2021年ネットフリックスで観た新作について
安定して高品質(C評価以上)の作品をリリースし続けていました。
Kateが個人的にはスマッシュヒットでした。欧米の制作チームで作られた作品としては、日本をかなり正確に切り取っていた方だと思います。アクションも非常に洗練されていて素晴らしかったし、放射性物質を飲まされて主人公が死に近づく様子はB級映画感満載で称賛されるべき作品でした。本作は紛れもなくKill Billの令和アップデート版です。本当に面白いので私が保証します。
Red Noticeはガル・ガドットが楽しそうに演技してたなーくらいしか印象が残りませんでした。笑。普段は善玉ばかり配役されるガドットですが、SNSなどで見せるネアカキャラを存分に発揮して伸び伸びとしており、本当はもっと悪女を演じたいのかもしれませんね。ロック様でさえ脇役に追いやれるあの強キャラっぷりは本当に大したものです。
Army of the Deadも2021年でした。ザック・スナイダーのB級ゾンビ映画趣味全開ながらも、映画のハート部分は2017年に他界した娘への愛情によって構築されており、まさかの心が温かくなる作品でした。スピンオフであるArmy of Thievesは映像はものすごく綺麗でしたが、映画自体としては平凡なスパイ映画でした。
浅草キッドは柳楽優弥の演技が神懸かってました。鈴木保奈美も門脇麦も良かったです。ただ俳優の演技が良かった以外は普通の出来ではあったかなと思いました。一点だけ、尺を縮めたりドラマチックに展開するためだとは思いますが、ラストで深見千三郎がボヤを起こして火事で亡くなってしまう件をたけしが小遣いを渡した当日の夜にしてしまうという展開だけは、たけしが罪悪感を覚えてしまうからナシでしょう。あの脚色だけは納得できませんね。私はすぐにネットで調べて、事実は異なること(深見の焼死はたけしが優勝した2年後)を確認したくらいでした。
彼女は予想していたより3倍くらいハードで、水原希子とさとうほなみの裸体が惜しげもなく披露されて、かなり露骨で長尺なセックスシーンが出てきます。スター俳優が出演する日本映画としては異例の作風でした。調べたら監督の廣木隆一は昭和ピンク映画を主戦場とされていたようで、腑に落ちました。ただエロスを描くだけじゃなくて、そこにロマンを盛り込むのはいかにも昭和ですね。ちゃんとエロスが目的ではなくて手段になっていました。某家電メーカーのCM撮影でバス関係の(必然的に裸になる)時だけ会社の重役が多く見学していたとSNSで発言してしまうくらいの水原希子が、この仕事を受けていることが本作の方向性を物語っていると思います。
映画ではないですがゴジラS.P.はかなり素晴らしかったです。古き良き『空想科学シリーズ』の世界観をガッツリ現代科学に合わせてリファインして、さらに高卒や文系大卒を遥か彼方に置き去りにしていく怒涛の理系専門用語のオンパレード。ここまで攻めた作風ながら面白いと感じるファンが十分に多いことが、日本という国の教養の高さを証明していますね。ブルーレイには制作チームのコメンタリーが大量に収録されているようで大変興味があるのですが、あまりにも強気な価格設定のため私は手を出せていません。これもまた国民の生活レベルの高さを表しているのかもしれません。
なお話題沸騰していたイカゲームは視聴開始5分で切りました。そもそもイカゲームのルールがよく分からんし、隙あらば母親を騙す主人公の人間性が観ていて不快でしたので。あらすじも日本で数年前に流行った謎解きスリラーにインスパイアされたものであることは明らかで(あえてパクリとは呼ばないでおきましょう)、2021年に視聴する価値はないと判断しました。ブームが起きた後にネットフリックスが視聴数ランキングの集計方法の変更を表明した(視聴開始2分でカウントしていたのを止める)くらいなので、私のように早々と離脱した人は多かった(あえてアクセス増加の工作があったとは断言しないでおきましょう)のだと思います。もともと情報弱者でエンタメに疎い人達に、このような低俗な作品がまるで最高の選択肢であるかのように伝えられてブームになるのは由々しきことだと思います。暇潰しにさえなれば特に何でも構わない人達には、ゴリ押しだろうがプッシュ型で通知される方がラクなので、このくらいが丁度良いのかもしれませんが。2022年には宣伝の上手さだけではなく実力がある作品が持て囃される世の中になってほしいですね。
了。