長母指外転筋の触診
前回、前々回もご紹介しましたが、母指は日常生活で多く利用されます。
前回までの内容はこちら
臨床1年目の教科書
特に多い動作が対立運動ではないでしょうか?
今回はその対立運動にも関与していると言われている”長母指外転筋”の触診について整理していきましょう。
1 触れることの臨床意義
上記でも示した通り、母指は生活で多く利用されます。
この表にもある”握り動作”で重要なのが対立運動です。
一般的に母指の対立運動は短母指外転筋、母指対立筋、短母指屈筋浅頭の作用と言われている。しかし、母指を対立させる際には、若干の回旋が生じる場合がある様子です。
その回旋を安定させるために長母指外転筋が働くと言われています。
(参考:超音波診断装置を使用した長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の動的観察)
これを加味すると、母指の対立を評価する際には長母指外転筋もポイントとなりそうですね。
2 特徴
前回紹介した、短母指伸筋は橈骨神経麻痺の場合、神経の分布の関係から、長母指伸筋より先に回復されると言われています。
しかし、今回の長母指外転筋はさらに分布が近位にあり、長母指伸筋や短母指伸筋、両筋より早く回復する兆候が現れやすい傾向にあります。
つまり、橈骨神経麻痺の場合も長母指外転筋を触診できることがポイントとなりますね。
では、触診のために、起始・停止を確認していきましょう。
【起始】橈骨・尺骨の後側面
【停止】第1中手骨の橈骨側、大菱形骨
3 実際の触診方法
では、実際に触れていきましょう。
① 母指を掌側外転してもらう
② 浮かび上がってくる腱を確認
③ 自動運動を繰り返してもらい、腱から筋腹まで触診していく
4 まとめ
触診をする際には、その筋の作用を文献や論文などで確認すると、臨床での活かすポイントがより明確になります。
目的が明確になると、触診の練習も取り組みやすいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。最後まで読んでいただきありとうございました。
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