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死にたくなったら生理がくる

こんにちは。最近命の母ホワイトを購入した22歳です。
皆さん突然ですが、PMSをご存じでしょうか?
最近耳にする機会が増えたように思いますが一応説明すると、「月経前症候群(Premenstrual Syndrome)」の略称であり、月経の3〜10日位前から起こるキモチやカラダの不調で、月経が来ると症状が弱まり、やがて消えていくものです。(出展:知ろう、治そう、PMS【月経前症候群】 https://pms-navi.jp/

知っている方のほうが多いですかね。では、PMDDはどうでしょう? 聞いたことが無い方も一定数いらっしゃるかと思います。PMDDとは、「月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder)」の略称で、PMSの症状の中でもココロの症状が重く、自制が困難で日常生活が全く送れないほど深刻な場合に診断される疾患です。(出展:同上)

これから、私がPMDDを知って救われた話をします。

10年間、月イチで「無理」になっていた

10年というのは結構アバウトな数字ですが、いつからか分からないくらい昔から22歳の現在まで、大体月に一度くらいのペースで特に理由もないのに「死にたい」と思う期間がありました。小学校2年生のときに父がうつを患い自殺したため、ずっとそのせいで自分もそういう考えになりやすいのだと思ってたんです。
やるべきことがあるのに何も手につかなくなったり、ちょっとした母や姉の行動や言動に癇癪をおこして、怒鳴る・モノに当たる・泣き喚くといった迷惑行為を度々やらかしてきました。家でしかやらないので人間関係に支障をきたすことはほとんどなかったのですが、本当に親しい友人と二人で旅行に行った際に若干その気が出てしまい、イライラをぶつけてしまったことがあります。(後であの時はごめんと謝りましたが、「そうだっけ?」と言ってもらってどれほど救われたか…)

とにかく去年までの私は、「もう無理全部やめたい」みたいな期間がほぼ月イチでくることを自分自身で認識していながら、それが何きっかけで始まり終わるのか、全く考えようともしていなかったのです。

社会の変化が知識をくれた

私が高校生の時、体育の先生が妻さんのピルを授業で見せてくれました。多分なかなかのレアケースかと思いますが、実際に手に取る機会をあたえてくださったこと、本当に感謝しています。日本の性教育は不十分だ、という議論が本格的にされ始めたのも多分その頃で、大学に入るともっとそういった記事や友人の投稿などを目にする機会が増えました。
今まで知らず知らずのうちに諦めていたことを、「やっぱりおかしい」と声を上げる、議論する、そういう社会の変化みたいなものをひしひしと感じる中で、PMSという知識も入ってきたのです。
私は生理痛が重いタイプではなくて、お腹が痛くなることもそこまでない、ラッキーな人間なんだと思っていたのですが、「イライラ」という症状には痛いほど思い当たる節がありました。PMSというアルファベットの並びをどこかで耳にして、なんじゃそれとネットで調べて出てきた「心の不調」にドキッ。死にたくなるのはともかく、些細なことにイライラする原因はここにあったのか!と結構マジで感動しました。
「たまにイライラが我慢できなくて机の上のモノを全部バサバサッと床に落としたりするんだよね〜」なんて冗談めかして言っていた激ヤバ行動は、私の性格の問題ではなくPMSのせいかもしれない。そう分かっただけで、何かやらかした後の自己嫌悪が格段に小さくなりました。言い訳があるって素敵です。

ミニオンハチャメチャライドで泣く

さて、それでもまだPMSと「死にたい」は私の中で結びついていませんでした。というか、結びつくなんて微塵も想像できなかったのです。
ではなぜ行き着いたか。きっかけは、2泊3日の大阪旅行でした。

大学の友人と4人で行った大阪旅行。私にとっては生理がギリギリ被らない日程で、まあ一応サニタリーショーツとナプキン持っていくぐらいの感じ。
それはさておき、2日目行ったUSJで事件は起きます。友人の希望でミニオンハチャメチャライドというアトラクションに乗ることになったのですが、私映画のミニオンを一度も観たことがなく、楽しめるかちょっと不安だったんですね。しかも乗ってみたらわりと酔うタイプのアトラクションだったので、最初の方キャーキャー言いながら死にそうになっていました。ところが終盤、乗ったことある人なら分かるかと思いますが、鶴瓶の声のおじさん(グルー)がカッコいいシーンがありまして、はい、うっかり泣きました。
友達もうるっときたと言っていたのでそういうポイントに間違いはないのですが、結構普通に涙が出てきて、流石に恥ずかしすぎたので溢れる前に必死で堰き止めたんですけど、危なかったです。普段、一人で映画観るときや電車で本読む時など、「ここで泣くのはまずい」というタイミングだとスッと落ち着くことができる人間なんです。だから、まだ22歳だけどもう涙もろくなったのかなあなんて思いながらミニオンたちに別れを告げました。

何の話やねんと鶴瓶のツッコミが聞こえてきますが、実は涙もろくなるというのもPMDDの症状のひとつらしいのです。それを知ったのは大阪旅行の帰り、午前0時過ぎに家に到着した後でした。
成田から家に帰るまで、最安ルートで帰ろうと躍起になっていたためそんな遅い帰宅になったのですが、家族はすでに就寝モード。想像よりずっと冷たい出迎えと、ワンワン吠える犬。機嫌を損ねる母。
絶望でした。思いスーツケースを引きずって電車に間に合うようにと猛ダッシュしたあの道のりは何だったのか。

「私、いない方がよくない?」

大阪から帰ってきての第一声がこの様です。言った途端に涙が溢れてきて、死にたい消えたいと妄言のようにぶつぶつ繰り返し、メイクも落とさずに布団を被り、検索したのは

[生理前 涙が止まらない]

なぜダイレクトにこんな検索ができたのか些か疑問ですが、多分この最悪な気分も生理のせいにできたらどれだけ楽かと思ってのことだったのだと思います。縋るような、祈るような。
そうしてやっと、自分以外にも同じような経験をしている人がたくさんいることを知りました。PMSの中でも精神的な不調が大きい人が診断されるというPMDD。月イチでくる生理と、月イチでくる死にたいがようやく重なった瞬間です。

生理のせいにすればいい

ここまでPMDDについて話してきましたが、私は医師の診断を受けたわけではありません。それに、気分が落ちてもギリギリ日常生活は送れるので、PMDDではないのかもしれない。
でも、先にも述べましたが、何に対してもやる気が起きなくて1日棒に振ったときや自己嫌悪で死にたくなったとき、「これは生理のせいだ」と思ってしまえば、以前よりもちょっと心が楽になるのです。
生理以外のせいでももちろん良い。転嫁できる責任は転嫁してしまって、出来るだけ心穏やかに日々を過ごせたらこれ幸いです。

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