腕橈骨筋の触診
前回までは上腕筋・上腕三頭筋のそれぞれの機能解剖から触診方法を整理していきました。肘関節を安定させる関節筋として作用するため、肘の安定性に対して介入する際には必ずみておきたいポイントでしたね。
今回は肘関節を動かすために働く筋を整理していきましょう。
今回のテーマは”腕橈骨筋”です。
1 触れることの臨床意義
腕橈骨筋は負荷の掛からない肘関節の屈曲ではほとんど働かない筋肉ですが、緊急時に働くので「エマージェンシー・マッスル」とも呼ばれています。
つまり、生活の中で重たいものを持ち上げる時などに使用される筋です。
逆に考えると腕橈骨筋が上手く働かない場合、生活の中で荷物を持つなどの動作に支障がくることが考えられます。
あまり注目されませんが、肘関節は生活で利用することが多く、以下の可動域の確保が求められます。
(引用:筋骨格系のキネシオロジー 第1版)
2 特徴
腕橈骨筋で特徴的なのが、伸展位では屈曲トルクが生じないという点です。
これを整理するために一度、起始停止を確認していきましょう。
【起始】上腕骨外側縁、外側上腕骨筋間中隔
【停止】橈骨茎状突起
(引用:visible body 2021)
起始停止の結んだ線上に肘関節伸展軸が一致するため、屈曲トルクが生じません。肘関節を屈曲し、筋の走行が屈伸軸より前方に位置した時点で、屈曲作用が発揮されます。
(引用:筋骨格系のキネシオロジー 第1版)
そのため、生活で腕橈骨筋を利用するためには、
・上腕筋の安定した作用
・上腕二頭筋の安定した作用
がポイントとなってきます。
3 実際の触診方法
では、実際に触れていきましょう。
① 前腕中間位に誘導
② 肘関節を屈曲してもらい筋腹を確認
③ 触診しながら遠位にある、橈骨茎状突起までたどる
4 まとめ
機能を確認していくと、その筋が働く条件は?が整理できます。
その条件を知っておくことで、臨床で評価していく項目が明確になります。
ぜひ、触診と解剖学は一緒に学んでみましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。最後まで読んでいただきありとうございました。
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