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木村喜由のマーケット通信【週2回配信】

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NPO日本個人投資家協会理事 テクニカルアナリストである木村喜由による 週二回発行のマーケット通信 株式市場や世界情勢に関するマーケット情報を配信します。
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2024年9月の記事一覧

まだまだ続く「野田台風」

まだまだ続く「野田台風」

野田の野党共闘方針を見据えれば石破しかなかった

筆者は国民間で自由に政見が語られ、時々政権政党が移動する政治体制がよいと強く考えているので、自民党が長く政権に居座る状況は好ましくないと思っている。
日本の中央官僚体制は、長期政権と利害が一致しやすいうえ、資金のスポンサーであり天下り先にもなる大企業が結託すると、政官財が協同して自分勝手な政治運営に突っ走ることがありうる。
これでは時代の変化に即し

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米国が抱える本当の不安は「幻滅」ではないか

米国が抱える本当の不安は「幻滅」ではないか

期待先行の連鎖で資産市場の値上がりを演出している

FRBは18日に0.5%利下げを決めたが、日銀は当面変更の必要なしという判断に収まった。
米国の利下げ幅が0.5%となった以上に観察者たちが驚いたのは、投票権者12人中11人が0.5%利下げに賛成したことだ。
それほどに現在の状況が危機的なのか??

雇用、個人消費、企業収益などの数値は伸び悩んでいるが、株価は史上最高値を更新中で、完全雇用の状態

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FOMCメンバーに広がる「おぼろな先行き不安」

FOMCメンバーに広がる「おぼろな先行き不安」

0.5%利下げはやはりサプライズ、しかし納得できる面も

昨晩のFOMCでは0.5%利下げが決定された。
利下げは4年半ぶり。
最近のCPI上昇率が前年比2.53%まで低下、一般企業向け貸出金利が8%台という現状から、利下げの方向は誰も反対しない。
むしろ業績が低迷し、財務力の弱い企業にとっては、地獄のような、とまでは言わないが、針のむしろに座らされたような厳しい環境。

しかし多くの観察者が0.

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総裁選後の焦点は選挙制度改革、台風の目は野田佳彦

総裁選後の焦点は選挙制度改革、台風の目は野田佳彦

米国大統領選は9割方カマラ・ハリスで固まった模様

日米とも選挙で大騒ぎである。米国は10日のテレビ討論でのトランプ氏の失敗と、直後のテイラー・スウィフトのハリス支持表明により、ほぼ大勢が決した。
なぜなら、勝敗がまだ見えていない接戦7州、選挙人93人の獲得において、ハリス氏の圧勝が確定的となったからである。

なぜスウィフト氏の動向を重視するかと言えば、彼女は最重要州であるペンシルベニア州の生ま

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円高で日本株が急落したなら買い向かえ

円高で日本株が急落したなら買い向かえ

トランプ時代とコロナ禍でマネーが膨張、インフレが沈静化せず実質金利

最近の円高は米国景気の見方が悪化しているからだ。
主に投機系短期マネーの動きであり、長期円安の見方に変更はない。筆者は認めていないが、エコノミストもFRBも米国の雇用悪化を警戒している。
物価は目標の2%上昇に少しずつ接近しており、現状のFFレート5.25%強は高すぎて、過度の引き締め状況になっているという主張には、筆者も賛成す

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怖い日柄に入ってきた米国株、楽観の消滅に警戒

怖い日柄に入ってきた米国株、楽観の消滅に警戒

日米の株価の長期サイクルが矛盾している

ほとんどの市場は、2020年3月を大底とするサイクルで動いている。
経験則ではその多くは今後のサイクルで、ほぼ近い時期に天井、底値を付ける可能性が高いが、今回は市場ごとの天底のタイミングが大きく食い違う可能性が強そうである。
なぜなら現在はコロナ禍対応の過剰流動性が残っていること、そこに生成AI期待(というよりNVIDIAの好業績に悪乗りしてプラットフォー

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