンスを表す
・在庫(棚卸し資産)の伸びをチェックすることも必要
→在庫量の伸びが売上高の伸びに比べて際立って高い場合や、在庫量が増えているのに売上高が下がっている場合は注意。キャッシュフローの悪化につながる
・売上高の伸び率と資産の伸び率を比較することも重要
●資産回転率
資産回転率(倍)=売上高÷資産
この数値が高ければ高いほど、効率よく資産が活用されている
・資産回転率が高かったとして、効率性はよいが、安全性の面で問題が生じることもある
・回転率が高い会社は、人を商品にしている関係で人件費や家賃に費用がかかっている→売上高が落ち込むと社員の給料を払えなくなってしまう可能性がある
●売上原価率
売上原価率=売上原価÷売上高
●売上総利益率
売上総利益率=売上総利益÷売上高
※作ったものや仕入れたものは一旦「たな卸資産」となり、売れた分だけが売上原価になる。売上原価=製造原価ではない
ex: 100個作って100かかり、そのうち50個だ売れた場合、製造原価は100、だけれど売上原価は50
売れなかった分は一旦棚卸し資産になる
●たな卸資産回転月数
何ヶ月分の在庫を持っているかを計算する
棚卸し資産回転月数=たな卸資産÷1ヶ月あたりの売上原価
※会社や業種によって基準が異なる
●販管費率
販管費率=販管費÷売上高
●売上高営業利益率
売上高営業利益率=営業利益÷売上高
決算短信を見ると、「再生に向けて収益力の改善を再優先課題とし~」など書いてある
※売上高営業利益率が10%を超えればOK(by稲盛和夫)は一概には言えない。販管費がかからない業種もある
→「付加価値の20%くらいの営業利益が出ているか?」で判断する
付加価値=売上高ー仕入れ
ex: 卸売業では・・・
付加価値=売上総利益(=売上高ー売上原価)
製造業では・・・
付加価値(=売上高ー売上原価)=売上総利益+人件費+減価償却費
→売上原価には人件費等含まれているため、算出された付加価値はこの分を引いてしまっていることになる。仕入れには人件費等は含まないはず
●当期純利益
「非支配株主に帰属する当期純利益」と「親会社株主に帰属する当期純利益」で区別している。60%出資の子会社を連結してしまうと40%の誰かの株主の分が計上されてしまう
・ROEの純利益は、「親会社株主に帰属する当期純利益」を使うことが一般的。親会社株主に帰属する当期純利益は、利益剰余金になり、株主にそこから配当が支払われる
●セブン&アイ・ホールディングス
出典:Globis
●損益計算書は最低でも3期分の数字を見比べる
経済状況も考える
<③ 「将来性」を分析する>
●キャッシュ・フロー計算書
・2000年に義務付け
・利益と実際のCFは一致しない
→実際に振り込まれるのはサービス提供の数カ月後であることが多い
・構造
①営業活動によるCF
通常の業務でどれくらいのお金がどのような形で出入りしているかがまとめられている
②投資活動によるCF
会社が投資にどれくらいのお金を使い、どれくらい投資から回収できているかをまとめる
ex: 設備投資をした場合はマイナス、保有している有価証券を売却した場合はプラス
③財務活動によるCF
財務活動によってどれくらいの資金を得ているか、使っているか
ex: 自社株の買い入れ、株主配当、借入金の返済はマイナス。銀行からお金を借りる場合はプラス
●営業キャッシュ・フロー:必ずプラスになってなければならない
・税金等張性前当期純利益から損益計算書の項目を足し引きする
①実際にはお金が入ってきていないのに、売上高に計上した収益⇒引く
ex: 売掛金をかけたとき(回収はしてない)
②実際にはお金が入ってきているのに、売上高に計上しなかった取引⇒足し戻す
ex: 売掛金を回収したら計上する
③実際にはお金が出ていったのに、費用として計上していなかった取引⇒引く
ex: 買掛金を支払った分
④実際にはお金が出ていっていないのに、引いていた費用⇒差し戻す
ex: 買掛金をかけたけど、支払ってない
⑤在庫の増減など、損益計算書とは関係のない資産、負債の増減を調整する
①・②の合計=売上債権の増減額
③・④の合計=仕入れ債務の増減額
●減価償却費は「足し戻す」
・購入にかかった分は「投資キャッシュ・フロー」に「有形固定資産の取得」に計上
・減価償却費分は実際には出ていっていないため、足し戻す(上の④「実際にはお金が出ていっていないのに、引いていた費用」)
●たな卸資産
・在庫が増えれば増えるほど営業CFは悪化する
・損益計算上は売れた分が反映されるため関係ない
・「⑤在庫の増減など、損益計算書とは関係のない資産、負債の増減を調整する」
●キャッシュ・フロー・マージン
・営業キャッシュ・フローを十分に稼げているか?
