大内転筋の触診
前回、前々回は長内転筋、恥骨筋と内転筋群について整理してきました。それぞれの機能を把握することで、なぜその筋に触診するべきか?が明確となり、臨床に活かしやすくなりますね。
前回までの内容はこちら
臨床1年目の教科書
今回は股関節の内転筋群の中で強力な内転作用を担当する大内転筋に注目していきましょう。
1 触れることの意義
上記でも記載しましたが、大内転筋は強力な内転作用を有します。そのため、大腿骨が固定されている場合には、骨盤を下方に引き、対側骨盤が下制に働きます。この作用があることで、脳卒中後の立位バランスにて、側方、特に麻痺側への重心移動量が増加し、かつ動的バランス時に非麻痺側に偏った重心位置が麻痺側方向へ修正され、正中に近づくと考えられます。
今まで整理してきた中でも、大内転筋も注目しておきたい筋であることが理解できますね。
参考:脳卒中片麻痺患者の麻痺側股関節内転筋と外転筋の動的バランスにおける機能的役割について
2 特徴
大内転筋の特徴ですが、まずは走行を確認しましょう。
①深層
【起始】恥骨下枝,
【停止】 大腿骨後面(粗線)
②表層
【起始】坐骨結節
【停止】 内転筋結節
ここで注目していきたいのが、隣になっている筋です、大内転筋の上には内側広筋が重なっています。
この特徴として、腱性部は内側広筋の起始としての役割を持ち、大内転筋の活動は内側広筋の収縮効率にも影響を及ぼします。
内反膝の場合、内側広筋を鍛えることが重要ですが、その前に大内転筋の状態を把握することが重要であると理解できますね。
3 実際の触診方法
では、実際に触れていきましょう。
① 股関節を屈曲・外転・外旋に誘導
② 大腿を内側から見て、長軸方向に半分にする
③ 半分の前方に大内転筋が存在する
④ 股関節内転で収縮を確認
4 まとめ
機能解剖と触診を同時に学ぶことで、臨床に活かせる知識、そして触診方法が整理できます。
触診が可能となると、自信となり患者さん・利用者さんの目を見て話すことができます。
ぜひ1度整理してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。最後まで読んでいただきありとうございました。
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