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【ハリー・ポッター】新作ドラマでスネイプ先生を黒人にするべきでない理由【ポリコレ】
ドラマ版「ハリー・ポッター」のスネイプ役が黒人俳優になる可能性が急浮上してきました。
▼報道された内容:
12月5日までに米THR誌は「オファーは出た」と報道しました。一方で米デッドライン誌は「契約交渉さえ始まってない」と報道しています。
ドラマ版「ハリー・ポッター」スネイプ役候補が判明
2024年12月5日 10時33分
米HBOが制作するベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズ(全7巻)のドラマ版で、セブルス・スネイプ役の候補として映画『MEN 同じ顔の男たち』などのパーパ・エッシードゥ(34)の名前が挙がっているという。
The Hollywood Reporter は、本格的な交渉が始まっているかは不明だが、すでにオファーは出されていると報道。一方、DeadlineはHBOが関心を持っているのは事実としながらも、正式なオファーは出されておらず、契約交渉も始まっていないと伝えている。
パーパはロイヤル・シェイクスピア・カンパニーでキャリアをスタートさせたイギリス人俳優で、「I MAY DESTROY YOU/アイ・メイ・デストロイ・ユー」「ギャング・オブ・ロンドン」「ラザロ・プロジェクト 時を戻せ、世界を救え!」「ブラック・ミラー」といったドラマに出演してきた。ホグワーツの魔法薬学教授であるスネイプは、ハリー・ポッターにとっては憎らしい存在ながら、彼と並び“もう一人の主人公”といっても過言でないほどの重要なキャラクター。映画シリーズでは故アラン・リックマンが見事に演じたことで知られており、パーパが新たなスネイプ先生となるのか注目される。
もしかしたらワーナーは世間の反応を見るために、マスコミにわざと異なる情報をリークした可能性もあるかもしれませんね。
▼SNSの反応:
J・Kローリングはキレていいと思う
ポリコレキャスティングにはウンザリ!
いい加減にしろ!
制作陣狂ってるのか?
スネイプ先生見たことあるか?
別の記事だが作者もアラン・リックマンがお気に入りだった
>ローリングはシリーズ完結の際、アランさんに「ありがとう。わたしの最も複雑なキャラクターを正当に演じてくれて」という感謝の手紙を送っている。
それなのにこれか
SNSでは拒絶的な反応が多数派のようです。
私も概ね同感です。
スネイプにアフリカ系の起用は無いわー。
しかし、中にはこんな擁護コメントがありました。
「映画版”ハリーポッター”のドラマ化」だと勘違いしてる人多すぎないか…
原作のスネイプの容姿への言及って
“His hair was greasy and black, and it hung in curtains around his face. He had a hooked nose and sallow skin.”程度だからそれを満たしてれば誰でもなりうる訳で
dark skin かつ sallow skinをどう表現するかはあるけど、何か特定の色を指すというよりは不健康そうな/血色悪そうな見た目であることを指す語だから別に違和感はないよな
…てゆうか、文末に句点(。)くらい付けろよ、読みにくいんだよ!…こうやってマルハラに過敏に反応して、びびって長い文章でも句点を付けられなくなるタイプなので、この人は脳内がお花畑なのかな、とも推察されますね。まあ、それは本題と関係ないから、今はどうでも良いので、これ以上は脚注に回して、今はスネイプ先生の肌の色の話題に集中しましょう。
▼白と書いてなければ黒でもOK?
