私が『ジュラシックワールド新たなる支配者』を褒める理由(よかったポイント集)
かなり良かったと思います。私の評価は「ほぼ最高に近い」です。
予告編の通りだったから私は大満足なのです。
ちゃんとヒトが食われてたし…
イナゴの大群は予告されてたでしょ。(笑)
▼大型フランチャイズ作品の責任は果たした:
SNSではアレコレ文句を言ってる人が居るようですが、あえて強弁しましょう。そんなのは、予告編を読み解くリテラシーが無い人と、第1作しか認めない厄介者と、最初からディスるつもりで観てたクソ野郎、の3パターンの内のどれかでしょう。違うのでしたらどうぞ名乗り出てください。(笑)
予告編から読み解けなかった人達だけは救いようがありますね。もっと映画の経験値を蓄えれば、予測できるようになりますよ!
この作品が「ダメだ」とか「寂しい」とか言ってる人達に聞きたいのですが、だったらどうすれば良かったのか提案してほしいです。(なお私は先日の記事で既に提案していますので興味がありましたらそちらもどうぞ)
もちろん全てが完璧だったとまでは私も言いません。微妙だった箇所はいくつかありました。でも、それが何だって言うのですか?あれだけ恐竜たくさん出てきて、往年の名シーンの再現もあって、何が足りなかったんですか?
この映画は加点方式で観るのが楽しむためのコツです。
というか、そもそもハリウッドの人気フランチャイズの最新作に減点方式で臨むのは控えたほうが得策でしょう。巨大な金額を大量の人達が動かしているんです。どうしたって丸くなりがちですから、こだわりが強い人ほど裏切られるリスクが高まります。(苦笑)
いまの映画界ではワイルドスピードだってミッションインポッシブルだって人気フランチャイズはこうするセオリーしかないんです。作品を重ねるたびにアクションをどんどん増やして、内容をエスカレートさせて、勢いだけで突き進むんです。ジュラシックとてそうなるであろうことは、そこそこの映画通なら予想できたことでしょう。
いや、そもそも『炎の王国』を忘れたんですか?第5作があんな作風だった時点で、普通に進化すれば第6作がどうなるかは十分予想できたでしょう。ゼニガメはカメックスになることはあってもリザードンにはならないんですよ。それとも何を根拠に、これまでの流れを断ち切って、監督でも脚本でもプロデューサーでもない名もなき消費者であるアナタの求める形に変えてくれると期待していたんですか?
だいぶ煽ってしまいましたが、Twitterでドヤ顔で不満を表明している映画ファンの人達に対して言えることは、結局はそれに尽きるんですよねー。
映画を観に行く前にあまり具体的に理想像を決めない方が良いと思います。どんなものを見せてくれるのかなー?くらいで気楽に観た方が、楽しんで受け止めやすいですよ。もちろんそれでも品質があまりに低くて見るに耐えないケースはありますが、『新たなる支配者』はそんな低レベルの映画ではなかったです。少なくとも予告編詐欺はありませんでした。
▼楽しかったポイント:
以下は #ネタバレ を含みますのでご注意ください。
終盤のシステム再起動とブルー救出のミッションが同時進行する場面では、それぞれを赤と青のライトでカラーを統一していて面白かったです。ちょっと『テネット』みたいでしたね。(笑)
クレアが顔の半分を沼(川)に浸る場面は『ランボー』か『地獄の黙示録』みたいで格好良かったです。シュワちゃんの『プレデター』なみに匍匐前進が上手くて笑えました。
社長の名前がドジスンってかなり早い段階でテレビのニュースで出てきますが、その時点でニヤリとした人達、私の仲間です。(笑)
オーウェンが飛行機に乗ってすぐに無線器を頭につけるのは完全にガーディアンズオブギャラクシーでしたね。すぐに「壊れてるわよ」と言われて外すところまでセットで。(笑)
マルコム博士、シャツのボタン、セクスィー!(北村一輝)
BGMは微妙だと感じました。全体的にあまり悪い箇所はなかったのですが、新旧キャストが集合した瞬間に「ここぞ」とばかりにメインテーマが流れた時にはこっちが恥ずかしくなりました。人間じゃなくて恐竜に使えや。(笑)
なんというかクライマックスのTレックス対ギガノトサウルスは、もう完全にゲーム版のバトルアリーナなのよ。これはトップガンマーヴェリックの作戦説明シーンでも感じたことだけど。(笑)
ディロフォサウルス対ドジスン、完全にネドリー再現してる件。
石畳の旧市街地をバイクで疾走するのは…トムクルーズ?
