肩甲下筋
3回に渡って回旋筋腱板の触診を整理していきました。1回目は棘上筋、2回目は棘下筋、3回目は小円筋。残りは今回のテーマである肩甲下筋ですね。回旋筋の中でも深部に位置しており、触診しづらい感じがしますが、一つ一つ整理していきましょう。
前回までの内容はこちらから
臨床1年目の教科書
1 触れることの臨床意義
まずはやはり走行を確認しましょう。
起始:肩甲下窩
停止:上腕骨小結節
(引用:visible body 2021)
走行を確認することで上腕骨の前面に付着していることがわかります。そのため腱板を構成する4つ筋の中で唯一前方の安定性に寄与します。
また筋の走行から内旋するため、肩関節の外旋制限があると肩甲下筋は重要な制限因子の1つとなります。
走行・作用を確認するだけでも、評価・アプローチのためには触診しておきたい筋ですね。
2 特徴
肩甲下筋の深層線維は直接関節包に付着します。
この特徴からも肩関節の前方の安定性・運動性に起用することが理解できますね。
実際、肩関節の前方安定性に不全が生じている場合、肩甲下筋の強化は保存療法の第一選択となります。
また、肩関節の肢位により作用が異なります。
外転90°での内旋では下方繊維の活動が高まります。逆に屈曲90°では筋が弛緩する位置関係になり活動が低下します。
そのため、外転での評価をすることが多いですね。
3 実際の触診方法
では、実際に触れていきましょう。
やはり走行をイメージが重要です。
① 肩関節を水平内転にし、肩甲骨を外転させる
② 肩甲骨の外転を保持したまま、肩関節を外転90°に戻す
③ 肩甲骨の腹側に指を沈める
④ 肩関節内旋で収縮を確認
4 まとめ
筋の解剖学を確認すると、その筋の重要性に気づくことができます。
まずは気になったら解剖学の書籍、論文などで調べてみましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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