肩甲上腕関節の評価方法⑤
前回までに肩甲上腕関節の1st,2nd,3rd内外旋の評価を整理しました。各ポジションで、どの組織が伸長されるのか?をイメージしながら実施することで臨床で使いやすくなります。
前回の内容はこちらから
臨床1年目の教科書
本日のテーマは、回旋筋腱板以外にも肩甲上腕関節の安定性に寄与している筋について整理していきましょう。それは上腕二頭筋です。
非常に重要で、臨床で疼痛を生じていることが多く見逃せいな筋です。
1 特徴
上腕二頭筋の作用として、肘関節の屈曲、前腕にの回外があります。
そのため、養成校では肘関節の際に学ぶことが多く、肩関節とのつながりを意識することが少ない筋です。
しかし、起始・停止を確認すると肩関節に関連することが理解できます。そのため、まず、起始停止を確認していきましょう。
【起始】
長頭:肩甲骨関節上結節
短頭:肩甲骨烏口突起
【停止】
橈骨粗面、前腕筋膜、尺骨(上腕二頭筋腱膜を経て)
となっています。
ここで注目するのが、起始の長頭です。結節間溝を走行し、上結節に付着します。そのため肩関節の関連することが走行からも理解できます。
2 どう稼働しているのか?
上記でも確認しましたが、長頭腱は関節包内に進入し、烏口上腕靭帯の下方で棘上筋と肩甲下筋の間を走行し、関節上結節と上方関節唇に付着します。
この走行により、骨頭の上方移動を抑え、肩甲上腕関節の安定性に寄与します。
臨床で、肩関節に不全が生じていると、上腕二頭筋長頭に疼痛を訴える症例が多くいます。つまり、肩甲上腕関節の不安定性を代償しようと、上腕二頭筋が過活動となり、疼痛が生じてしまうのです。
3 実際の評価方法
では、実際の評価方法について整理していきましょう。
今回はヤーガソンテストをご紹介します。
被験者は座位になり、脇をしめ、肘関節90°、前腕は回内にする
療法士は片方の手で前腕に抵抗を加え、もう片方の手で結節間溝付近を抑える
被験者は、脇をしめたまま前腕を回外する
【判定】
結節間溝に痛みがある。上腕二頭筋腱の不安定症が疑われる
4 まとめ
臨床では、不全の生じている関節の隣接関節も評価する必要があります。
その必要性はなぜか?どこを評価するべきか?を機能解剖で理解すると、より臨床で活かせる評価が学べます。
ぜひ、ご自身でも整理してみましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。最後まで読んでいただきありとうございました。
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