誘拐される子供を見かけただけで善意が湧いて正義の行動に出る良きアメリカ人、これがアメリカ映画の醍醐味だぜ!(笑)
マルコム博士、今度のたいまつ誘導は失敗しないぜ!(笑)
『新たなる支配者』でもちゃんと入れてきましたね、同性愛におわせ!ドジスンとラムジーの最後の会話は、そんな感じでしたね。「君だけは信じてたのに!一緒にやり直せると思ったのに!」(笑)
▼少し考えもののポイント:
微妙だった、というか自分の中で議論になった点も書いておきます。
●遺伝子操作の功罪
物語のオチが、DNAを書き換えて食害イナゴを淘汰する、というのはちょっと笑えない気がしました。それを「善良なチャイニーズ」がやっているという点も。…というのも、これは現在の新型コロナウイルスを意識せざるをえないじゃないですか。元はと言えば、武漢の軍事研究施設で遺伝子操作したウイルスが漏れたと考えるのが一番辻褄が合うのに、確定的な証拠が出てこなかった(と中国共産党が主張してWHOも認めた)から、世界がお情けで「武漢ウイルス」とは呼ばずに「COVID19」にしてやってるだけなのに、映画ではチャイナ出身の科学者が自分で招いた災害を自分で片付けたのがさも世界を救う美談のように語られるとか、一体どんなマッチポンプだよ、うぜえぞ。という感情を抱いてしまいました。
関連してmRNAワクチンもまた遺伝子操作で生成される物なので、仮にも遺伝子操作の結果が世界を滅ぼす脅威になるというシナリオは、ちょっとそういう現実世界の闇の部分にリアルすぎる作品になってしまっていたと思います。夢を語るフランチャイズとしては、地球規模の災害と遺伝子操作を直接関連づける脚本はあまり良い選択ではなかったかもしれませんね。
ただし、トレヴォロウ監督なりの社会派メッセージを忍ばせたと肯定的に受け取ることもできます。私の中でも賛辞と批判の対立する二つの意見が共存する状態です。アンビヴァレント。いずれにせよ議論になるのは、芸術としては素晴らしいことですね。
●苦労したと思われる編集
おそらく撮影/編集の段階で脚本が二転三転したものだと推測されます。後半の、特にギガノトサウルスとの戦いの後で高所の施設に主人公たちが逃げ込んでからは、その後の位置関係や移動の有無が分かりにくく、物語が今どこで展開しているのかばかりが気になって物語にあまり集中できませんでした。ここは申し訳ないけど、唯一の減点ポイントになってしまったかなと思います。全体的には加点方式でも、ここだけはちょっと見過ごせませんでした。
上映時間が長くなりすぎて公開済みだったプロローグが削除されたのも残念でした。あれは『2001年宇宙の旅』を意識して最高の仕上がりだったのに。ラストバトルでギガノトサウルスへの雪辱を果たすTレックスの伏線にもなってたのに。
幻になったオープニング映像。ブルーレイにはこちらのバージョンで再生できるように収録して欲しいところです。
●戸田奈津子が最大の『化石』だよ
戸田奈津子のクセ強い字幕翻訳が非常にノイズでした。最近の氏の担当作品では007でもトップガンでも監修が付いていたおかげでまだ観れたのですが、本作は誰も付いておらず、野放図にやらせた結果がアレですよ。本当にうんざりすることが何度もありました。かなり自我の強い翻訳が多いと感じました。
最後のエリーの台詞なんか普通に「一緒に来る?」でええやろ。ことごとく会話のニュアンスを自分色に染めてくるのが本当にウザイです。こんなことあまり言ってはいけませんが、仕事の品質が低いのは事実なので、そろそろ自分が化石だと認識して大人しく絶滅していただきたいです。
今後の起用停止をユニバーサルに署名活動したいレベルです。本作については細かいのが多くて覚えきれませんでした。…というか、つまらないことは覚えていてもつまらなくなるので多くは忘れてしまいました。…というか、私の場合はほぼ読んでなかったというのが正しいかもしれません。なぜユニバーサルは映画ファンにここまで辛い思いをさせても平気なのか、理解できません。もういいかげんにしてほしいです。
映画の減点対象にはしませんが、クソ品質な字幕のせいで満足度は大幅に下がっていたことだけはお伝えしておきます。
了。