なるほど。「スネイプ先生の肌は白い」と原書には書いてないと了解しました。私は原書を読了してないので実際のところは判別つきませんが、一旦はこの人(SEAN)の言ってることを信用しましょう。
しかし、そうなると次に知りたくなるのは、黒人キャラは肌の色に言及しているのかどうかです。そちらのキャラは褐色肌だと明記してるのにスネイプは褐色肌であると一切言及してないならば、スネイプ黒人OK説は強弁だと言えるでしょう。
ルールブックに書いてないから反則ではないだけ…という印象ですね。
牛丼屋で紅生姜と七味唐辛子は無料だから、というだけで非常識なまでに山盛りする人って居ますよね。そんな印象を受けます。
公職選挙法で政見放送や選挙ポスターの内容には何も制限が明記されていませんから、というだけで当選する気もないのに自身の主義主張や売名行為のために立候補する人って居ますよね。そんな印象を受けます。
そういう品性の悪さが、このアフリカ系の俳優の起用からは感じ取れて、なんか嫌なんですよね、私は。しかも、それをハリーポッターというコンテンツでやられると、殊更に。
▼作品がポリコレに搾取される:
これは私の推察ですが、原作者はハリーポッターという小説が、様々な言語に翻訳されて世界中の国で読まれることを想定(願望)して、敢えて原書では肌の色や人種の記述は避けたのかなと思われます。
遠いアジアの国々やアフリカの国々の小学生がこの小説を読むときには、彼らがイメージしやすい人物像を頭の中で思い描きながら、物語を楽しんで欲しいという、作者の優しさがあってこその表現だったのでしょう。
それをいいことにドラマ制作者は、舞台が古めかしい英国をモデルにしてるのに、現代社会の「リベラル思想的な常識=多様性」に当てはめて有色人種をどんどん突っ込んでるのかな…というのが私の現時点での感想です。
この話題については、『力の指輪』に黒人エルフが出てきた時にも同じようなことを長文で書きました。
トールキンがレイシストでなくとも、世間の空気に流されて、現在の基準ではポリコレに反する物語を書いた可能性は十分にあります。北に住む高貴で美しいエルフと、南から来た下賤で汚いオークという対比は、そのまま当時の白人と黒人のイメージ(典型的な人種差別)に適用できます。
中つ国をヨーロッパ大陸に見立てたとき、南岸に位置する有力国家ゴンドールはローマ帝国で、エルフの裂け谷は北方のゲルマン諸国家、オークのモルドールは南東のペルシャ/オスマン帝国にあたり、指輪戦争はペルシャ戦争や十字軍遠征を想起させます。トールキンも完全に見立てて書いたのではなくて、そのような歴史的背景にふわっと重ねることで読み手が思い描く情景を豊かにするという効果を狙っていたものだと思われます。
原作者(トールキン)はエルフの肌の色を明記しませんでしたけど、それは書かなくても読者みんなが察することが出来るからです。
それを後の世代の人達が自分たちの利益に繋げるために、現代的なポリコレに合致するように、文言を都合よく解釈してるだけでしょう。
▼SEANが反論してきた:
私の引用ツイートにSEANが反論してきました。
しかも深夜の2時に。(笑)
なるほど。「スネイプ先生の肌は白い」と原書には書いてないと一旦理解した。次は黒人キャラは肌の色に言及しているのかを知りたい。そちらは褐色肌だと明記してるのにスネイプは一切言及してないなら、やっぱり強弁ではあるよなーと思う。ルールブックに書いてないから反則ではないだけ…という印象。
ディーントーマス(黒人)然り、ドラコマルフォイ(白人)然り、特定の人種であることが言及されているキャラクターはいるので、そうでないキャラクターを勝手に白人と決めつける方が違和感ですね…
原作者も同様の認識でハーマイオニーを黒人が演じた際はこのように仰ってますし
J.K. Rowling 2015年12月21日
Canon: brown eyes, frizzy hair and very clever. White skin was never specified. Rowling loves black Hermione 😘
ディーントーマス(黒人)然り、ドラコマルフォイ(白人)然り、特定の人種であることが言及されているキャラクターはいるので、そうでないキャラクターを勝手に白人と決めつける方が違和感ですね…
— SEAN (@NYCPSurinvited) December 5, 2024
原作者も同様の認識でハーマイオニーを黒人が演じた際はこのように仰ってますしhttps://t.co/RjyGl5TzZ3
だから句点を付けろよ、読みにくいんだよ。(苦笑)
文末を「…」で終わらせるのも反論で使うのは卑怯ですね。このような「まだ言ってないことがあるけど言わずに、相手の行間を読む力に任せる」のは、甘えた態度であり無責任です。
全く不愉快ですね。相手を言い負かしたい時は最後まで自力で言え。ネットで議論するときに、自分の意見を最後まで言い切らない人間を、私は基本的に信用しません。
しかも、この人は、たぶん私の引用ツイートに私がリプライをつけてツリーにしてある主張(作者が肌色に言及しなかったのは世界展開を見据えてだったが、それをポリコレ重視のリベラル勢力が悪用している)を最後まで読んでない可能性もあります。率直に言ってSEANって奴はノータリンだな、と私は感じました。(個人の感想です)
ここからは内容について、一つずつ反論していきます。
