肉選びは「育てられ方」で判断する
野菜は「農薬」や「化学肥料」とった危険性に関するキーワードがわかりやすいので、野菜は気をつけて買っているという人が多いが、まだ何が危険なのか把握していない人が多いのが「肉」ではないだろうか?
食肉の場合、牛や豚、鶏といった生き物自体を食べることに問題があるわけではない。肉を食べて不健康になるなら古代人は病気になるし、長生きすることもない。動物性食品の場合、その飼育方法が問題なのである。
牛は一度飲みこんだ食物を再び口に戻して咀嚼する反芻動物でもあり、本来、牧草などの草食。豚と鶏は雑食性で、動物性食品も植物性食品も食べる。
ところが、日本の畜産で使われる飼料のほとんどが穀物。
しかも、その穀物飼料のほとんどにアメリカ産の遺伝子組み替えの飼料用とうもろこしや小麦などが使われている。
飼育方法は「密飼い」といって、経済効率を高めるために、
超過密の状態で畜産動物が飼育されている現場がほとんど。
密飼いされた畜産動物たちは、極度のストレスと運動不足によって病気になることは安易に想像がつく。人間に置き換えて考えれば、よくわかる。
狭い空間ですから、あっという間に病気は感染していくことから
感染を見越して病気を防ぐために飼料に抗生物質を混ぜたり
投薬を行ったりしている。
牛は格付けによって取引される金額に大きく差が出るため
日本の牛肉の生産者たちは高く売れるA5ランクを目指し
わざとビタミンAを欠乏させる飼料を与えることで
意図的にサシの量を増やした肉をつくり上げる。
格付けありきでA5ランクを目指して肥育された牛は
出荷時ではビタミン不足で目が見えなかったり
歩行困難だったりと完全に病気になっているケースが多い。
そのため、格付けされるセリの場に連れて行かれた時は
すでに屠殺された状態である。
枝肉になった状態で脂肪や光沢から等級が判断されるので
牛が病気だったかなどは、格付けにはいっさい関係しない。
そういった状況を知らず、脂信仰や格付け大好きな日本人たちは
病気の牛の脂をありがたがって、高いお金を出して食べているのである。
そして、皆さんがブランドや格付けが大好きなので
生産農家たちは無理な肥育を続けることになる。
実は、消費者側が肉のブランド志向をやめない限り
このような劣悪な食肉が作り続ける畜産農家が減らないのである。
選び方をよく考えよう。