長内転筋の触診
前回までは外旋6筋を整理していました。股関節の後方の安定性に関連しており、立位の安定性、動作時の安定性が低下している場合は必ずチェックしておきたいポイントです。
前回までの内容はこちら
臨床1年目の教科書
今回からは股関節の内転筋群の長内転筋に注目していきましょう。
あまり臨床で注目されませんが、重要な筋です。
1 触れることの意義
股関節の内転筋に注目するしてもらいたいのが、脳卒中後の回復段階です。
ブルンストロームをより細かく評価している上田式12段階式片麻痺機能テストの連合反応を評価する際に内転筋の収縮を確認します。
そのため、脳卒中後の初期に内転筋の随意性が回復されることが考えられます。
さらに麻痺側股関節内転筋力が強いほど、側方、特に麻痺側への重心移動量が増加し、かつ動的バランス時に非麻痺側に偏った重心位置が麻痺側方向へ修正され、正中に近づくと報告もあります。
このことから臨床ではしっかりと確認しておきたい筋ですね。
参考:脳卒中片麻痺患者の麻痺側股関節内転筋と外転筋の動的バランスにおける機能的役割について
2 特徴
上記の機能を理解するためには走行のイメージが重要です。まずは起始・停止・走行を確認していきましょう。
【起始】恥骨体
【停止】大腿骨後面(粗線)
この走行を確認すると、OKCでは大腿骨を内転させることが理解できます。さらに、大腿骨側が固定された場合、つまりCKCでは恥骨を引き対側骨盤が下制し、あわせて前傾することが理解できます
やはり下肢の安定性に寄与することが理解できますね。
3 実際の触診方法
では、実際に触れていきましょう。
長内転筋は薄筋の隣に位置しています。薄筋をランドマークにしましょう。
① 股関節を外転させ薄筋を確認
② 薄筋の前方に指を移動し、長内転筋を確認
③ 内転で収縮を確認
4 まとめ
臨床であまり意識していない内転筋も機能を確認すると重要性が理解できます。目的が整理できると、触診の練習にもメリハリがつきやすいです。
ぜひ1度整理してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。最後まで読んでいただきありとうございました。
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