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護身術を過信してはいけない

実はとある中国人の知人に「護身術を習ってみたいんだけど何がいいと思う?柔道?空手?合気道?」と聞かれました。

私は高校時代に極真空手を習い、その後は表演競技の中国武術を習いましたが、もちろん素人に毛が生えた程度にせよ、間違いなく言えるのは、街中で絡まれたり危ない人に出会ったらとにかく逃げる、大声を上げるということを第一優先に考えて欲しいということです。

確かに格闘技経験者は路上の喧嘩では多少有利になる面はあるかと思います。殴る蹴る投げる極める避ける…そうした攻防技術はやっぱりど素人と経験者では差が出てきます。空手家のハイキックは当たりやすいだろうし、柔道家に投げて締められたら素人ではどうにもならないでしょう。

ただし、それは素手VS素手、一対一で足元が安定している場所でさあ喧嘩だ!と始まった場合の話。

実際路上で暴力を振るわれるようなシチュエーションはそんなに綺麗なものではなく、武器を持った複数人に囲まれる事もあるだろうし、後ろからナイフでブスっとされるかもしれないし、身体能力が高く体格の大きい相手だと、力で押し込まれる可能性もあります。

特に女性に護身術と称して金的蹴りだの目つきだの足の小指を踏んだりだの教えてる護身術道場みたいのが昔近所にありましたが、たぶん暴漢に対してはほぼ無意味でしょう。

実は金的蹴りを当てるのはとても難しいし、当たってもひるんだとしても卒倒するようなダメージを与えることは案外できません。野球少年ならだいたい経験しているボールが金的に当たった時の感じ・・そりゃきついけど気を失うほどじゃなかったですよね?下手に目つきなんかしたらおでこに当たって指が折れちゃいます。何よりこうした習得できたつもりの護身術を下手にかまして余計に相手を興奮させ不利な状況に陥るだけです。

春秋戦国時代の言葉「君子危には近寄らず」「三十六計逃げるにしかず」これが全てで、危ない場所には行かない。違和感を感じたらすぐ逃げる。これに勝る護身術はないでしょう

…みたいな話をその知人にしたんですが、単純に伝統武道に興味があったようで、柔術が合気道を習いたいようです。趣味でやる分にはぜんぜんいいんですけどね

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