山本耕史さん26年ぶりにマークとして生きる「RENT2024」日米合作BWミュージカル
SNSでは「全員海外キャストだと思ってたら山本耕史??!!」という投稿も
”英語”には標準語は無く(いわゆる”東京弁”とか”関西弁”みたいなものはあります)「RENT」の登場人物たちもさまざまなクセのある英語を話します。
山本耕史さんはある意味唯一の日本人キャスト。MUSIC FAIRでも「この作品は日米合作と謳っているけれど結局”日本”はボク1人で背負ってる気が」と苦笑いされていたように、JAPANからはもう一人クリスタルケイさんが出演しているもののケイさんは英語スピーカーだし、英語がnativeでは無いのは山本耕史さんのみ。
耕史さんは口が小さいから英語は正直聴き取りづらかったりはします。しかしながら、thの発音やcの発音がパーフェクトでイントネーションもとても自然。なによりも英語を話しているから人格がいきなり変わるようなことも全く無く表情と言葉が融合していて感情がちゃんと伝わって来る。素晴らしいです。
観劇しながら当然全員海外キャストだと思っていてよく見たら耕史さんで驚いたという投稿も見かけました。そのくらい自然にカンパニーに存在している姿にも感動しました。
前に一度「RENT」は観たことがあったがその時とは印象が全く違った「RENT」2024
私は初演は観ていません。ただいつ観たのか?忘れたくらい昔に一度だけ恐らく来日版を観に行ったことがあります。その時は正直1度観て「この作品は好みでは無い」と思ったのでその後は日本で上演されても観に行くことはありませんでした。
私が観た当時でもHIVは死病では無くなっていて作品が既に古く感じたことと、当時今よりも真面目なクリスチャンだったのでその当時の作品のセリフの中に結構神を冒涜するセリフが出てきてそれがイヤだったからです。
HIVの悲劇が強く印象に残ってしまうような当時の演出だったかもしれません。
「RENT」2024もオリジナル演出がベースなのでそれほど大きな変更があったとは考えづらいのですが多分私の気持ちが変化していたのだと思います。
貧困、病気、性的マイノリティなどに鬱屈とする人たちがあがきながらもどう生きていくのか?がストーリーとして今回は強く印象に残りました。
その理由がマーク役の山本耕史が舞台で表現したマークの生きざまがとても印象的だったからだと思いました。
正直ロジャーとミミのインパクトは少し弱くて残念
ハンサムなロジャーとキュートなミミ。ビジュアルは素晴らしかったけれど、「RENT」のメインストーリーはロジャーとミミのラブストーリーでもあるのでそれを考えると歌のインパクトが少し弱かったのが残念。どうしても耕史さんのマーク、モーリーンのクリスタルケイさんの華とオーラが目立ちます。ロジャーとミミにもあの二人とスパークできるくらいの歌や芝居の強さが欲しかったなあと思いました。
ミュージカル「RENT」が上演され続ける意味
人はみな悩む。それぞれ事情を抱えていて生きている。
そんな作品の中の登場人物にだれでも共感できるからなのではないでしょうか?
そして人は独りでは弱い。ブレるし間違える。簡単に成功もしない。
かといって集団になったら強いか?と言われるとある一定の目的と方向性が一致している時は強いがそれを見失った時は集団でもまた弱くなる。
エンジェルによって寄り添えた人たちも、エンジェルの死によってまたバラバラになり、ミミの危機によってまた寄り添い始める。
(でも2幕のラストの光景がそのまま続くとは思えない・・・)
”人間らしさとは?”を思い出せるミュージカル。
2026年にはシアタークリエで(東宝制作版)日本人キャストによりまた再演があるそうです。
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