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フィクションは日常の中に潜んでいる

フィクションは日常の中に潜んでいるー

劇場から足が遠ざかっているとき、
僕らが必死に家の中に閉じこもっているとき、
そう考えるようになって毎日が楽しくなりました。

同じものを見ていても
それらはさまざまな表情をみせ
そのときどきのドラマをみせる。

光の当たり方、
ちょっとした湿り気だったり
風が運んでくる季節の香りだったり
もちろん見ている僕ら側のコンディションだったり。
そんな些細な自然の采配でそのドラマは趣を変える。

ちょっとだけ角度を変えて見る。
ちょっとだけいつもよりゆっくり動いてみる。
するとちょっとだけ身体にいつもと違う刺激が加わる。
それまでただの風景だったものが豊饒さを放ち、
僕らは誰かにそのことを話たくなる。

フィクションというものの根源的な形はこういうことだと思っています。

昨年2020年12月27日。
この「jamais vu」(ジャメヴュ=未視感)の撮影を始めたとき (このときは「未視感」なんて言葉も知らなかったし、この名前を冠するアイデアはそれから暫くあとのことです)、同時にその逆もやってみようかなと思って、初めてお会いした方々となにかしらのその場限りのセッションを行うこととは別な、でもとても結びつきの強いフィクションを作ることで、インタビューをしてドキュメンタリー作品を作ろうということだけでは出てこない、大きな真実の、今まで隠れているところに光が当たり、誰も認知の及ばなかった領域にフィクションが生まれるのではないかという思いつきがありました。

今の時点でぼんやり考えているのは、そのような認識のうえで作っていく半ドキュメンタリー/半フィクションのような作品です。

実のところ、どうなるかは全く結論を考えていません。

用意された状況、見たものに触発され湧き上がったイメージを具体的に俳優がアクションをしていき(俳優自身も撮影をし)、リアルとフィクションのセノグラフが出来たらなと思っています。

「omokage」

面影、オモカゲ、おもかげ、omokage…

これがその作品の仮のタイトルであり、あくまで制作過程の習作なのですが、場当たり的に形にしたものをこれからいくつか公開していこうと思います。

今回は、富永汐香さんにインタビューしたときに湧いてきたイメージを一つご紹介します。

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omokage( put on makeup )
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出演:吉田真優(メメ)、ヨシアノ(トト)、高木愛香(モモ)
   富永汐香(本人)
撮影:芥生浩隆
音楽:You Know You Want It No Lead Vocals by ORKAS (Artlist)
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