▼SEANに再反論してみた:
まず、「勝手な決めつけ」というのが、全くの心外です。
舞台が《英国に代々伝わる魔法学校》なら登場人物は基本的にアングロサクソン系だと想定するのは常識的な反応でしょう。だから作者はわざわざスネイプは白人だと明記しないし、逆に外見が個性的なディーンは黒人だと明記したんじゃないですか。
映画を観て白人だったから白人だと決めつけてるんじゃねえんだよ。
舐めんなよ。
そして、ディーントーマスが黒人だと明記されていることが、まさにスネイプは黒人では無いことの最大の論拠となります。これは流石にSEANも理解してると思うので、自分に不利な情報でもフェアに提示してくれたことは誠実だと思います。これについては、情報提供、ありがとうございました。
次に、SEANが引用してるJKローリングの言葉は逆効果です。
原作者がブラックハーマイオニーにOKを出したのは2015年に舞台版で展開された続編『呪いの子』に際してのコメントですから、映画やドラマとは全く異質です。
そもそも舞台というのは映画やドラマと異なり「その場で演じるもの」であることを客もよく意識して観るものです。
例えば宝塚では女性が男性役もやるし、アジア人がフランス人を演じます。歌舞伎では男性が女性や狐を演じることもあります。そして舞台も実際にロケーションして実物と完全一致を目指すのではなく、開けた空間にハリボテの木や建物を配置して、そこが今は劇場とは異なる空間であるという見立てを観客も同意して観るものです。
このような表現形式において、俳優の肌色や人種はほとんど意味を持たなくなります。だからハーマイオニーがアフリカ系でも全く問題ないし、そもそも全てのキャラが黒人でもOKなのです。
だから作者が「ハーマイオニーは黒人でもOKです」と公言するのは、「私は酸素を吸って二酸化炭素を吐いています」と告白するのと同じくらい無価値です。(笑)
さらにもっと踏み込むと、、、
ハーマイオニーはマグル出身でまさに人種に関するコンプレックスや差別を抱えたキャラでした。そんな人物だけ黒人にしても良いんですかね?『呪いの子』はハーマイオニーが成人してからの物語なので小説本編であったようなマグル差別の描写があるのか知りませんが、魔法使い側から見て「劣った種族であるマグルを黒人俳優が演じる」って捉え方次第では、不適切にも程があるということになりませんかね。
もし『呪いの子』で「私がマグルの生まれだからハリーの子供が悪い子になっちゃったー」って白人俳優に囲まれた黒人女優が泣いてたら、演出家は相当ひどいことをしてるなあ、と私だったら思いますよ。(苦笑)
そして、非常に興味深いことに、ブラックハーマイオニー大好きと書いた作者のツイートには「でも、ハーマイオニーの顔は白いって書いたのはあなたじゃん」と無数のツッコミが入っています。証拠写真を添付しているものもあります。
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なんかここまで来ると、私はもしかしてJKローリングはそこまで見越して、ブラックジョークとしてハーマイオニーは黒人女優でOKと(一見わからないように)皮肉を書いていた可能性だってワンチャンあると思いますね。
少なくとも、そういう悪意のある解釈をされてしまうリスクがあることを、JKローリングが気づいてなかったとは到底考えられません。
本当はこのくらい深くまでSEANとも議論できれば良かったのですが、SEANは下記のリプライに一切反応しないで逃げてしまいました。ガッカリです。
(苦笑)
勝手な決めつけとは心外ですね。
舞台が《英国に代々伝わる魔法学校》なら登場人物は基本的にアングロサクソン系だと想定するのは常識的な反応でしょう。だから作者はわざわざスネイプは白人だと明記しないし、逆に外見が個性的なディーンは黒人だと明記したんじゃないですか。
以下、引用。
たぶん様々な言語に翻訳されて世界中の国で読まれることを想定(希望)して、敢えて原書では肌の色や人種の記述は避けたのかな…と推察される。
それをいいことにドラマ制作者は、舞台が古めかしい英国をモデルにしてるのに、有色人種をどんどん突っ込んでるのかな…というのが私の現時点での感想。
噛み付いてくるなら、最後までやりきる覚悟や根性、あるいは間違った発言をしたと感じたら謝罪するくらいの誠実さは持って欲しいものです。
▼スネイプ白人説の証拠があった:
さて、非常に有難いことに、私のツイートにスネイプ白人説の有力情報をタレコミしてくださった人が居ました。
日本語版だと顔が紅潮したスネイプに関して「腐った牛乳(みたいな顔色)」という記述があるのですが、これは原書にはないのでしょうか?
牛乳にたとえられてる時点で白人想定で描かれてるキャラじゃないかなと思うのですが…
相手に反論とか言い負かすとかじゃなくて、一緒に同じ意見について考えを深めたい時は、文末「…」で頼るのは、有りだと思いますよ。(優しい微笑み)
私は10年ほど前に3巻の途中まで原書で読んだのですが、そんな記憶はありませんでした。そこで、試しに「rotten milk」で検索したら3巻の14章に見つかりました。惜しい、あともう少し読み進めていれば!(笑)
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Snape's sallow skin had gone the color of sour milk.
