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無添加のキケン。食のアンゼン。
みなさんご機嫌よう。もーやんです。
本日は、秋の読書感想文として『食品添加物はなぜ嫌われるのか: 食品情報を「正しく」読み解くリテラシー』をご紹介。
長くなったので、2部作にします!
まず、こちらの記事を読む際のお約束。
私の話を鵜呑みにせずに、疑い、調べてください。
それこそ、この本の核心部分『食品安全はみんなの仕事』に繋がると思うのです。
○本の概要
2020年6月発刊。株式会社化学同人出版。畝山智香子氏著。
無添加、オーガニック至上主義に待ったをかける畝山博士。食品添加物だけではなく、食品安全というテーマに沿って、最近話題の事例を挙げて分かりやすく解説されています。
添加物に関しても、知見の進んだ現代も昔の基準がそのまま踏襲されてしまっている等、なぜそうなっているのか、何が問題なのかを詳しく説明。読めば読むほど、「う~ん、なるほど…そうかー…」と唸ってしまう。
最初から最後まで、すべて勉強になる。
○『平飼い卵』の落とし穴
私は、平飼い卵しか買わない時期がありました。
生き物なのに、なぜ卵があんなに安いのか理解できないし、何か悪巧みをして安いのだと思い込んでいたのです。
その点、平飼い卵はのびのびと育って鶏の健康も良さそうだし、10個600円でも、手間と価値を考えれば当然と思っていました。
その後、一概に鶏の福祉が整っていると言えない状況があることも知り、考えを改めていた最近。
本書では、新たに
・ダニや寄生虫がついても、薬が使えない。痒い・不快なまま放置
・石や土を食べてしまう鶏の卵はダイオキシンが高濃度になりやすい
・オーガニックの制限があるため、飼料の栄養バランスに限界がある
これらすべて苦労してクリアしても、『毎日食べる卵』の値段では売れなくなってしまいます。それを、日本人は買い続けるでしょうか。
という問題点を指摘していました。
○塩も砂糖も燻製も食品添加物
そもそも、『食品添加物』は定義が国によって違いますが、大まかには「保存や味、見た目のために加えるもの」です。
人工物だけではなく、赤くするために苺を使えば、苺は添加物となります。それはもう、『無添加』とは言えなくなってしまうのだそう。
「えー、それは無添加でしょ!」と思いきや、私がイメージする添加物は「指定添加物」や「既存添加物」に該当する場合が多いみたい。
本書では、規制についての歴史や科学の進歩、現状についても解説されてます。
○食品偽装が一番多いのはオリーブオイル
衝撃なのは、
イタリアで生産されている量より多くの「イタリア産エクストラバージンオイル」が流通している、という事実。
知らなかった・・・
オリーブオイルが健康という由来は「一価の不飽和脂肪酸」。それは、オリーブ油であればすべて含まれるので、健康という意味では、エクストラバージンにこだわる必要は皆無ということ。
そうなんだ・・・
私の「なんか身体によさそう」というイメージで買う行動が、変わらず売れるマーケットとなり、不作だろうと混ぜて、偽って、売ってしまう原因になってるのかもしれない。。。
○ベビーフードと”無添加”のジレンマ
”ひじきの煮物”
はい、まさに健康なイメージよね。割烹とか。おふくろの味とか。。。
ところが、ヒジキには発がん性のある「無機ヒ素」が含まれており、欧州やオーストラリアでは規制対象の食品。
ま、まじかっ( ゚Д゚)?!
期待される「鉄分」自体も、製造する鉄鍋から混入したもの。現在は衛生のためにステンレス鍋が導入され、昔より鉄分の含量は減った。。。まあ、これは有名な話よね。
なので、無機ヒ素のリスクを考えると、鉄分を摂るためにひじきを大量に食べるのは避けるのが無難という。
でも、このひじき=鉄分のイメージが、赤ちゃんの離乳食にも多く使われる要因に。世界を知れば「鉄分強化」という選択肢が出てくるけど、ここでも「無添加」にこだわるママの購買意欲のせいでなきものに・・・
無添加って、安心・安全のため
でも、無添加にこだわるせいで、安全が脅かされ、安心じゃなくなってるかも・・・という事態に。
○オーガニック・自然・ナチュラルの恐ろしさ
と、まぁ読み進めるごとに衝撃の内容。まさに無知の知。
このほかにも、
・チーズは遺伝子組み換え技術必須。
・ステビア(甘味料)にも種類がある
・無添加=指定リストには載っていないものは入っている→安全性の根拠のないものが入っていることがある
などなど、初めて知ることが沢山。
畝山博士が何回も仰るのは、”人類の研究により「ここまでなら大丈夫」と分かっているもの以外の、自然界のものを使う恐ろしさ”について。
天然だから安全なんて、無知だからこそ言えるのでは。
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☆秋の読書感想文☆
◆『食品添加物はなぜ嫌われるのか』前編_「無添加のキケン。食のアンゼン」(こちらの記事)
◆『食品添加物はなぜ嫌われるのか』後編_「しょっぱい和食」