中国人妻の地元を訪ねて④〜広がる田園風景と乾杯ラッシュ〜
妻の地元、中国江蘇省への帰省旅シリーズ、鎮江での4日間を終えて次に向かうのは妻の母の地元の揚州市。鎮江駅から高鉄(高速列車)に乗り、長江大橋を越えていきます。
そして向かう先は揚州市の宝应(バオイン)という駅。高速列車の駅なのに人っこ一人いない…
ママ(妻の母)がぼそっと一言…「宝应に踏み入れた日本人は歴史上初じゃないかしら」
駅には地元で長距離ドライバーをしている舅舅(おじさん)が迎えに来てくれて、二姨娘(ママの4人姉妹の2番目の姉)のいる曹甸鎮(ツァオディエンジェン)に向かいます。
中国式BBQで地元料理に舌鼓
中国の基本的な行政区分でいうと省級、地級、県級、郷級という4層に分かれていて、一番大きいのが日本の都道府県に当たる「省」もしくは「直轄市(北京、上海、重慶、天津)、次に副省級市などあって、その次が「県」、さらに小さいところで「鎮」、そして最小単位は「村」。
私たちが訪れた曹甸鎮はまさに「鎮」という風情の農村で、ぬいぐるみの工場などはありますが、観光地ではありません。
まずはここで暮らす二姨娘(妻の母の4姉妹の2番目の姉)のアパートに向かいます。二姨娘はめちゃくちゃ人懐っこい性格で、地元の市場で買ってきた巨大なヘチマを見せてくれました。
夕飯は二姨娘のお調子者の息子が経営するレストランで。ここで母方の一番上の姉、大姨娘も合流します。
大姨娘と二姨娘は地元食材を絞めるところを見せてやるとのことで裏庭に連れて行かれ、鶏を絞めるところや、地元食材のタウナギにも似た长鱼(チャンユー)に塩とお酢をかける下処理も見せてもらいましたが、バケツに入った长鱼がゾンビのように飛び跳ねてきて完全なホラーシーンになってしまいました…
このお店は中国で流行っている烧烤(中国式串焼きBB Q)のお店で、私はどれも美味しく頂けましたが、ベテラン料理人のパパからすると「まだまだ甘い」との評価でした。
ここで、大姨娘の息子夫婦や老姨娘(母方の末妹)も加わり、またしても白酒飲み会に発展します。先日潰れたパパは大事をとってビールに。
その後、みんなでカラオケに行き、私も頑張って覚えた中国語曲を歌いまくりました。特に周华健の刀剑如梦という曲は「中国人でも歌えないよ!」とウケが良かったですね。
明日はいよいよママの出生地の「村」に向かうそうです。
見渡す限りの田園風景と田舎のコミュニケーション
翌日、曹甸から車で数十分の場所にある「村」に到着。田んぼと畑、それに井戸…やたらと懐かしいなぁと思ったら私の父の故郷の岩手県の農村にそっくりでした。
ここで親戚やご近所さんたちと挨拶していくのですが、パパが妙な動きを見せます。会う人会う人に羽田空港の免税店で買ったタバコを1本ずつ渡していくのです。聞くところによると挨拶がわりにタバコを渡すという郷里の習慣が今でも残っているそうです。
村の人々との会話は方言が強烈で私はほぼ100%聞き取れず、妻でさえところどころわからないと言ってました。でも妻は赤ちゃんの時にここで過ごしていたそうで、おじさんやおばさんたちにも大人気。たぶん「あんな小さかった子が立派になって〜」的な話をしている様子でしたが、途中からママが標準語に通訳してくれてからようやく会話についていけるようになりました。
ゆうどきにママと二人で畦道を歩いていると「田舎の暮らしってこんな感じだけどどう?」と聞かれたので「何もないけど、のどかだね〜」と答えると、「そう、何もないけど、朝起きて井戸水くんで農作業して遊んで疲れたらご飯食べて寝る。そんな生活が楽しかった」と。今もたくましくワイルドなママの性格はこの地で作られたんだなぁ〜と改めて実感。
翌日には村の人々も交えた私たち夫婦の歓迎会があるとのことで、一旦曹甸に戻ります。
夜には二姨娘が夜な夜な足を運んでいるという广场舞(公園の社交ダンス)に参加。
そんな楽しい夜がふけていく中、悲報が入ります。
「ダーイーフーが現地入りしたらしい」
明日の昼には食事会が予定されているので、当然白酒大好きダーイーフーが猛威をふるうことは想像に難くない。先日潰されたパパも怯えています。
※ダーイーフー登場回
翌日のお昼に、曹甸に住んでいる親戚や村のご近所さんたちなどが一同に会し、盛大な宴会が行われました。巨凶ダーイーフーも自前の白酒を持参して登場です。
集まった人々から「红包」といっていわゆるご祝儀をそれぞれもらったりして、とにかく飲めや食えやで楽しい飲み会に。やはり食事と酒は万国共通のコミュニケーションツールですね。
しかし、ここを乗り切ればなんとかなると思っていた私が甘かった・・
その後、一旦アパートに戻って休憩しているとパパが震えながら「ダーイーフーは今寝てるけど回復してまた夜戻ってくる・・・怖いよ!」と。こう書いてしまうとただのアルハラおじさんですが、ダーイーフーもお祝いの気持ちからで本当に酒好きなだけなのでなんとも・・パパには「僕が飲むから大丈夫よ〜」と伝えておきました。
夜には二姨夫(二姨娘の夫)も加わって再びお酒三昧。
なんと翌朝の朝食でもダーイーフーが飲み始めたのでさすがにアルコール中毒すぎやろ!とツッコミましたがどこ吹く風でした。
だんだん登場人物が増えてきて読者の皆様も混乱しているかと思いますが気にしなくて良いです。私もこの辺りから誰が誰だかわからなくなってきてます笑
次回、大姨娘の還暦パーティーがすごすぎた話!