世界初演ミュージカル『この世界の片隅に』初日観劇を終えて
日本のオリジナルミュージカルとして息長く上演し続けて欲しい作品
ねたバレは有料記事にしますが、日本中にも原作の大ファンの方々がたくさんいる『この世界の片隅に』の初ミュージカル化ということで、普段舞台観劇をしない私の仕事仲間も「これは観たい!」と言ってくれて事前にチケットを予約してくれました。
日本の、呉と広島の戦時中の物語。
(原作を知っている方々なら当然分かっている話ですが)”戦争”が赤裸に描かれている物語では無い。
ヒロインはキラキラしたプリンセスでは無く”ぼーっとしている”と言われている浦野すずさん
パートナーになる周作さんも白い軍服の海軍士官などでは無い
もちろんワッカのドレスも出て来ないしシャンデリアも上から落ちてきたりしないw
第二次世界大戦は、ミュージカルファン大好き♪フランス革命と違って日本ではまだまだその痛みを深く負っている方々もいらっしゃるし、いつものミュージカルファンの方だと推しが出演していなければもしかしたら「ムーランルージュ!もっと観たいからチケット代金高いしセーブしよう、この世界の片隅にはパス!」かもしれません。
戦後の日本を描いた『生きる』というミュージカルの名作がありますが、『この世界の片隅に』は今後きっと『生きる』のように何度も再演されて私たちが大事なことを思い出す定石になるような作品だと思いました。
商業主義の観点からだけでは無く、日本のミュージカルとは?を忘れないために、上演され続けるべき作品です。
ミュージカル『この世界の片隅に』はすずさんの”居場所探し”の旅物語でもあった
もちろんミュージカルでも戦争の悲惨さ怖さを描く場面がありますが、それよりも絵を描くのが好きなすずさんが実家から北條家に嫁ぎ、なかなか子供が出来ないことで悩んだり、晴美さんの死、そして自身も右腕を失くしたこと、実家の両親が広島の原爆で亡くなったこと‥‥
自身の居場所がどこなのかが分からなくなってしまった、という場面から物語が始まります。
そしてこの物語の登場人物は全員かつて”居場所が分からなくなり”今は見つかって居たりまだ見つかっていなかったりする人たちです
現代の私たちにも本当にみんな自分の居場所が実感できてるのか?という問いが投げかけられます
どこで生きるかだけでは無く、誰と生きるか?何と生きるか?も
”居場所”の話ですよね
すずさんはそれを見つけることが出来ました。
世界初演初日の感動的なカーテンコール
水原哲役の小野塚さん、白木リン役の平野さんはWでカーテンコールに登場。その後に黒村径子役の音月桂さんが一人で舞台後方から登場した時に
割れんばかりの大拍手で迎えられました。
2幕で音月さんが歌う『自由の色』という歌の力と音月さんから始まって昆さんとデュエットする2人の歌の美しさとだんだんと見えて来る力強さに客席の感動は頂点に達したからです。
2回目のカーテンコールで(多分すずさんの兄役の)加藤潤一さんがMCを始めて→「多分みなさんお前誰なんだ?という感じだと思いますが」笑いを誘い、その後海宝さん、昆さんの順番でご挨拶がありました。
2人とも呉弁のイントネーションで「ありがとうございました」とお辞儀をし本当に周作さんとすずさんがご挨拶をしてくれた!という感動をまた味わいました。
その後、演出の上田一豪さん、音楽のアンジェラ・アキさんが袖から登場。
アンジェラさんがまっすぐに音月さんの居るところに歩いていって音月さんにハグをしたことがとても印象に残っています。
アンジェラさん「この楽曲は3年半前からずっと考えて考え続けて作って来た楽曲でそれが今日ここでこうやって作品として誕生した瞬間が本当に感慨深いです」と。
大千穐楽は物語の舞台である呉で
浦野すず(Wキャスト)
#昆夏美 大原櫻子
北條周作(Wキャスト)
#海宝直人 村井良大
白木リン(Wキャスト)
#平野綾 桜井玲香
水原 哲(Wキャスト)
#小野塚勇人 小林 唯
浦野すみ #小向なる
黒村径子 #音月桂
白木美貴子・・・すずの祖母
川口竜也・・・すずの父
加藤潤一・・・すずの兄
飯野めぐみ 家塚敦子 伽藍 琳 小林遼介 小林諒音
鈴木結加里 高瀬雄史 丹宗立峰 中山 昇 般若
古川隼大 麦嶋真帆
すずの幼少期(トリプルキャスト)
桑原広佳 澤田杏菜 嶋瀬 晴
黒村晴美(トリプルキャスト)
大村つばき 鞆 琉那 増田梨沙
#アンジェラアキ
#上田一豪
#ミュージカル
#この世界の片隅に
#日生劇場
全国ツアーは
札幌、岩手、新潟、長野、大阪、愛知、水戸、呉
【ここから有料記事】二村周作氏の舞台美術が素晴らしかった
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