【いただきます、ごちそうさま。】
幡野広志氏の写真展を見に行った。
1ヶ月ほど開催されていた、この写真展。
私が幡野さんを知ったのはTwitterだった
フォローしている人が幡野さんのツイートをリツイートした。
「僕、ガンになりました。」唐突に始まるこのブログを見て
幡野さんの考え方や言葉をもっと知りたいと思うようになった。
そんな中、開催された今回の写真展。
幡野氏は猟師として、狩猟現場を撮り続けてきた写真家。昨年11月、34歳の若さで末期ガンを宣告され、今年の2月には鉄砲を処分して狩猟を辞めている。狩猟を通し、動物の死と対面し、現在は自分の死と向き合いながら写真を撮り続けている。
普段の生活で食べている、肉や魚。
とんかつは最初から衣がついている訳でもなければ、スライスされているわけでもない。
ツナ缶だって、最初から缶詰に入っている訳ではない。
鶏の首を刎ねると、しばらくは頭のない状態で走り回るらしい。
マグロも鮮度を落とさないように、釣り上げられたときに脳天に細長い鉄の棒を刺す。
そうすると、暴れることなく一瞬で絶命する。
マグロの延縄を経験した時、マグロが〆られる光景を見て可哀想と言っている人がいた。
数日後、刺し身になり食卓に上がったマグロを美味しいと食べていた。
生きている鶏の首を刎ね、羽をとり、捌くことを一部の人は残酷だというだろう。
スーパーで売られている鶏肉を唐揚げにすることを残酷だという人はどれほどいるだろうか。
私は今回の写真展を見て、普段目を背けている、見ないようにしている部分に少しだけ触れることが出来たと思った。
「いただきます、ごちそうさま。」この言葉について。
その食材の命を私の生命にさせていただきます。
と、
その食材を採って(捕って)もらった人に感謝します。
という意味で解釈すると。
食べ物という生きる糧を一層、深く考えられるのだろうと思う。
今日も明日も、「いただきます、ごちそうさま。」