・キャッシュ・フロー・マージン=営業キャッシュ・フロー÷売上高
→7%以上あれば合格、10%を超えれば優良企業
●投資キャッシュ・フロー:会社どのくらい投資に資金を使ったかと、投資したものをどれくらい売却し資金を回収しているかをまとめた部分
・投資活動は、
①事業を行う上でひつような投資(ex: 無形資産を購入する)
②ファイナンス的な投資(ex: 3ヶ月以上の定期預金や長期にわたる株式投資)
・投資CFは常にマイナス。それだけ積極的に投資している。プラスになった場合は要注意。
・投資CFの種類
①現事業維持のために必要なキャッシュ・フロー、
②未来投資
③3ヶ月を超える財務的な投資(定期預金や社債、長期での株式購入など)
●財務キャッシュ・フロー
●「ファイナンスの状況」「株主への還元状況」の2つが含まれている
・「ファイナンスの状況」:どれくらいの借入金をして現金が入ってきたか、借入金を返して現金が出ていったか
・「株主への還元状況」:株主への配当金の支払いや、自社株買いでどのくらいのお金が出ていったか
・財務CFは、基本的にマイナスになるほうが健全。借入金と返済金が同額の場合、株主還元分だけマイナスになる→株主に対して配当金が支払われることは喜ばしい
・チェックポイント:「設備や機械といった資産の価値の目減り分」以上の設備投資をしているかどうか?
固定資産の購入ー固定資産の売却>減価償却費+減損損失
であれば、未来への投資が十分
●フリー・キャッシュ・フロー(FCF):会社が自由に使えるお金
・未来への投資にあてられる、財務改善や株式還元にあてられる→フリー・キャッシュ・フローは真の企業の実力値
・FCFの2つの定義
①フリー・キャッシュ・フロー=営業CFー投資CFのマイナス分
②営業CFー現事業を維持するために必要なCF
②がより専門的。多くは①の方が使われる。
投資CFは、①現事業維持のために必要なキャッシュ・フロー、②未来投資、③3ヶ月を超える財務的な投資(定期預金や社債、長期での株式購入など)から成る。
②、③は本来は余剰資金として扱われるため、FCFとしての扱いであるが、そもそもそんなにないから①でいい
・営業CFで「稼いで」、投資CFと財務CFで「使う」
・営業CFでプラスになり、その範囲内で投資CFと財務CFのマイナスをまかなっているというのがバランスのよいCF計算書
・キャッシュ・フロー計算書分析ステップ
①営業CFは十分稼いでいるか?
・プラスになっているか?
・営業キャッシュ・フロー・マージンは7%以上か?
②未来への投資を十分に行っているか?
・固定資産の購入ー固定資産の売却>減価償却費+減損損失?
③「株主への還元」はどれくらい行っているか?
・営業CFー投資CFは?→財務キャッシュ・フローは?(配当金に使っているなど)
④最終的な残高はプラスになっているか?
「現金および現金同等物の増減額」はプラスか?「現金および現金同等物の期末残高」はプラスか?
📚本を読んで・・・
収益性や安全性に紐づく経営指標は、企業が属する業界特性や、企業のフェーズ(成長期、成熟期など)によって判断すべき。