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映画ザ・バットマンで個人的にツボに入った会話を集めてみた
他の記事を書いてる途中で出会ったキュートな会話をピックアップ。
▼気まぐれバットマン:
警察本部長の遺体発見現場にて。
Gordon: The hell is that? “Bring him into the light”? “Find the rat”?
なんじゃこりゃ?「灯りにネズミを引っ張り出せ」?
Batman: I don’t know.
分からん。
いやいや、ゴードンだって警察での自分の立場が危うくなるのに無理してバットマンを呼んでるんだよ。自分だって謎解きする雰囲気ムンムンで部屋に入ってきてるのに、この返答はないでしょ、バットマン。(笑)
▼優しくないバットマン:
セリーナは特殊コンタクトレンズを付けてナイトクラブに潜入している。
Selina: Are you sure no one can see these things in my eyes?
本当に周りの誰にも私が目に入れてるコレがバレないでしょうね?
Batman: Don’t worry. I’m watching you.
心配するな。俺が見てるから。
コイツらが私の目を見てないでしょうね?
という質問に対して、
ボクが君のことを見守ってるから大丈夫だよ
というバットマンの回答。
いやいや、なんか上手いこと言って話を逸らしたような気分になってるかもしれんけど、全く解決になってないから、バットマン。(笑)
それって要するに、もし見つかったら俺が駆けつけて全員ボコボコにしてやんよ、とイキってるのと大差ないから。(笑)
そこは「今までバレたことないから大丈夫だよ」と言うべきでしょう。あなたは危険なナイトクラブに女性を潜入捜査させているのよ。ルームメイトが殺人の重要参考人で、既に犯人と関係ありそうな何者かに誘拐された時点で、セリーナも相当危ない状態なのよ。男どもに急に拉致されたらどうするつもりなの?余計なジョークを言って「俺が守るぜムード」出す前に、素直に安心させて上げなさいよ。
たとえ嘘だとしても、たとえ自信がなかったとしても。(笑)
なお、もしも誘拐されたら発信機を利用して尾行しよう、くらいのことは考えていたゲス野郎(もしくはスーパー理系男子)である可能性も微レ存。(笑)
▼かまととバットマン:
引き続き潜入調査中のセリーナ。バットマンがモニターで見守る。
Batman: These guys have a little problem with eye contact, don’t they?
なんか視線が合わない男たちばかりだな、どうしたんだろう?
Selina: Feels good, doesn’t it?
あら、いい気分じゃない?
あのねえ、バットマン。いや、ブルース。今はそう呼ばさせてもらうよ。ブルース、男というのは愚かなもので、生物の脳神経の構造上、理性より本能がほんの数ミリ秒だけ速く反応してしまうので、魅力的な薄着の若いメスが目の前に現れたら、オスの視線は胸に向かってしまうものなのよ。そんなこと君の年齢だったら流石に分かってるやろ?なのに、わざわざセリーナにその話をするって、君はどういう趣味してるの?(笑)
うまく切り返すセリーナが大人で良かったですね。(笑)
もしかして、一つ前の「コンタクトレンズがバレないかしら」に対する遅めのアンサーがコレだったのかもしれないです。
だとしたら、ここは戸田奈津子先生風にガッツリ意訳してみましょう。
Batman: These guys have a little problem with eye contact, don’t they?
ほらね、君の目なんか見ない男たちばかりだろ?
Selina: Feels good, doesn’t it?
まったく、男ってチョロいわね。
原文とはかけ離れた意訳になりますが、こちらの方が意味が通じるしテンポが良いです。セリーナが「いい気分」になる理由は、自身の胸が見られるからではなくて、そうすれば潜入捜査がラクになるからなので、私はこう翻訳しました。どうですか?なっちっぽくないですか?(笑)
私はこういう意訳は嫌いじゃないです。日本と米国では言葉の文化が違うので、常にピュアな直訳をするのが絶対にベストだとは言い切れない部分があると思います。
戸田なっちはロードオブザリングやスターウォーズなどの過去作で専門用語などの不勉強から大ポカをやらかした負の実績こそありますが、こういう反射神経重視の意訳をやらせれば天下一品なのは確かです。もし彼女が抜擢されていたら、きっとこういう思いもよらぬショートカット意訳の数々で賛否両論を巻き起こし、私達を楽しませてくれたことでしょう。(笑)
▼ペンギンジョーク:
ペンギンに詰め寄るゴードンとバットマン。
Penguin: What the hell is this? Good cop, batshit cop?
なんだこりゃ?良い刑事とコウモリくそ刑事か?
「グッドコップ・バッドコップ」は刑事コンビの定番です。優しい刑事と厳しい刑事が協力して、容疑者の心理を操って自白させるテクニックです。日本の刑事ドラマなんかでも出てきますね。それを文字って「グッドコップ・バットくそコップ」と言ってます。
ちなみにこのシーンではゴードンとバットマンが、いきなりペンギンに襲いかかって(まあ麻薬の取引現場を押さえられて逃げ出したペンギンにも非はあるが)、ハイウェイを自動車で追い回した挙句に、ペンギンをクラッシュさせて死なせそうになり、そのまま病院じゃなくて廃墟に連れてきて、二人して怒鳴り声で詰め寄ってるので、グッドコップもへったくれもないのですが。両方ともバッドコップですよ。(笑)
せめてどちらかはグッドコップみたいに静かに対応できないのかよ、お前ら警察の基本も理解してないのな、という皮肉を込めたペンギンのユーモアですね。面白いです。
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まだ他にも見つかるかもしれませんが、一応こんな所で。
こちらではジョーカーとの会話を全文翻訳したのですが、この映画のバットマンは未熟で、不安定で、だからこそ可愛い発言が多いですね。
作品が続いたら、ロバプのバットマンも、ある時点で急に大人の男性に変わるのでしょうか。少し楽しみです。
了。
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