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米国が抱える本当の不安は「幻滅」ではないか

期待先行の連鎖で資産市場の値上がりを演出している


FRBは18日に0.5%利下げを決めたが、日銀は当面変更の必要なしという判断に収まった。
米国の利下げ幅が0.5%となった以上に観察者たちが驚いたのは、投票権者12人中11人が0.5%利下げに賛成したことだ。
それほどに現在の状況が危機的なのか??

雇用、個人消費、企業収益などの数値は伸び悩んでいるが、株価は史上最高値を更新中で、完全雇用の状態である。
CPIは前年比2.53%上昇まで鈍化しているが、食料・エネルギーが低下したためで、これらを除外したコア指数では3.2%上昇で、FRBが目標とする「2%付近での安定」が実現したわけではない。
しかし、企業の借入金利は優良企業でも8%台とかなり高く、住宅ローンも7%台で、景気にブレーキを掛けている。

筆者が初めて株式を買ったのは50年前、長嶋が引退発表をした10月14日。
その5日前に日経225は3355円の最安値を付けていた。
中東戦争で1バレル4ドル強だった原油が4倍に値上げされたのを契機に、第一次石油危機となり、狂乱物価、総需要抑制策などの物騒な言葉が飛び交い、物価の根本的見直しが必要として新価格体系が叫ばれた。

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