『芭蕉通夜舟』@紀伊國屋サザンシアター 内野聖陽さんが綴る芭蕉の生涯
一人芝居だけれど一人で舞台に立っているわけでは無い
”ほぼ一人芝居”とはなんだ?w
観劇前のナゾ!内野さんだけでは無く他にも出演者は居ます。
ただなぜ”ほぼ一人芝居”か?と言うと、内野さん演じる芭蕉は他のキャストとは”会話”をしないからです。
他のキャストの方々は時にはストーリーテラーになったり、舞台上で小道具を操ったり、コロスのような役割も果たします。
敢えて、だとは思いますが内野さん(松尾芭蕉)以外のキャストは現代のカジュアルなファッションというか衣装。
正直、あの”敢えて”の現代カジュアルファッションである必要はあまり感じられませんでした。(再演ものなので初演からの伝統なのかもしれません)
※10/20追記→朗唱役(というそうです)の方々の現代カジュアルファッションは2024年版からだそうで過去公演は黒子だったとのこと。そっちで観たかったなあ。異化効果を狙ったのでしょうか?
ラストの「芭蕉通夜舟」の場面は4人とも黒子であのシーンはとても情緒と哀しさがあり印象に残りました。
100分ノンストップで内野聖陽さんが客席を惹きつける
松尾芭蕉19歳~40年後までの生涯を活き活きと、人間らしく魅せるのはさすが内野さん。
”言葉”を勝手に解釈して曲げて伝えていってしまう人間の愚かさは現代にも通じる点です。
内野さん演じる松尾芭蕉は自問自答の中で言葉の意味を深く考えて自身の生き方に活かす。
しかしながらミーハーな大衆は自分の価値観や解釈で言葉の意味を決めつけて伝聞していくうちに芭蕉が表現したかったものとは大きく違ったものにしてしまう。まるで現代のSNSを皮肉っているようです。
劇場では内野さんが描いたイラスト入りのTシャツも販売
1人1枚の制限付ですが買うことが出来ました。販売前に観劇された方は観劇後の半券を持参すれば購入可能だそうです。
東京は10月26日(土)まで。前売り券は完売のため若干の当日券あり。
この後全国ツアーもあるのですね!
■作 #井上ひさし
■演出 #鵜山仁
■出演 #内野聖陽
小石川桃子 松浦慎太郎 村上 佳 櫻井優凜
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?