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ターゲットのズレは致命的という話

いきなりステーキがニューヨークに出店した11店舗のうち7店舗が撤退しました。いきなりステーキは、高級料理だったビーフステーキを、前菜なしで、誰でも手軽に気軽にお腹いっぱい「ステーキ」が食べられるようにしたいという想いから始まりました。

ニューヨークでの失敗は、誰でも手軽に気軽にといういきなりステーキの提供価値とその価値を提供するターゲットのズレに原因がありました。いきなりステーキはニューヨーカーのビジネスマンをターゲットにしていましたが、最近のニューヨーカーにとって、ソーシャルグッドでないステーキはクールな食べ物ではなくなっていました。ただ、そんな中でも、ステーキを好んで食べる一部のエリートビジネスマンは、ピーター・ルーガーなどの高級ステーキハウスに行ったのです。いきなりステーキが提供する価値はニューヨーカーには刺さらなかったわけです。

一方で、安くて気軽に入れるチェーン店は既に存在しており、そこを選ぶのは地方からやってきた観光客ばかり。ただ、ここをターゲットにしても立ち食いをベースとしたいきなりステーキが選ばれるとも思えません。

ターゲット顧客がどのような不(不満・不便・不安・不都合・不快感など)を持っているか。あるいは本人すら気づいていない本能的欲求をもっているか。そしてそれらを解決したり満たすために自社はどのような価値を提供できるのかがすべてです。ここを見誤ってしまうと、その後のどのようなアクションもすべてが無駄打ちになるわけです。

短い人生、無駄打ちをしている時間は誰にもないはず。


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