スネイプの黄ばんだ肌は酸っぱい牛乳のような色になっていた。
日本人は乳製品に内臓が弱いし、冷蔵庫の管理が生産から流通販売そして家庭での保管まで慎重にしている所が多いので、「酸っぱい牛乳」を飲んだ経験がある子供は少ないと考えて翻訳者は「腐った牛乳」と意訳したのでしょう。
いずれにせよ、作者は「牛乳の色」と書いてるので、作者が執筆していた時点でのイメージは白人、少なくともアフリカ系ではないのは明らかだと思われますね。褐色肌の人がどれだけ具合が悪くなって血の気が引いても、流石に牛乳みたいな色にはならんて。(苦笑)
ちょうど良い機会なので、スネイプの肌色によく使われるsallowという形容詞にも着目しましょう。こちらは「不健康になって黄ばむ」という単語だと辞書には書いてあります。
sallow
英英辞典
adjective: (of a person's face or complexion) of an unhealthy yellow or pale brown color: his skin was sallow and pitted | [in combination] : sallow-faced addicts.
形容詞:(人の顔や顔色が) 不健康な黄色または薄茶色: 彼の肌は黄ばんで穴だらけだった | [組み合わせて] : 黄ばんだ顔の中毒者。
英和辞典
形容詞:〈顔・肌が〉黄ばんで不健康な.
こういう時に便利なのが画像検索です。知らない単語や意味がわかりにくい単語は、その単語で画像検索をかけると結構イメージが持ちやすくなります。
sallow skinで画像検索しても黒人はあまりヒットしません。
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なるほど、白人(もしくは日本人でも良いのでかなりメラニン色素が薄い人)じゃないと、血の気が引いたときにこのような変化は起きないと思われます。だって有色人種は最初から黄色いですから。重要なのは「健康な状態から変化して黄ばんでいる」という感覚です。なのでやはり褐色肌では考えにくいですよねー。
これは普通の日本人が「不健康そうな顔色」という文字だけを読んでいては、まず把握できないイメージだと言えるでしょう。
ということで、上記で引用したSEANの主張はほぼ論破できてしまったように思えます。(苦笑)なんせローリング本人が原書でミルク色だと書いていたのですから、これはもう「確実な証拠」ですよ。
繰り返しになりますが、作者は、小説執筆時には特に言及がないキャラは白人のイメージで、他国版や舞台版などで二次創作される際には自由な改変を認めるスタンス、なのだと思います。現に、日本で『呪いの子』を上演した時には出演者が全員アジア系に「人種改変」されたわけですから。
でも映画やドラマは演劇と異なり写実的に作るのが一般的ですから、仮にも「原作に忠実」を標榜する映像化であるならば、登場人物の人種レベルでの不一致は気になって当然と言えるでしょう。
新作ドラマ版のスネイプも白人か、せめて中東系の顔をした俳優になったら良いですね。
最後に、JKローリングが描いたスネイプのイラストを貼っておきます。
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私はこれを見て、ローワンアトキンソン(Mr.ビーン)と少し似てると感じました。ああいう気難しくて偏屈そうなオジサンのイメージだったんでしょうね、少なくとも執筆してる時点では。
▼要点まとめ:
長くなったので、短文でまとめる。
・舞台が「英国に代々伝わる魔法学校」なら普通アングロサクソンやろ。
・JKローリングは黒人キャラはわざわざ肌色に言及してる。
・黒ハーマイオニーは舞台版の女優の話。
・黒人にマグル差別を演じさせてるのエグいけど大丈夫?(苦笑)
・JKローリングは3巻でスネイプの肌はミルク色と書いてる。
・sallow skinは白人のような色素が薄い前提の形容詞。
・JKローリングが寛容なのは二次創作における改変である。
・新作ドラマは「原作に忠実」を標榜している。
・SEANは反論せずに逃げた。
⇒結論:スネイプを演じる俳優に、アフリカ系は好ましくない。
(了)
◆脚注:
これは余談ですが、マルハラに関する補足を書きます。
句点(。)をつけることをマルハラと言うらしいけど、私からすれば文末に句点をつけない方が読みにくくて逆にハラスメントに感じるんだよなー。笑
DMとかメッセージアプリで一言だけ発する時に句点を省いちゃう感覚ならわかるんだけど、そこそこ長い文章で文末だけ律儀に句点を省くのは意味わからん。
そもそもマルハラって、本来は休暇連絡など言いにくいことを職場にLINEしたときに、返事が「了解しました。」と非常に短文なのにマルが付いてたら、なんか含みがある感じがして怖い。
要は、「そうなんですか、体調不良なら仕方ないですね。温かくしてよく休んでください」と相手が丁寧に書いてくれなかったから不機嫌になってる構ってチャンの愚痴なのか、もしくは仮病で休むなど相手に嘘をついてる人がバレてないかと恐れる感情から生まれる不快感なのであって。それをハラスメントに置き換えて相手の責任にするという、悪質な言いがかりから始まってる話なのよ。
…という話だったのに、みんなビビったのか、いつの間にか文末のマルは常に付けないべきだ、みたいな話に広がってた印象で、由々しき事態だと私は感じてるんですよねー。
(了)
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