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既に2024年のミュージカル作品No.1の予感『King&I』(王様と私)

こういう明日海りおさんが観たかった!

日本版が日本で上演されたのは2012年以来。
劇画やアニメなどの原作ものが乱立する今のミュージカル界でなぜ
この古典的名作を?と思っていた疑問は幕が開いたとたんに吹っ飛びました。

実は私が現役時代一番好きだったみりおさん主演作品はこのカリスタ。
もちろん悲劇的な役も似合うみりおさんですが、明るく爽やかで凛とした役を演じさせたらみりおさんの右に出るものはいないんじゃないかと思うくらいカリスタが大好きで。なんというかみりおさんは通った後に清々しい風が吹くような方。

そして『王様と私』のアンナ先生は退団後の一番のはまり役と言っていいのではないでしょうか?
輝くように美しく、健全な精神を持ち、未亡人になった後(しかも1860年代の物語です)当時のキャリアウーマンとして(+ワーママ)たくましくシャム(現在のタイ)で家庭教師をしながら明るく活き活きと生きているアンナ!
愛情深く王様(北村一輝さん)もすぐに魅了してしまうけれど決して言いなりにはならず自身の正しいと思うことを要望していく力強さもある。
現代に生きていてもきっとみんなからリスぺクトされて愛されて共感される女性像になっていて時を超えてこの作品のすばらしさを十二分に伝えてくれました。

王様役の北村一輝さんのなんとチャーミングなことよ

King&Iの王様といえばBW版の渡辺謙さんのイメージが強烈です。
そのイメージを見事に吹き飛ばした北村一輝さんの新しい王様!
とにかく”進化するために葛藤する”王様のお芝居の力が素晴らしいです。
勉強家で頭が良くて国と国民のことをいつも考えながら健全な判断を下そうとしているけれどやはり慣習や経験に囚われている点もあって、
人間らしくて、愛情深く、なんともcuteな王様です。

まるで夢のような「Shall we dance?」のダンスシーン

BW版の渡辺謙さんの王様は、アンナにダンスを申し込むシーンで
力強く、【Come!】と言ってアンナを引き寄せます。
北村一輝さんは静かに【踊ろう】と手を差し伸べます。
これがまたもうはああああああ~♡となってしまう優雅さ。
”男らしさ”とか”威厳”とかでは無く、思わず引き寄せられてしまうような
チャーミングな王様なんです。
北村一輝さんとみりおさんのダンスシーン、こんなステキなダンスが
舞台で観られるなんてもうこれだけで劇場に足を運んだかいがあったと
幸せな気持ちになりました。

”歌わない”小西遼生さんにもビックリ

ソロは1曲も無。ビックリです。でも歌わない小西遼生さんも新鮮でした。
また木村花代さんの王妃も本当にステキでした。
そして、チュラロンコン王子役の立石麟太郎さん、大物です。
単に歌が上手いだけでは無くお芝居も堂々たるもの。
立派な後継ぎになっているラストシーンは涙無では観られませんでした。
これからが楽しみですね!


舞台美術もダイナミックで豪華絢爛

王宮の大きな豪華なセットもあっと驚きましたが一番驚いたのが、銀橋!
とても効果的に銀橋も使っていました。

キャスト陣の心理的安全性が高い舞台は作品の質が爆上がる

もともと名作ですがやはり古典的なお話で、現代にこういうミュージカルがヒットするのか?と思っていた私が恥ずかしいほど
既に私の中では今年No.1のミュージカルの予感です。
派手なプロジェクションマッピングなどは一切使わず、すべてのキャストの
レベルが高く、主演のお二人の息がぴったりで、作品的にはラストは
王様は病気で亡くなってしまうのですが、次期国王がちゃんと王様の意思を継いで国を進化させていくことの意思を堂々と表明するという未来に希望を抱くことが出来るラスト。
お涙頂戴の悲劇として終わらせない。

ぜひぜひ同じキャストで再演希望です!このキャスト陣だからこそ名作を現代でも輝やくように表現できたのだと私は思います。

「王様と私」公演ドリンク(アルコール)1000円 爽やかで飲みやすかったです


音楽:リチャード・ロジャース
脚本・歌詞:オスカー・ハマースタインII
翻訳・訳詞・演出:小林香

キャスト

王様: #北村一輝
アンナ: #明日海りお
タプティム: #朝月希和
ルンタ: #竹内將人
チャン王妃: #木村花代
ラムゼイ卿: #中河内雅貴
オルトン船長: #今拓哉
クララホム首相: #小西遼生

公演スケジュール

2024年4月9日(火)〜2024年4月30日(火)
東京都  #日生劇場
2024年5月4日(土)〜2024年5月8日(水)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール


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