【初恋】あらすじを三幕構成で読み解く
一幕
天涯孤独の身で新進気鋭のボクサー・葛城レオ(窪田正孝)は、試合でまさかのKO負けを喫し病院へとかつぎこまれる。そして医師から自分の余命がわずかであるという事実を突きつけられる。
ヤクザの下っ端の加瀬(染谷将太)は組で売買している麻薬を、シノギで売春させている家出少女・モニカ(小西桜子)に罪をなすりつけて、横領する計画を悪徳刑事・大伴(大森南朋)に持ち込む。
二幕
自暴自棄になりながら歌舞伎町の街を歩く葛城の目に男に追われる少女モニカの姿が飛び込んでくる。ただごとではない様子から葛城が反射的にパンチを食らわせた男は、ヤクザと裏で手を組む悪徳刑事・大伴だった。モニカは親の虐待から逃れるため歌舞伎町に流れ着き、ヤクザにとらわれていたという。葛城は彼女を救うことを決意するが、その選択は葛城がヤクザと大伴から追われる身となることを意味していた。
加瀬はモニカの大家で麻薬を預かっていた男を誤って殺してしまい、男の愛人ジュリ(ベッキー)とヤクザから追われる身になる。一方でヤクザと勢力争いしていた中華マフィアはこれを好機と捉えて麻薬とモニカを追う。大伴と合流した加瀬は成り行きで葛城とモニカも連れて逃げる。
深夜のショッピングセンターで主人公グループとヤクザと中華マフィアとの三つ巴の大死闘が始まる。
三幕
最終的に葛城とモニカとヤクザの権藤(内野聖陽)だけが生き残る。現場を包囲した警察から車で逃走する。致命傷を負っていた権藤は車から葛城とモニカを降ろして、一人で追手の警察パトカー集団を連れて逃走する。運転しながら意識を失っていく権藤。
脳腫瘍が誤診だったと知らされた葛城は再びボクシングに精進するようになり、モニカは辛いリハビリを乗り越えて、都内に二人で静かに暮らすようになる。
FIN
▼解説・感想:
2020年公開。ネットフリックスで観ました。
タイトルとは裏腹に中身はギトギトに脂ぎったノワール映画でした。プロットが面白いなあと思っていたら、三池崇史監督のオリジナル脚本だということで、こういう秀逸なオリジナル作品に出会えるのは嬉しいですね。
窪田正孝や染谷将太の熱演も良かったですが、やはり白眉なのはベッキーの怪演でしょう。まだ「ゲス不倫」の影響で地上波テレビに復帰できていなかった時期ゆえの逆転を狙った意欲作だったのでしょう、リミッターが外れたバカ女の演技が素晴らしかったです。
(了)
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