宝相華
どうもこんにちは。本日も当ブログにお越しいただきまして誠に有難うございます。
さてさて、今回も引き続き京都府での撮影となります。タイトルは日本の伝統的な「和柄」の名前となっております^^
早速、フィールドへご一緒いたしましょうか。
サムネイルの白藍とも柳鼠とも言える美しい蛾。気になるお名前は・・・
オオミズアオ Actias aliena
先日当方のInstagramのアカウントでも投稿いたしました一点です。
前日の夜、山でのへび探しから帰ってきた夜に見つけたんですが、その時は疲労困憊で撮影を諦めてしまいました・・・。
ですが翌日また蛇探しに行こうと家出たら昨日の個体がいるじゃぁ、無いですか。
これは撮影せんと!…てな訳で撮った一枚です。
以前は月の女神である「Altemis」という名前を学名で付けられておりましたが変わってしまいました、、、
日が出るまでいてくれたのは偶然なのでしょうが、それにしても、目を見張る美しさの昆虫が朝から出迎えてくださるのは中々気分が良いものですねぇ。
幸先のいいスタートを切れましたので本日のフィールドは良き日となりそうです✌️
到着し、歩いて行くとちょっとした水溜りがありました。
なにやら水面が波立ちましたので覗いてみましょう。
ヌマガエル Fejervarya kawamurai
どこにいるかと思いきや。笑
巧妙に隠れてくれてました。本州の田園地域ではそこそこ見かけるカエルでしょうか。
まぁイシカワガエルなんかと比べちゃうと地味っちゃ地味なんですが、個人的にはこの「チマっ」とした感じが愛らしいと感じてしまいます。笑
幸いにも水面を騒がせた張本人(人?笑)を見つけられたので再び道を進んで行きますかな。
ハンミョウ Cicindela chinensis japonica
漢字だと「斑猫」。
見た目はさながら宝石で、よく飛び回るので非常に眼福な昆虫・・・ではあるのですが彼ら彼女らは立派な肉食昆虫です。
この時、顔をドアップで撮影できなかったんですがそれはそれは大きな大顎がありまして、"マダラ模様"で"大きな牙"で狩をする事からそれを食肉目である猫に擬(なぞら)えた・・・ので、斑猫だそうですよ!
幼虫も肉食なんですが成虫とは打って変わって待ち伏せタイプ。
地面に垂直な穴を掘り、頭で蓋をして上を通りかかった小昆虫をガバッと親と同じような大きな牙で襲って喰らうそうです。
そんな幼虫の生活スタイルも相まって河原や日当たりの良い登山道でよく見かける昆虫ではありますが、ここ最近は登山道の舗装等の環境改変で随分と数を減らしているそうです。
生まれて初めて見たのは、織田信長のゆかりの地を回ってた時の安土城跡で、でした。
千葉ではこの昆虫と縁がなくて、大層感動したのを今でも昨日のことのように思い出せます。
やはりこうして野生の生命との邂逅で得られる「自分と同種以外の生きている存在」というのは大前提である「生き物として」生きるうえでは非常に役立つと感じます。
それがどう、いわゆる社会学的な"人間"としての生活に具体的に役立つかはうまく言語化できないのですが、少なくとも「必要である」という認識は持たざるを得ません。
そうそう、話それましたが別名(俗称的な)で「道おしえ」とも呼ばれるハンミョウ。
開けた場所を飛ぶという性質が故なんですが、
山道で出会うと飛んで逃げ、進行方向のちょっと先にまた降りて・・・てのを繰り返してきます(笑)
それを「道おしえ」と名付けた感性には上から目線ではありますが感心してしまいます。笑
おや、、話をしていたら・・・
足元には先日の記事で紹介したボーベリアの仲間が。
そうそう、余談ではありますが行ったこの地域ではすでに寄生され、子実体が出てる死体を数多く見かけました。
ヤマトタマムシ Chrysochroa fulgidissima
の羽です。何かに食われたんですかね〜。
昔百人一首をやってた時に、時代背景みたいなのを学ぶ為に読んだ本のコラムで「タンスの装飾として使われていた」・・・て書いてあったのをふと思い出しました。
といいますか、何かと「タマムシ」という文字を見聞きすると毎回それを思い出すんですよねぇ…
という与太話は置いときまして。
ニホントカゲ Plestiodon japonicus
うかうかしてたらあっという間に逃げられてしまいます。
ニホントカゲを始め、Plestiodon属はどこ行っても見かけるのですが、同じ地域でも個体によって人間への恐怖心と言いますか、逃避行動みたいなのに差がある気がします。
その差は何に起因するかは気になるところではありますね〜。若齢時に自分より大きい何かに襲われた経験があるとかなんでしょうが・・・。
後天的なものである獲得形質は遺伝しない、と大学や高校では習いましたがビビりな性格のやつ、大胆な性格のやつ、がいるとしたら、そこだけで見ても、遺伝子云々は抜きにして多少なりともその地域におけるその種の生存率に多かれ少なかれ影響は与えそうなもんですがね〜。
いや、もしかしたら論文で出てるのに私が知らないだけの可能性も十分あるではあるんですがね。
学術的な知見というのは、芸術としての写真をやってるとて、最低限は身に着ける必要の重要性みたいなのは頭じゃわかってはいるんですがね〜。
やはり感覚としての「美しさ」を撮影者である私というフィルターを通して写真として伝える上での説得力にもなりますしね〜。。。
とカッコつけて書いては見ましたがやはり撮影する上で「優先順位」みたいなのはありまして・・・・勿論被写体である野生の生命達の邪魔をなるべくしないってのは大前提として学術的に云々というのは私自身が美しいと感じるかどうかというのよりかは低いんですよね。
というのも、そういった図鑑に必要な写真というのは私の他に、私よりずっとそれに向いてる方がいらっしゃいますしね。
役割分担・・・ってやつですよ。笑
一応図鑑や論文での提供のご依頼も頂く事がございますので最低限は撮影しておりますが!
とりあえずきりが良いのでここいらでちょいとばかし道に腰を下ろして休憩しましょう〜。
次回のマガジン「本州の生き物」も京都府の生き物達の写真となります〜!
それでは皆様、ごきげんよう〜。