前腕の評価③
前腕は臨床で注目しにくいポイントですが、回内50°〜回外50°の可動性がないと生活で支障をきたすと言われています。その回内外の運動は近位橈尺関節、遠位橈尺関節の複合運動であり、制限があった場合には、どちらの問題なのか?を評価することが重要です。そのため、前回までに近位橈尺関節、遠位橈尺関節の評価について整理しました。
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臨床1年目の教科書
今回は、前回までに整理した橈尺関節が動くための条件として知っておきたい前腕骨間膜について整理していきましょう。
1 特徴
前腕骨間膜は、橈骨と尺骨の間をつなぐ膜様部と腱様部で構成される組織で、ほぼ全域にわたって存在します。前腕骨間膜から上には、尺骨粗面より外下方へ斜めに走って橈骨粗面の少し下方に付く斜索があり、斜索と前腕骨間膜との間にある骨間裂孔は、背側骨間動脈が通っています。
また、前腕の深指屈筋、長母指屈筋、長母指外転筋、短母指伸筋、長母指伸筋、示指伸筋がこれに付着しています。
2 どう稼働しているのか?
ポイントとして骨間膜付着間距離の距離が回内外で変化することです。
腕回内35度から回外20度まで最大に開きます。
逆に言うと、過度の前腕回内位・回外位を強いられた肢位で骨間膜に拘縮が生じると、前腕の回旋運動は障害される、と言うことです。
つまり、前腕骨間膜がしっかりと滑走することが回内外を可動させる条件となります。前腕の回内外に制限があった場合、前腕骨間膜の滑走性を評価することの重要性が理解できます。
3 実際の評価方法
では、実際にどのように評価するのでしょうか?
前腕骨間膜を直接評価する方法がないため、私は消去法で評価をします
① ROMを測定し、endfeelが靭帯・関節包性である
↓
② 遠位橈尺関節の可動性の確認
↓
③ 近位橈尺関節の可動性の確認
↓
②、③共に可動している場合、前腕骨間膜の拘縮を疑う
となります
4 まとめ
機能解剖でその関節がどう可動するのか?それを把握するためには、どう評価していけばいいのか?を理解することで、臨床で評価する意義が生まれます。一度でも良いので、機能解剖を整理することをお勧めします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。最後まで読んでいただきありとうございました。
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